スーパーの缶詰め売り場でSPAMと書いた青くて四角い缶を見かけたことはないか?その缶詰めが今回紹介するスパムです。スパムはハワイや沖繩のソウルフードには欠かせない食材で、世界41もの国で販売されているんです。しかし、スパムがどんな食べものか知らない人もいるんじゃないか?今回はスパムの特徴や栄養についてもフードアナリストのコナパパと一緒に確認していきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回はハワイ料理屋や沖繩料理によく使われる、スパムについて解説していく。

そもそもスパムとはどんな食べもの?

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スパムは大好きな人、嫌いな人の両極端に分かれる食べものです。大好きな人は必ず家に常備していて、嫌いな人は二度と食べたくないと思っている人も多いようですよ。また、スパムの存在は知っているけど、食べたことのない人もいるかと思いますのでここで詳しく解説していきます。

スパムってなに?

スパムとは、アメリカのホーメルフーズ社のランチョンミートの商品名です。日本人にはランチョンミートという食べものはあまり馴染みがないかもしれませんが、世界の広い地域で食べられています。スパムは、その中でも世界的で最も有名な商品名なんですよ。

他社でもランチョンミートを製造していますが、SPAM(スパム)はホーメルフーズ社が商標登録をしている名前なので、他社はSPAM(スパム)という言葉を使うことは出来ないのです。しかし、ランチョンミート=SPAM(スパム)といわれるほどSPAM(スパム)という言葉はランチョンミートの代名詞となっています。

ランチョンミートとは、簡単に説明すると腸詰めにしていないソーセージです。香辛料などを加えた挽肉を金型に入れて加熱し、冷やして保存性を高めたもので、有名なランチョンミートはアメリカのSPAM(スパム)以外ですと、デンマークのTULIP(チューリップ)などがあげられます。

スパムの歴史

スパムは1937年にアメリカのホーメルフーズ社で作られました。当初は「スパイスドハム」と名前でしたがインパクトにかけ、売上が上がらなかったため公募で名前をコンテストで募集し、現在のSPAM(スパム)という名前がつけられました。

SPAM(スパム)という名前の由来はSPICE(スパイス)+HAM(ハム)を合わせた造語という説もありますが、ホーメルフーズ社では 「スパイスで味付けしたハムでは表現しきれない」や、「以前のごく一部の重役しか知らず、もはや知る術がない」などの謎めいた見解を示しています。

なぜ沖縄料理に使われるの?

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沖縄では昔から豚肉がよく食べられていました。スパムが沖繩に根付いたのは、アメリカによる沖繩統治中までさかのぼります。終戦後、アメリカから沖縄県民に対して配給物の一つとしてスパムを配給したのが始まりです。手軽で保存性に優れているスパムは沖縄県民にも受け入れられ、沖縄料理には欠かせない存在となりました。現在ではアメリカのホーメルフーズ社と資本提携した沖繩ホーメル社もあり、沖繩の食文化にも大きな影響を与えているんですよ

ちなみに、沖繩県では「スパム」とは言わずに「ポーク」と呼ばれて親しまれています。

\次のページで「スパムの特徴は?」を解説!/

スパムの特徴は?

スパムの見た目からわかることは、何かの肉から出来ている食材というくらいですよね。食べたことのない人からすると謎に包まれた食材のようです。ここでは、スパムが何から出来ているのか、見た目が似ているコンビーフとの違いなどについて詳しく解説していきます。

スパムの原材料は?

スパムの原料には豚肉、塩、砂糖、水、じゃがいもデンプン、亜硝酸ナトリウムが使われています。亜硝酸ナトリウムと聞くと科学的なものであまり体によくなさそうに思う人もいるかと思いますが、ハムやソーセージなどの加工肉を綺麗な色に保つために、ごく一般的に使われていて特別なものではありません

また、スパムは塩味が濃いと思う人もいますが、保存料を使っておらず、保存性を保つためにも塩味が濃くなっているんですよ。塩味が濃く感じる人には塩分カットのスパムもおすすめです。

コンビーフとの違いは?

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スパムは簡単に説明すると豚肉やスパイスを腸詰めにせず、缶に詰めて加熱をしたソーセージです。一方のコンビーフは、塩漬けにした牛肉を加熱したあと、ほぐしてから缶詰めされています。コンビーフのコンはcorned(塩漬け)という意味からきているんですよ。どちらもパンに挟むと美味しい食品ですが、そもそもスパムは豚肉、コンビーフは牛肉で加工方法も違うのです。

どうやって食べるの?

スパムは加熱処理されているので、缶詰を開けてそのままカットしてパンに挟んだり、サラダのせたりして食べることも可能です。ただそのままだと、油分が多く油っぽく感じられるので、フライパンなどで焼くと油分が抜けてカリカリとした食感になり、より一層美味しく頂けますよ。特に卵やご飯との相性は抜群です。

また、クラシルやクックパッドといったレシピサイトには、スパムを使った定番の料理以外にも、創作料理がたくさん紹介されているので、気になる人はチェックしてみてください。

スパムにはどんな栄養があるの?

スパムにはどんな体に良い栄養素があるのか解説していきます。また、体に悪いイメージを持たれている人も多いようですので、実際のところはどうなのか詳しく解説していきますね。

\次のページで「スパムは体に悪くないの?」を解説!/

スパムは体に悪くないの?

スパムは体に悪いというイメージを持たれている人が多くいる食べものです。その理由は塩分が強い、添加物、高カロリーなどがあげられます。これを聞いただけでいかにも体に悪そうに思えますが、基本的にハムやソーセージなどの肉を使った加工品の原点は保存食で、スパムに入っている添加物などは保存性を高めてくれるのです。

近年では塩分を抑えたもの、添加物不使用のものなども見かけるようになりましたが、塩分や添加物は、ほとんどの肉を使った加工品にも使われ、食感を良くしたり色味を保つなどの役目もあるので、スパムが特別体に悪いといったことはないんですよ。

また、添加物の種類や量も日本の厚生労働省で決まっているので、輸入品だからといって規定を越えた量が使われていることはありません。

低糖質で高タンパク

スパムは缶詰めのなかでも糖質が少ないことに加え、他の食材と調理する際にも、すでにしっかりとした味がついており糖質の高い調味料を使う必要がありません。適量を食べることで糖質制限ダイエットにも向いた食材といえます。

また、身体を作るのに重要な栄養素であるタンパク質が、スパムの主原料である豚肉には豊富に含まれているのです。スパムは手軽にタンパク質を摂取できる食材なので、成長期の子供や筋肉を増やしたい人にとっておすすめの食べものなんですよ。

食べる際の注意点は?

スパムを食べる際の注意点は、ずばり食べすぎないことです。その理由は塩分が高い、脂質が多いことがあげられます。スパムの塩分は他の肉を使ったハムやソーセージなどの加工品と比べても多く、カロリーについては1缶340gあたり1088Kcalもあるのです。このカロリーはおよそカツカレーの一皿分と同じくらいになるんですよ。

塩分の摂りすぎは高血圧や動脈硬化、脂質の摂りすぎは肥満や糖尿病のリスクに繋がるのでスパムを食べる量には気をつけましょう。

\次のページで「スパムの特徴を知り、注意点にも気をつけよう」を解説!/

スパムの特徴を知り、注意点にも気をつけよう

スパムは確かに、塩分や脂質が多いというデメリットもありますが、特徴を詳しく知っていれば食べすぎてしまうこともなくなりますよね。缶詰めを開けるだけで、簡単にタンパク質を取れるといったメリットもあるので、食べすぎなどの注意点を理解し美味しく食べましょう。

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家庭科

スパムってどんな食べもの?特徴や栄養もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説

スーパーの缶詰め売り場でSPAMと書いた青くて四角い缶を見かけたことはないか?その缶詰めが今回紹介するスパムです。スパムはハワイや沖繩のソウルフードには欠かせない食材で、世界41もの国で販売されているんです。しかし、スパムがどんな食べものか知らない人もいるんじゃないか?今回はスパムの特徴や栄養についてもフードアナリストのコナパパと一緒に確認していきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回はハワイ料理屋や沖繩料理によく使われる、スパムについて解説していく。

そもそもスパムとはどんな食べもの?

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スパムは大好きな人、嫌いな人の両極端に分かれる食べものです。大好きな人は必ず家に常備していて、嫌いな人は二度と食べたくないと思っている人も多いようですよ。また、スパムの存在は知っているけど、食べたことのない人もいるかと思いますのでここで詳しく解説していきます。

スパムってなに?

スパムとは、アメリカのホーメルフーズ社のランチョンミートの商品名です。日本人にはランチョンミートという食べものはあまり馴染みがないかもしれませんが、世界の広い地域で食べられています。スパムは、その中でも世界的で最も有名な商品名なんですよ。

他社でもランチョンミートを製造していますが、SPAM(スパム)はホーメルフーズ社が商標登録をしている名前なので、他社はSPAM(スパム)という言葉を使うことは出来ないのです。しかし、ランチョンミート=SPAM(スパム)といわれるほどSPAM(スパム)という言葉はランチョンミートの代名詞となっています。

ランチョンミートとは、簡単に説明すると腸詰めにしていないソーセージです。香辛料などを加えた挽肉を金型に入れて加熱し、冷やして保存性を高めたもので、有名なランチョンミートはアメリカのSPAM(スパム)以外ですと、デンマークのTULIP(チューリップ)などがあげられます。

スパムの歴史

スパムは1937年にアメリカのホーメルフーズ社で作られました。当初は「スパイスドハム」と名前でしたがインパクトにかけ、売上が上がらなかったため公募で名前をコンテストで募集し、現在のSPAM(スパム)という名前がつけられました。

SPAM(スパム)という名前の由来はSPICE(スパイス)+HAM(ハム)を合わせた造語という説もありますが、ホーメルフーズ社では 「スパイスで味付けしたハムでは表現しきれない」や、「以前のごく一部の重役しか知らず、もはや知る術がない」などの謎めいた見解を示しています。

なぜ沖縄料理に使われるの?

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沖縄では昔から豚肉がよく食べられていました。スパムが沖繩に根付いたのは、アメリカによる沖繩統治中までさかのぼります。終戦後、アメリカから沖縄県民に対して配給物の一つとしてスパムを配給したのが始まりです。手軽で保存性に優れているスパムは沖縄県民にも受け入れられ、沖縄料理には欠かせない存在となりました。現在ではアメリカのホーメルフーズ社と資本提携した沖繩ホーメル社もあり、沖繩の食文化にも大きな影響を与えているんですよ

ちなみに、沖繩県では「スパム」とは言わずに「ポーク」と呼ばれて親しまれています。

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