この記事では木綿豆腐の製造法や栄養などについてみていきます。木綿豆腐と言えば大豆製品の1つでヘルシーですが栄養が多いイメージです。木綿豆腐と絹豆腐で好みや用途が分かれるが、どうやら木綿豆腐のほうが栄養豊富みたいです。栄養たっぷりな木綿豆腐の特徴や効能を知って使っていきたい。
今回は木綿豆腐の歴史や製造方法、どんな栄養が豊富なのかについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。豆腐は素もまま食べても味噌汁にしてもお菓子にしてもおいしいからよく購入している。

木綿豆腐の歴史

豆腐の発祥は中国で、2000年以上前に作られたのではないかと言われています日本に伝わったのは平安時代や鎌倉時代と言われていますが、詳細は分かっていません

豆腐は、今でこそ庶民の味方である食材になっていますが、江戸時代の初めころまではぜいたく品とされて僧侶や貴族のものでした。庶民は特別な日にしか食べられず、作ることも禁止されていたのです。江戸時代中期ころに、庶民の間でも製造され出回るようになり全国へ広がっていきました。古くから作られていた木綿豆腐ですが、庶民の間に広がるようになってから絹豆腐の製造もされるようになっていったようです。

木綿豆腐の製造方法

木綿豆腐は、大豆の加工品です。大豆を水につけて柔らかくしてから潰し、豆乳とおからに分け、豆乳のみ使用します。豆乳に凝固剤のにがりを加えて固めそれを崩して余分な水分を取り除きますが、これが木綿豆腐の特徴です。木綿の布を敷いた大きな型に流し入れ、重石をしてさらに水抜きし再度固めます。このことで木綿の跡が付き「木綿豆腐」と呼ばれるようになりました。これを水中で切り分ければ木綿豆腐の出来上がりです。

水分が少なくしっかりしていて崩れにくく、一度崩しているため豆腐の間に隙間があります。調味料がしみこみやすいので、炒めたりあんかけやたれを絡めたりする料理なら木綿豆腐が良いでしょう。

木綿豆腐と他の豆腐は何が違うの?

image by iStockphoto

絹豆腐や充填豆腐という豆腐も聞きますが、木綿豆腐との違いは製造方法です。木綿豆腐と他の豆腐だと、凝固のタイミングが違うことで水分量が大きく変わります。木綿豆腐と何が違うのか簡単にみてみましょう。豆腐を選ぶときの参考にもしてみてください。

\次のページで「木綿豆腐と絹豆腐の違いは?」を解説!/

木綿豆腐と絹豆腐の違いは?

絹豆腐の製造方法は、豆乳を大きな型に入れ凝固剤のにがりを加えてそのまま固めます。固まったら水中で切り分けて完成です。木綿豆腐に比べて手間が少なく作ることでき、水分を取り除かないためみずみずしい仕上がりになります。

絹豆腐は水分が多いためみずみずしくなめらかな舌触りです。木綿豆腐は余分な水分を除くことで大豆のうまみが強いですが、絹豆腐はあっさりしているのも特徴となっています。水気が多く崩れやすいので、そのまま食べたりサラダに乗せたりするのがおすすめです。

充填豆腐と絹豆腐の違いは?

冷やした濃いめの豆乳に凝固剤のにがりを加えて液体のまま販売する容器に入れます。その後加熱をして固めるので、絹豆腐より製造工程がさらに簡潔です。最後にパックごと加熱するため賞味期限が長めに設定されています。

大量生産がしやすいことからこの作り方が考え出されたようです。絹豆腐と製造方法やなめらかさが似ているため「充填絹豆腐」といわれるので、絹豆腐だと思って使用している方もいると思われます。

木綿豆腐や絹豆腐と違い、水にさらす工程がなくアクが抜けきらずみずみずしさはありながら大豆の風味が強いです。販売時にパックの中に水が入っていないものが充填豆腐で、他の豆腐との見分け方となっています。

「豆腐」と名前にあるけれど豆腐ではないもの

豆腐って他にも種類があるよ!と思った方、それは実は木綿豆腐などの豆腐の仲間ではありません。

・卵豆腐
・ごま豆腐
・クルミ豆腐
・杏仁豆腐

これらは、原料に大豆を使っておらず見た目が豆腐に似ていることから「豆腐」と言われていますが厳密には豆腐の仲間ではありません

\次のページで「豆腐1丁ってどれくらいの大きさ?」を解説!/

豆腐1丁ってどれくらいの大きさ?

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市販されている多くの木綿豆腐が、1丁およそ350gです。私の暮らす地域でも350gでしたが、地方によって±50gほど差がある場合があります。レシピで「豆腐1丁」とある場合は350gを目安に考えて大丈夫です。豆腐に何グラムなのか表示があるので、購入するときに確認してみてください。

豆腐は栄養豊富な食材!

木綿豆腐は余計な水分を除いている分、栄養がたっぷりです。豊富な栄養とその効能についてみていきましょう。

植物性でも良質なたんぱく質

木綿豆腐100当たりのたんぱく質は7.0gで、植物性の食べ物では多めでトップクラスです。たんぱく質の質を示すアミノ酸スコアも肉や魚などと同じ100で、良質なたんぱく質と言えます。たんぱく質は肌や髪の毛など身体の多くを作っているので、欠かしてはならない栄養素です。

少なめの脂質でダイエットにおすすめ

豆腐の脂質は100gで4.9g含まれており、肉と比べて半分から7分の1程度とかなり少なめです。ダイエット中は抑えたい脂質ですが、肉の代わりに木綿豆腐を食べれば簡単に減らすことができます。脂質が少ない分カロリーも控えめなので、ダイエットにぴったりです。

お肉と一緒に使ってボリュームアップすれば満足感も得られそうですね。木綿豆腐は崩れにくく扱いやすいので、アレンジをして変化をつければ飽きることもなく食べられるでしょう。

不足しがちなカルシウムも補える

木綿豆腐には牛乳の9割近くのカルシウムが含まれており、かなり豊富といえます。カルシウムは歯や骨を作るのに重要な栄養素で、骨粗しょう症の予防のためにも必要です。

日本人はカルシウムが不足しがちですが牛乳が体質に合わない人も多いので、豆腐でカルシウムを摂取することもおすすめになります。メインでなくても汁物などさまざまなメニューで取り入れて、少しづつ摂取するだけでも効果があるでしょう。

豆腐を食べるときの注意点

大きな注意点はありませんが、適量と気を付ける点をみてみましょう。

\次のページで「1日どれくらいが適量?」を解説!/

1日どれくらいが適量?

豆腐は脂質やエネルギーが少なくヘルシーなので、過度に食べすぎなければ大きな問題はないでしょう。1日1丁くらいが適量です。1丁を一度に食べるのは意外とボリュームがあるので、小分けにして食べるのが良いでしょう。また、栄養豊富の豆腐ですがバランスの良い食事が健康には大切ですので、色々な食品を食べるようにしてください。

置き換えの方法に注意

たんぱく質が豊富でヘルシーだから、今日の夕飯に豆腐を追加しよう!と、普段の食事に豆腐を追加するだけだとカロリーオーバーです。肉や魚の代わりに置き換えることが大切となります。肉や魚の代わりに豆腐にして、副菜もしっかり食べることが重要です。

栄養たっぷりの木綿豆腐を食べて健康になろう!

木綿豆腐は昔から身近な存在として親しまれてきて、豆腐の種類の違いや特徴も知ることができましたね。用途やお好みに合わせて、豆腐を選んでみてほしいです。特に栄養豊富な木綿豆腐をぜひ活用してみてください。

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家庭科

木綿豆腐と絹豆腐って何が違うの?製造方法や栄養・注意点も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説

この記事では木綿豆腐の製造法や栄養などについてみていきます。木綿豆腐と言えば大豆製品の1つでヘルシーですが栄養が多いイメージです。木綿豆腐と絹豆腐で好みや用途が分かれるが、どうやら木綿豆腐のほうが栄養豊富みたいです。栄養たっぷりな木綿豆腐の特徴や効能を知って使っていきたい。
今回は木綿豆腐の歴史や製造方法、どんな栄養が豊富なのかについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。豆腐は素もまま食べても味噌汁にしてもお菓子にしてもおいしいからよく購入している。

木綿豆腐の歴史

豆腐の発祥は中国で、2000年以上前に作られたのではないかと言われています日本に伝わったのは平安時代や鎌倉時代と言われていますが、詳細は分かっていません

豆腐は、今でこそ庶民の味方である食材になっていますが、江戸時代の初めころまではぜいたく品とされて僧侶や貴族のものでした。庶民は特別な日にしか食べられず、作ることも禁止されていたのです。江戸時代中期ころに、庶民の間でも製造され出回るようになり全国へ広がっていきました。古くから作られていた木綿豆腐ですが、庶民の間に広がるようになってから絹豆腐の製造もされるようになっていったようです。

木綿豆腐の製造方法

木綿豆腐は、大豆の加工品です。大豆を水につけて柔らかくしてから潰し、豆乳とおからに分け、豆乳のみ使用します。豆乳に凝固剤のにがりを加えて固めそれを崩して余分な水分を取り除きますが、これが木綿豆腐の特徴です。木綿の布を敷いた大きな型に流し入れ、重石をしてさらに水抜きし再度固めます。このことで木綿の跡が付き「木綿豆腐」と呼ばれるようになりました。これを水中で切り分ければ木綿豆腐の出来上がりです。

水分が少なくしっかりしていて崩れにくく、一度崩しているため豆腐の間に隙間があります。調味料がしみこみやすいので、炒めたりあんかけやたれを絡めたりする料理なら木綿豆腐が良いでしょう。

木綿豆腐と他の豆腐は何が違うの?

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絹豆腐や充填豆腐という豆腐も聞きますが、木綿豆腐との違いは製造方法です。木綿豆腐と他の豆腐だと、凝固のタイミングが違うことで水分量が大きく変わります。木綿豆腐と何が違うのか簡単にみてみましょう。豆腐を選ぶときの参考にもしてみてください。

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