パソコンのデスクトップにショートカットってあるよな。別のところにインストールされているプログラムをすぐに呼び出せて便利です。似たようなものにシンボリックリンクというものもあるらしいのです。他にもOSによって色々な似たものがあるらしいのです。ですが、似たようなものがなんでいくつもあるんでしょう。また、違いはあるのでしょうか気になるよな。ショートカットとシンボリックリンクの違いや、なぜ似たようなものが複数あるのかまでプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

ジャンプか別名か?シンボリックリンクとショートカットの違い

image by iStockphoto

Windowsには様々なショートカットがあります。ショートカットキーにショートカットメニュー、そしてファイルやフォルダのショートカットですね。デスクトップのアイコンの左下に矢印(↗)がついたものがあるかと思います。これがショートカットすぐにファイルやプログラムなどを呼び出せて便利ですよね。

似たようなものにシンボリックリンクというものもあります。あまりなじみがない機能かもしれませんが、実はWindowsでも使える機能です。この違いをざっくり説明するとジャンプか別名かの違い。これではざっくりすぎるのでもう少し細かく見ていきましょう。

ショートカット:直接跳ぶワープポイント

ショートカットは別のところにあるファイルやフォルダに直接ジャンプできる機能です。なので「ショートカット(近道)」という名前になっています。

Windowsのショートカットのジャンプする先はファイルやフォルダばかりではありません。例えば、コントロールパネルなどの設定画面でもショートカットが使われています。フォントの設定やプリンタの設定といったコントロールパネル内の各種設定画面にも直接ジャンプできるのです。

シンボリックリンク:あるファイルやフォルダの別名

一方、シンボリックリンクはファイルやフォルダに別の名前をつける機能です。例えば、テキストファイルのショートカットを作成し、それをメモ帳にドラッグ&ドロップして見ましょう。思ったものと違う訳のわからないものが表示されますよね。一方、シンボリックリンクは思った通りの内容が表示されるはず

この違いは仕組みショートカットはショートカットファイルという特別なファイルになっています。これをWindowsが読み取って元のファイルを開いてくれるわけです。シンボリックリンクはWindowsの中で元のファイルとリンク(連携)しているので通常のファイルのように扱うことができます。

Windows由来のショートカット、UNIX由来のシンボリックリンク

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細かい違いがあるとは言え、なぜ似たような機能があるのでしょう。実はWindowsに元々あったのはショートカットだけです。シンボリックリンクはLinuxなどのUNIX系OSにあった機能になります。しかし、便利な機能なのでWindowsでも後から導入されたのです。この両者の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

ショートカット:別のファイルやフォルダを指す

ショートカットは元々Windowsに用意されていた機能です。デスクトップやスタートメニューもショートカットの機能を使っています。この機能は後で説明するUNIX系OSのシンボリックリンクの機能をWindowsで実現するために用意されたものです。ただ、似ているのは機能だけで、仕組みはまったく違います。

ショートカットはその先のファイルやフォルダを開くことが可能です。また、先のファイルがプログラムであれば実行できます。そのために特殊なファイルがあり、Windowsが特殊なファイルを読み取ってそのように動作するのです。

シンボリックリンク:別のファイルやフォルダに別の名前をつける

シンボリックリンクはUNIX系のOSで用意されていた機能です。ファイルやデイレクトリ(Windowsでいうフォルダ)に別の名前をつけることができます。こちらがオリジナルの機能なのでショートカットと似ていますよね。

ショートカットとの違いは通常のファイルやフォルダと同じように使えることです。ショートカットはWindowsの特殊なファイルと説明しましたよね。シンボリックリンクもタネも仕掛けもありますが、普通のファイルやフォルダと同じように扱うことができるのが最大の特徴で、ショートカットにはない便利なところです。ただし、ごく一部のプログラムではシンボリックリンクを正常に扱えないこともあります

ショートカットもシンボリックリンクも?Windowsの進化

最初に説明したように元々はシンボリックリンクがありました。それを真似したものがWindowsのショートカットです。これはこれで便利なのですが、やはりシンボリックリンクのようなことがしたいという要望が出てきました。その結果生まれたのが「ジャンクション」です。これはシンボリックリンクに似ていますが、対象がフォルダだけ。ファイルには使えません。

その後、最終的にはWindowsでもシンボリックリンクが使えるようになります。今となってはシンボリックリンクがあればジャンクションもショートカットも不要に感じますよね。ただ、順を追って実現されてきたので、今でも全て残っているのです。また、ショートカットにはファイルやフォルダ以外のものも対象にできるというシンボリックリンクにはない特徴もあるので、使い分けが必要になります。

柔らかい?固い?ソフトリンクとハードリンク

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Windowsでいうショートカットやシンボリックリンクのような機能を一般的にはソフトリンクと呼びます。ソフト(柔らかい)があればハード(固い)もあり、実はハードリンクという機能もあるのです。このソフトリンクとハードリンクの関係や、Windows以外のOSではどうなっているのかを簡単に説明します。

\次のページで「OSによって呼び方は様々?ソフトリンク」を解説!/

OSによって呼び方は様々?ソフトリンク

一般的にはソフトリンクと呼ばれる機能の代表がWindowsではショートカット、UNIX系OSではシンボリックリンクです。ただし、その後、WIndowsではフォルダを対象にしたジャンクションが登場します。また、最終的にはUNIX系OSと同等のシンボリックリンクもできました。

Macでは「エイリアス」という名前になっています。名前が違うだけでしょうか。実は、Macのエイリアスはシンボリックリンクよりも進化しています。ショートカットもシンボリックリンクも、元のファイルの名前を変えたり、場所を動かしたり、削除してしまうとエラーになってしまうのです。しかし、エイリアスは元のファイルを変更してもそれを追いかけてくれます。

一心同体?ハードリンク

ソフトリンクとは別にハードリンクがあると書きましたが、どう違うのでしょう。ショートカットやシンボリックリンクは元のファイルの分身のようなものです。元のファイルの名前を変えたり、削除するとショートカットなどはエラーになります元のファイルがあってこそのショートカットやシンボリックリンクなのです。付箋や名札のようなものと思ってください。それらだけあっても元のものがなければ意味がないですよね。

一方、ハードリンクはどちらも同じものに違う名前をつける機能。芸名とかペンネームのようなものですね。呼び方は違っても中身は同じ。そのため、元のファイルを削除してしまっても、ハードリンクしたファイルはそのままです。呼び方が違うだけなので当然ですよね。ただし、ハードリンクは制限があります。Windowsならば同じドライブの中だけです。シンボリックリンクにはそのような制限はありません。

Windowsでのリンクの作り方

Windowsではショートカットはマウス操作で簡単に作成できます。しかし、シンボリックリンクやジャンクション、ハードリンクは手順が必要です。そのため、なじみが薄いという部分もあります。ただ、便利な機能なので簡単に使い方を説明しますね。

まずはコマンドプロンプトをスタートメニューから呼び出します。そこで「mklink 新しい名前 元のファイル名」とコマンドを入力。これでシンボリックリンクができあがり。ハードリンクの場合は「mklink  /h 新しい名前 元のファイル名」とするだけです。ジャンクションはあまり使わないと思いますが、「mklink /j 新しい名前 元のファイル名」となります。

ファイルや機能への近道のショートカット、別名のシンボリックリンク

ショートカットとはその名の通り近道です。別の場所にあるファイルやフォルダをすぐに呼び出せるようにまとめて置いておくもの。インストールしたプログラムのショートカットがデスクトップやスタートメニューに置くのもそのためです。

一方、シンボリックリンクはファイルやフォルダに別の名前をつけるもの。似ているのはショートカットが元々シンボリックリンクをお手本にしていたからです。そして、後からWindowsでもシンボリックリンクが使えるようになったので、似たような機能がどちらも使えるようになっています。

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IT・プログラミング雑学

シンボリックリンクとショートカットの違いとは?ソフトリンクとハードリンクもプログラマーが分かりやすくわかりやすく解説

パソコンのデスクトップにショートカットってあるよな。別のところにインストールされているプログラムをすぐに呼び出せて便利です。似たようなものにシンボリックリンクというものもあるらしいのです。他にもOSによって色々な似たものがあるらしいのです。ですが、似たようなものがなんでいくつもあるんでしょう。また、違いはあるのでしょうか気になるよな。ショートカットとシンボリックリンクの違いや、なぜ似たようなものが複数あるのかまでプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

ジャンプか別名か?シンボリックリンクとショートカットの違い

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Windowsには様々なショートカットがあります。ショートカットキーにショートカットメニュー、そしてファイルやフォルダのショートカットですね。デスクトップのアイコンの左下に矢印(↗)がついたものがあるかと思います。これがショートカットすぐにファイルやプログラムなどを呼び出せて便利ですよね。

似たようなものにシンボリックリンクというものもあります。あまりなじみがない機能かもしれませんが、実はWindowsでも使える機能です。この違いをざっくり説明するとジャンプか別名かの違い。これではざっくりすぎるのでもう少し細かく見ていきましょう。

ショートカット:直接跳ぶワープポイント

ショートカットは別のところにあるファイルやフォルダに直接ジャンプできる機能です。なので「ショートカット(近道)」という名前になっています。

Windowsのショートカットのジャンプする先はファイルやフォルダばかりではありません。例えば、コントロールパネルなどの設定画面でもショートカットが使われています。フォントの設定やプリンタの設定といったコントロールパネル内の各種設定画面にも直接ジャンプできるのです。

シンボリックリンク:あるファイルやフォルダの別名

一方、シンボリックリンクはファイルやフォルダに別の名前をつける機能です。例えば、テキストファイルのショートカットを作成し、それをメモ帳にドラッグ&ドロップして見ましょう。思ったものと違う訳のわからないものが表示されますよね。一方、シンボリックリンクは思った通りの内容が表示されるはず

この違いは仕組みショートカットはショートカットファイルという特別なファイルになっています。これをWindowsが読み取って元のファイルを開いてくれるわけです。シンボリックリンクはWindowsの中で元のファイルとリンク(連携)しているので通常のファイルのように扱うことができます。

Windows由来のショートカット、UNIX由来のシンボリックリンク

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細かい違いがあるとは言え、なぜ似たような機能があるのでしょう。実はWindowsに元々あったのはショートカットだけです。シンボリックリンクはLinuxなどのUNIX系OSにあった機能になります。しかし、便利な機能なのでWindowsでも後から導入されたのです。この両者の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

ショートカット:別のファイルやフォルダを指す

ショートカットは元々Windowsに用意されていた機能です。デスクトップやスタートメニューもショートカットの機能を使っています。この機能は後で説明するUNIX系OSのシンボリックリンクの機能をWindowsで実現するために用意されたものです。ただ、似ているのは機能だけで、仕組みはまったく違います。

ショートカットはその先のファイルやフォルダを開くことが可能です。また、先のファイルがプログラムであれば実行できます。そのために特殊なファイルがあり、Windowsが特殊なファイルを読み取ってそのように動作するのです。

シンボリックリンク:別のファイルやフォルダに別の名前をつける

シンボリックリンクはUNIX系のOSで用意されていた機能です。ファイルやデイレクトリ(Windowsでいうフォルダ)に別の名前をつけることができます。こちらがオリジナルの機能なのでショートカットと似ていますよね。

ショートカットとの違いは通常のファイルやフォルダと同じように使えることです。ショートカットはWindowsの特殊なファイルと説明しましたよね。シンボリックリンクもタネも仕掛けもありますが、普通のファイルやフォルダと同じように扱うことができるのが最大の特徴で、ショートカットにはない便利なところです。ただし、ごく一部のプログラムではシンボリックリンクを正常に扱えないこともあります

ショートカットもシンボリックリンクも?Windowsの進化

最初に説明したように元々はシンボリックリンクがありました。それを真似したものがWindowsのショートカットです。これはこれで便利なのですが、やはりシンボリックリンクのようなことがしたいという要望が出てきました。その結果生まれたのが「ジャンクション」です。これはシンボリックリンクに似ていますが、対象がフォルダだけ。ファイルには使えません。

その後、最終的にはWindowsでもシンボリックリンクが使えるようになります。今となってはシンボリックリンクがあればジャンクションもショートカットも不要に感じますよね。ただ、順を追って実現されてきたので、今でも全て残っているのです。また、ショートカットにはファイルやフォルダ以外のものも対象にできるというシンボリックリンクにはない特徴もあるので、使い分けが必要になります。

柔らかい?固い?ソフトリンクとハードリンク

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Windowsでいうショートカットやシンボリックリンクのような機能を一般的にはソフトリンクと呼びます。ソフト(柔らかい)があればハード(固い)もあり、実はハードリンクという機能もあるのです。このソフトリンクとハードリンクの関係や、Windows以外のOSではどうなっているのかを簡単に説明します。

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