この記事ではもやしの旬や選び方について学んでいこう。もやしはいつでも安く買える家計の味方ですが、季節によって値段が変わることもなく、いつでもスーパーに並んでいるのを不思議に思ったことはないでしょうか。ちなみに一般的に売られているのは緑豆もやしといい、それ以外にもいくつか種類があるぞ。今回はもやしの旬や種類、選び方などを現役管理栄養士のみまつと一緒に解説していきます。買い物の時に役立ててくれ。

ライター/みまつ

給食調理会社で責任者経験を積み、現在は福祉施設で栄養管理に関わっている現役管理栄養士。その経歴と食べ盛りの子ども5人を育てる母としての経験から、食べ物についての知識をわかりやすく解説する。食べ物エッセイや雑学が大好き。

もやしの旬と主な産地は?

image by iStockphoto

もやしは一年中安定した価格で売られていますが、旬はあるのでしょうか。ここでは、もやしの旬や主な産地、国内の生産量についてみていきましょう。

もやしは一年中栽培されている

もやしは豆を水だけで発芽させ、豆自身の持つ栄養で育ちます。日光に当てずに育てるため室内での生産が可能で、「工場野菜」とも呼ばれているんですよ。天候に左右されずに安定した供給が可能なため、旬はありません。きのこも同じように栽培されています。

農林水産省による「もやし生産における衛生管理指針」をもとに、オートメーション化された清潔な工場で生産されているので安全、安心ですね。もやし工場のほとんどは年中無休・24時間体制で稼働しているようです。

もやしの生産量

もやしは年間40万トン前後生産されています。天候不順で野菜の供給が少ない年にはもやしを多く作るなど、生産量を操作しているのです。畑で育つ野菜と違い工場で作られるもやしならではのメリットですね。

総務省の家計調査によれば、二人以上の世帯では年間6kg以上のもやしが消費されているとか。もやしの価格は20年前よりも安くなっていて消費者には嬉しいですが、原料は高騰しているようです。

もやしの主な産地

もやしの生産業者は、多い時には1100以上が存在していましたが、現在では国内に110ヵ所前後だそうです。主な産地は栃木県、福島県、神奈川県など。中でも栃木県は大手のもやし業者が多く存在し、もやし生産量で圧倒的1位を誇ります。これは水の質がよく、地下水を栽培に使用することが認められていて安価に生産できるため。

ちなみに、多く流通している緑豆もやしの原料となる緑豆は輸入100%。中国やミャンマーから仕入れていますが、原料の価格は年々高騰しているためいつまで安価で提供できるかは不明な状況です。

\次のページで「もやしの種類は?」を解説!/

もやしの種類は?

image by iStockphoto

ここでは、食品成分表に「もやし」として載っている4種類のもやしについて解説します。

・緑豆もやし
・ブラックマッペ
・大豆もやし
・アルファルファ

順にみていきましょう。

1.一般的な緑豆もやし

緑豆もやしは、流通しているもやしの約9割を占める定番のもやしです。太目でシャキシャキした食感と癖のない味、水分の多さが特徴。炒め物や鍋、ラーメンなど使用範囲が広く一般的に認知されていますね。もやしの中でも一番値段が安く、料理にボリュームを出したりいろいろなメニューにアレンジしたりと、重宝している方も多いのではないでしょうか。

2.甘味の強いブラックマッペ

ブラックマッペは緑豆もやしよりも細めのもやしです。黒豆もやし、細もやしとも呼ばれていますが、いわゆる黒豆ではなく、ケツルアズキという緑豆の一種から生産されます。緑豆もやしよりもほのかに甘みがあり、歯ごたえのあるもやしです。原料のケツルアズキは、インド料理のドーサ(豆と米を粉にして発酵させ、薄く焼いたもの)にも使われています

短時間で火が通り水っぽくならないので、焼きそばやお好み焼きにも相性よし。もやし炒めで有名なある料理店では、ブラックマッペを使用しているのが秘訣だとか。

\次のページで「3.歯ごたえバツグンの大豆もやし」を解説!/

3.歯ごたえバツグンの大豆もやし

大豆もやしは大豆を原料としており、豆がついたまま食べます。豆部分のコリコリした食感と旨味があり、たんぱく質や食物繊維などの栄養価も豊富で根強い人気。独特の風味があるため、ごま油やニンニクなど味の強い調味料と相性がよく、ナムルやキムチ鍋など韓国料理には欠かせません。豆部分までしっかり加熱するように長めに茹でるのがコツですよ。

4.栄養満点!アルファルファ

アルファルファはマメ科ウマゴヤシ属の多年草です。もやしと同じように水だけで栽培され、細い姿から別名糸もやしとも。アラビア語で「最高の飼料」を意味するalfasfasaを語源とし、和名も馬が肥えるという意味の「ムラサキウマゴヤシ」です。

古くから牧草やハーブとして利用されてきましたが、その栄養価の高さが注目され、食用とされるようになりました。他のもやしにはないビタミンAを含み、パリパリした柔らかい食感が人気です。生のままサラダなどで食べられるため、水溶性のビタミンも逃さず摂れるのがメリット。「野菜の王様」とも呼ばれるほど健康効果が高いもやしです。

新鮮なもやしの選び方は?

image by iStockphoto

もやしはいつでもスーパーに並んでいるので、ついカゴに入れる方も多いのではないでしょうか。ここでは、もやしを選ぶ時のポイントをお伝えします。

白さのある物を選ぼう

もやしは透明感のある白いものが新鮮です。緑豆もやしは太くてピンと張りのあるもの、ヒゲ根部分が短いものを選びましょう。

傷んだもやしの見分け方

触ってみてしんなりとしていたり、袋の中に水が出ているものは傷んできている証拠です。ヒゲ根部分が茶色くなっている程度や、少し酸っぱい臭いのしている時は食べられなくはないですが風味は落ちてしまいます。

生ぐさい臭いがしたり、ぬめりがあるもの、溶けた状態のものは食中毒の危険もあるため、食べるのはやめましょう。安価なもやしで身体を壊しては本末転倒です。いずれにしても、新鮮なうちに食べるのがおすすめ。

もやしは自家栽培もできる

image by iStockphoto

豆苗の根を水に浸しておき、再生栽培したことのある方も多いのではないでしょうか。もやしも水だけで育てられるため、家庭で簡単に自家栽培が可能です。種を容器に入れ、たっぷりの水に浸して、毎日水を替えるだけ。7~10日ほどで収穫できますよ。

ポイントは、光を当てないようにすること。アルミホイルや段ボールなどで容器を多い、光に当てずに育てましょう。アルファルファなどのスプラウト類は、栽培セットも販売されています。

\次のページで「一年中安価に食べられるもやしを無駄なく使って節約上手になろう」を解説!/

一年中安価に食べられるもやしを無駄なく使って節約上手になろう

もやしは工場で作られているため旬がなく、一年中安定した価格で買うことができます。ほとんどの野菜が値上がりする中、もやしは価格の変動も少なく「家計の優等生」として活躍してくれますね。しかし、今後もやしの価格が上がることも十分に考えられます。「安いから」ととりあえず購入するのではなく、無駄にせずに使い切ったり、時には自家栽培を試してみたり無駄なく活用することが大切です。もやしの価値を見直して、栄養バランスと家計管理を両立させましょう。

" /> もやしにはどんな種類がある?旬や新鮮なもやしの選び方も現役管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

もやしにはどんな種類がある?旬や新鮮なもやしの選び方も現役管理栄養士が分かりやすくわかりやすく解説

この記事ではもやしの旬や選び方について学んでいこう。もやしはいつでも安く買える家計の味方ですが、季節によって値段が変わることもなく、いつでもスーパーに並んでいるのを不思議に思ったことはないでしょうか。ちなみに一般的に売られているのは緑豆もやしといい、それ以外にもいくつか種類があるぞ。今回はもやしの旬や種類、選び方などを現役管理栄養士のみまつと一緒に解説していきます。買い物の時に役立ててくれ。

ライター/みまつ

給食調理会社で責任者経験を積み、現在は福祉施設で栄養管理に関わっている現役管理栄養士。その経歴と食べ盛りの子ども5人を育てる母としての経験から、食べ物についての知識をわかりやすく解説する。食べ物エッセイや雑学が大好き。

もやしの旬と主な産地は?

image by iStockphoto

もやしは一年中安定した価格で売られていますが、旬はあるのでしょうか。ここでは、もやしの旬や主な産地、国内の生産量についてみていきましょう。

もやしは一年中栽培されている

もやしは豆を水だけで発芽させ、豆自身の持つ栄養で育ちます。日光に当てずに育てるため室内での生産が可能で、「工場野菜」とも呼ばれているんですよ。天候に左右されずに安定した供給が可能なため、旬はありません。きのこも同じように栽培されています。

農林水産省による「もやし生産における衛生管理指針」をもとに、オートメーション化された清潔な工場で生産されているので安全、安心ですね。もやし工場のほとんどは年中無休・24時間体制で稼働しているようです。

もやしの生産量

もやしは年間40万トン前後生産されています。天候不順で野菜の供給が少ない年にはもやしを多く作るなど、生産量を操作しているのです。畑で育つ野菜と違い工場で作られるもやしならではのメリットですね。

総務省の家計調査によれば、二人以上の世帯では年間6kg以上のもやしが消費されているとか。もやしの価格は20年前よりも安くなっていて消費者には嬉しいですが、原料は高騰しているようです。

もやしの主な産地

もやしの生産業者は、多い時には1100以上が存在していましたが、現在では国内に110ヵ所前後だそうです。主な産地は栃木県、福島県、神奈川県など。中でも栃木県は大手のもやし業者が多く存在し、もやし生産量で圧倒的1位を誇ります。これは水の質がよく、地下水を栽培に使用することが認められていて安価に生産できるため。

ちなみに、多く流通している緑豆もやしの原料となる緑豆は輸入100%。中国やミャンマーから仕入れていますが、原料の価格は年々高騰しているためいつまで安価で提供できるかは不明な状況です。

\次のページで「もやしの種類は?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: