この記事では四字熟語の「当意即妙(とういそくみょう)」と「臨機応変(りんきおうへん)」の違いについてみていきます。特に「臨機応変」は日常生活でもよく使うことがあるでしょう。2つとも「その場に応じた言動」を表すときに使われる類義語ですが、意味や使い方が少し違うみたいです。今回はこの2つの四字熟語の違いを由来なども確認しつつ、文学部出身の主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「当意即妙」と「臨機応変」の違いは?

「当意即妙」と「臨機応変」はとてもよく似た意味を持つ言葉です。「何となく違うことはわかるけど、どう使い分けたらいいのかわからない…」という人も多いのではないでしょうか。

ざっくりいうと、使われる対象に違いがあります。「当意即妙」は心の働き・反応に対して使いますが、「臨機応変」は行動・対応に対して使うことが多いようです。では、詳しくみていきましょう。

「当意即妙」とは?

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「当意即妙」という言葉を使ったことはありますか?聞いたことはあっても、なかなか自分で使うことは少ない言葉かもしれませんね。まず、「当意即妙」とはどのような言葉なのか、意味や由来をみていきましょう。

「当意即妙」の意味

「当意即妙」には、次のような意味があります。

即座に、場に適った機転を利かせること。気が利いていること。また、そのさま。「当意」はその場に応じて、素早く適切な対応をとったり工夫したりすること。

出典: 新明解四字熟語辞典(三省堂)「当意即妙」

「当意即妙」については、「即座に」「機転をきかせる」という点がポイントです。瞬発的な反応、心の働きに対して使われます。

\次のページで「「当意即妙」の由来」を解説!/

「当意即妙」の由来

仏教用語である「当位即妙(とういそくみょう)」に由来しています。当位即妙とは「何事もそのままの状態で仏の真理や悟りにかなっている」という意味。つまり、日頃の精進によって知恵や対処が身についていると、あるがままの状態ですぐれた働きをするのだということです。

この「位」が「意」に置き換えられ、意味も少し変化して、現在の「当意即妙」として使われるようになりました。

臨機応変とは?

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「臨機応変」については、よく使ったり耳にするという人も多いのではないでしょうか。改めて、その意味と由来について確認していきましょう。

「臨機応変」の意味

「臨機応変」には次のような意味があります。

状況に応じた行動をとること。場合によって、その対応を変えること。「臨機」は事態にのぞむこと。「応変」は変化に応じる意。

出典: 新明解四字熟語辞典(三省堂)「臨機応変」

「臨機応変」について、ポイントとなるのは「変化に応じた」「行動」という点です。「臨機応変」は主に行動や対応についていうときに使われます。

「臨機応変」の由来

『南史(なんし)』梁宗室伝(りょうそうしつでん)という、中国の南朝について書かれた歴史書に由来します。

梁の総司令官である蕭淵明(しょうえんめい)が将軍たちに向かって言った言葉、「吾自ら機に臨みて変を制す。多言する勿れ(わたしは自分から状況に応じて災いを抑えるから、余計なことは言わないでくれ)」。ここから「臨機応変」という言葉が使われるようになったと言われています。

\次のページで「「当意即妙」と「臨機応変」の使い方」を解説!/

「当意即妙」と「臨機応変」の使い方

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「当意即妙」と「臨機応変」はよく似た言葉ですが、置き換え表現として使うことはできず、使い分ける必要があります。次は、具体的にどのような使い方をするのかについてみていきましょう。

「当意即妙」の使い方

「当意即妙」は、会話や心理描写の場面で、人の発言や返答を評価する言葉として使われます。また、和歌を褒めるときに使うこともあるようです。

・会議での彼女の当意即妙な受け答えには驚かされた。
・この仕事では、当意即妙に意見を述べることが求められる。
・昨日のクレームに対する上司の返答は当意即妙だった。

「臨機応変」の使い方

「臨機応変」は、使う場面が限定されず、様々な使い方をすることができます。

・緊急事態の際には臨機応変な判断が求められる。
・お客様の要望に対して臨機応変に対応することが信頼に繋がる。
・彼は知識は多いが、臨機応変さに欠ける。

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「当意即妙」と「臨機応変」を使い分けよう!

「当意即妙」は発言や反応に対して使う言葉、「臨機応変」は対応や行動に対して使う言葉です。どちらも対人関係やビジネスにおいて、知っておくと便利な表現ですね。使い分けを意識しながら、どんどん使っていきましょう!

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雑学

3分でわかる「当意即妙」と「臨機応変」の違い!由来や使い方も主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では四字熟語の「当意即妙(とういそくみょう)」と「臨機応変(りんきおうへん)」の違いについてみていきます。特に「臨機応変」は日常生活でもよく使うことがあるでしょう。2つとも「その場に応じた言動」を表すときに使われる類義語ですが、意味や使い方が少し違うみたいです。今回はこの2つの四字熟語の違いを由来なども確認しつつ、文学部出身の主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「当意即妙」と「臨機応変」の違いは?

「当意即妙」と「臨機応変」はとてもよく似た意味を持つ言葉です。「何となく違うことはわかるけど、どう使い分けたらいいのかわからない…」という人も多いのではないでしょうか。

ざっくりいうと、使われる対象に違いがあります。「当意即妙」は心の働き・反応に対して使いますが、「臨機応変」は行動・対応に対して使うことが多いようです。では、詳しくみていきましょう。

「当意即妙」とは?

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「当意即妙」という言葉を使ったことはありますか?聞いたことはあっても、なかなか自分で使うことは少ない言葉かもしれませんね。まず、「当意即妙」とはどのような言葉なのか、意味や由来をみていきましょう。

「当意即妙」の意味

「当意即妙」には、次のような意味があります。

即座に、場に適った機転を利かせること。気が利いていること。また、そのさま。「当意」はその場に応じて、素早く適切な対応をとったり工夫したりすること。

出典: 新明解四字熟語辞典(三省堂)「当意即妙」

「当意即妙」については、「即座に」「機転をきかせる」という点がポイントです。瞬発的な反応、心の働きに対して使われます。

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