鉄のクリップやヘアピンなどが永久磁石に触れると、それ自身も磁石のようにほかの鉄製品をひきつけることは知っているな?このように、磁石が作り出す「磁界」によって物質が磁気を帯びる現象を「磁化」という。鉄製品はもちろんのこと、全く磁石につかない物質も、実はわずかながら磁化されている。
磁化の要因は物質が持つ「磁気モーメント」にあること、磁化の仕方によって分類ができることを、学生時代に磁性材料を研究していたライターthrough-timeと一緒に解説していきます。
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。学生時代、磁気工学を学んだ経験と知識を生かし、磁化について分かりやすく解説していく。
磁化の仕組み
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磁石が物質に及ぼす力を磁力、その磁力が及ぶ空間を磁界または磁場といいます。磁石に触れた鉄製品が磁石と同じ振る舞いをするように、磁界によって物質が磁気を帯びること、磁石になることを磁化または帯磁と呼ぶのです。磁化するのは磁石にくっつく物質だけだと思われがちですが、それらは磁化が顕著なだけにすぎません。磁石にくっつかない物質も、実は微弱ながら磁化しているのです。
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磁界は電流によっても作られ、導線が真っすぐな場合は同心円状、ループ状の場合は棒磁石と同じような磁界が発生します。右ねじの法則、右手の法則を思い出しましょう。
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