この記事ではプッタネスカとアラビアータの違いについてみていきます。どちらもトマトソースのパスタで見た目はよく似ているが全く別ものらしいのです。メニューで見かけたらスマートに注文したいもんです。今回はイタリアでは定番のプッタネスカとアラビアータの違いや作り方を、ママライターのうめグミと一緒に解説していきます。

ライター/うめグミ

イタリアンレストランでバイト経験あり。料理は食べるのも作るのも大好きなママライター。身近なテーマをわかりやすく解説します。

プッタネスカとアラビアータの違いとは?

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パスタソースには色々な種類がありますが、定番といえばトマトソース!私はニンニクとバジルがたっぷり入ったトマトソースが大好きです。プッタネスカアラビアータもどちらもトマトソースのパスタなのですが、はっきり違いが分からない方も多いのではないでしょうか。両者の違い、基本の作り方、人気のトマトソース3選についても解説していきます。

プッタネスカ:アンチョビ、ケッパー、オリーブ入りのトマトソースパスタ

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プッタネスカとは、トマトソースをベースに、アンチョビ、ケッパー、ブラックオリーブを使った塩味と酸味が特徴的なパスタのこと。イタリアのナポリで誕生し、「娼婦風パスタ」と呼ばれるイタリアの定番料理です。

かつて娼婦街として栄えたイタリアのスペイン地区が発祥とされています。名前の由来は、娼婦が仕事の合間に身近にある食材でさっと作って食べていたから、娼婦のように刺激的な味わいだから、娼婦が客のために振る舞ったなど諸説あるようです。それにしても刺激的な名前ですね。

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の中で、イタリア料理史上最も古くからあるパスタソースのひとつとして登場し話題になりました。

アラビアータ:唐辛子入りのトマトソースパスタ

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アラビアータは、イタリアのローマで生まれた唐辛子の刺激的な辛味が特徴のトマトソースのことです。アラビアータ(arrabiata)は「怒っている」という意味のイタリア語で、「食べると唐辛子の辛さで顔が怒ったように真っ赤になる」ことからこの名前がついたとされています。地名のアラビアとは関係ありません。

怒っているという意味のアラビアータに、「~風の」という「all’」(アッラ)を付けるのが正しい表記です。カタカナで書くと「アッラアラビアータ」になり、日本人には発音しにくい名前ですね。

アラビアータにはショートパスタのペンネが使われることが多く、ペンネで作ると「ペンネ・アラビアータ」(penne all’arrabbiata)、スパゲッティで作ると「スパゲッティ・アラビアータ」(spaghetti all’arrabbiata)となります。

\次のページで「プッタネスカとアラビアータの作り方とポイント」を解説!/

プッタネスカとアラビアータの作り方とポイント

基本的な作り方とポイントを見ていきましょう。

プッタネスカの作り方とポイント

材料は、イタリアの家庭では常にストックされているような身近な食材ばかり。少し高価なものもありますが、スーパーで簡単に購入できるものばかりなのでぜひ作ってみてください。

材料(2人分)
・スパゲッティ200g
・トマト缶 1缶(約400g)
・黒オリーブ 50g(約20粒)
・アンチョビ 3~4切れ
・鷹の爪 1本
・オリーブオイル、パン粉 適量

作り方
1.お湯を沸かした鍋に塩(分量外)を入れスパゲッティを固めに茹でる(目安は表記時間の1分前)。茹で汁を100ml程度取っておく。
2.フライパンにオリーブオイル、アンチョビを入れ炒め、鷹の爪、みじん切りにしたニンニクを香りが立つまで弱火で炒める。
3.オリーブ、ケーパーを入れ軽く炒め、トマト缶を加える。ソースのとろみを見ながら少しずつ茹で汁を加える。トマトをつぶしながら中火で8分程炒め、塩とこしょうで味を整える。
4.フライパンに茹でておいたスパゲッティを入れさっと合わせる。
5.全体が馴染んだら皿に盛りつけてお好みでパン粉、パセリ、オリーブオイルをかける。

トマト缶は生のトマトやミニトマトでも代用可能です。オリーブ、アンチョビ、ケッパーが足りない場合は塩を追加して味を調整すればOK。アンチョビは瓶や缶詰めの方がおいしいですが、便利なアンチョビペーストを使ってもいいですね。アンチョビ、オリーブ、ケーパー自体に塩気があるので味付けは控えめにしましょう。

\次のページで「アラビアータの作り方とポイント」を解説!/

魚介類が入ったパスタには粉チーズをかけないのが本場ナポリ流。仕上げはオリーブオイルやパン粉をかけて基本のプッタネスカを楽しんでください。

アラビアータの作り方とポイント

次はアラビアータの作り方です。材料がシンプルがゆえ、唐辛子の刺激的な辛味とトマトの程よい酸味が楽しめます。

材料(2人前)
・ペンネ 160g
・トマト缶 1缶(400g)
・にんにく 2かけ
・赤唐辛子 2本
・オリーブオイル 大さじ2
・塩 小さじ2/3
・パセリ 適量
・粉チーズ お好みで

作り方
1.お湯を沸かした鍋に塩(分量外)を入れスパゲッティを茹でる(目安は表記時間の30秒前)。茹で汁を100ml程度取っておく。
2.フライパンにオリーブオイル、つぶしたにんにく、種を取ってちぎった赤唐辛子を入れる。にんにくの香りが出てきたらトマト缶を入れ、ソースのとろみを見ながら少しずつ茹で汁を加える。中火で5分程煮込み塩で味を整える。
3.フライパンに茹でておいたペンネを入れさっと合わせる。
4.皿に盛りつけてパセリをかける。

ベーコン、玉ねぎ、なすなどの野菜を加えてアレンジしてもおいしく仕上がります。ペンネは余熱で柔らかくなりにくいため、茹で時間を短くし過ぎないことがポイントです。ほどよく柔らかく仕上がったペンネにソースがよく絡み、ソースのうま味をしっかり味わえます。

唐辛子の辛さを味わうのがプッタネスカの醍醐味。こちらも仕上げに粉チーズを使わないのが本場流です。しかし、チーズで辛さがマイルドになってコクもアップするので好みに合わせて使ってください。

トマトソースがベースのパスタ3選

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プッタネスカとアラビアータの違いはお分かりいただけましたか?どちらも唐辛子の入ったイタリアでは定番のトマトソースですが、トマトソースには他にもたくさん種類があります。人気のトマトソース3選をまとめました。

\次のページで「1.ボロネーゼ:肉と香味野菜を煮込んだトマトソースパスタ」を解説!/

1.ボロネーゼ:肉と香味野菜を煮込んだトマトソースパスタ

イタリアのボローニャ発祥のパスタで、正式名称は「ラグー・アッラ・ボロネーゼ」。ラグーは「煮込み」という意味で、ボロネーゼは肉と玉ねぎやセロリなどの香味野菜をトマトソースで煮込んだパスタのことです。ボロネーゼには、タリアタッレというきしめんのようなパスタが使われるのが一般的ですが、スパゲッティやラザニアなど他のパスタともよく合います。

ミートソースと同じものだと思われがちなボロネーゼ。かつてイタリアからアメリカに伝わりアメリカ風にアレンジされたものがベースとなり、それが終戦後に日本へ入ってきて現在のミートソースになりました。ボロネーゼは肉の存在感があり、香味野菜やワインで仕上げた深い味わいなのに対し、ミートソースでは細かいひき肉が使われることが多く、ケチャップや砂糖を加えた親しみやすい味付けになっていることが違いです。

2.ペスカトーレ:魚介類を使ったトマトソースパスタ

ペスカトーレは魚介類を使ったトマトソースパスタのことで、イタリアのペスカトーレ島で誕生しました。ペスカトーレの意味は漁師。売れ残った魚介類をトマトソースで煮込んだものがはじまりと言われています。魚介のうま味とトマトソースが作りだすコクのある味わいが人気のパスタです。

アサリ、イカ、エビ、ムール貝、ホタテなどがよく使われますが、具材に決まりはありません。手に入りやすいものやお好みのチョイスでOK。冷凍のシーフードミックスを使えば手軽に作れますね。

3.アマトリチャーナ:パンチェッタを使ったトマトソースパスタ

アマトリチャーナは、パンチェッタのうま味とトマトソースの酸味がよく絡むローマ地方の伝統的なパスタです。パンチェッタと玉ねぎを炒めたものをトマトソースで煮込んで作ります。唐辛子を使わないので辛くありません。

パンチェッタは豚バラ肉の塩漬けのことで、日本の一般的なスーパーでは手に入りにくいため、家庭で作る場合は厚切りベーコンで代用することが多いようです。チーズはペコリーノチーズという羊乳のチーズを使うのが本場流。牛乳から作られるチーズに比べ塩味が強く、ほのかな酸味と羊乳特有の甘みが特徴です。パンチェッタとペコリーノチーズはどちらも手に入りづらい食材ですが、ローマでは定番のパスタ。レストランで見かけたらぜひ注文してみてください。

プッタネスカとアラビアータは見た目は似ているが別の料理

プッタネスカとアラビアータは、どちらもトマトソースがベースになっているため見た目がよく似ていますが、使われる具材や味わいが異なる別の料理です。それぞれの名前の由来も特徴的でしたね。トマトソースは他にもたくさん種類があるので、初めて見るメニューに挑戦したり、お気に入りのパスタについて深く調べたりするのも面白いですね。

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もう迷わない!プッタネスカとアラビアータの違い!基本レシピ・作り方のポイントも食べるの大好きママライターがわかりやすく解説

この記事ではプッタネスカとアラビアータの違いについてみていきます。どちらもトマトソースのパスタで見た目はよく似ているが全く別ものらしいのです。メニューで見かけたらスマートに注文したいもんです。今回はイタリアでは定番のプッタネスカとアラビアータの違いや作り方を、ママライターのうめグミと一緒に解説していきます。

ライター/うめグミ

イタリアンレストランでバイト経験あり。料理は食べるのも作るのも大好きなママライター。身近なテーマをわかりやすく解説します。

プッタネスカとアラビアータの違いとは?

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パスタソースには色々な種類がありますが、定番といえばトマトソース!私はニンニクとバジルがたっぷり入ったトマトソースが大好きです。プッタネスカアラビアータもどちらもトマトソースのパスタなのですが、はっきり違いが分からない方も多いのではないでしょうか。両者の違い、基本の作り方、人気のトマトソース3選についても解説していきます。

プッタネスカ:アンチョビ、ケッパー、オリーブ入りのトマトソースパスタ

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プッタネスカとは、トマトソースをベースに、アンチョビ、ケッパー、ブラックオリーブを使った塩味と酸味が特徴的なパスタのこと。イタリアのナポリで誕生し、「娼婦風パスタ」と呼ばれるイタリアの定番料理です。

かつて娼婦街として栄えたイタリアのスペイン地区が発祥とされています。名前の由来は、娼婦が仕事の合間に身近にある食材でさっと作って食べていたから、娼婦のように刺激的な味わいだから、娼婦が客のために振る舞ったなど諸説あるようです。それにしても刺激的な名前ですね。

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の中で、イタリア料理史上最も古くからあるパスタソースのひとつとして登場し話題になりました。

アラビアータ:唐辛子入りのトマトソースパスタ

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アラビアータは、イタリアのローマで生まれた唐辛子の刺激的な辛味が特徴のトマトソースのことです。アラビアータ(arrabiata)は「怒っている」という意味のイタリア語で、「食べると唐辛子の辛さで顔が怒ったように真っ赤になる」ことからこの名前がついたとされています。地名のアラビアとは関係ありません。

怒っているという意味のアラビアータに、「~風の」という「all’」(アッラ)を付けるのが正しい表記です。カタカナで書くと「アッラアラビアータ」になり、日本人には発音しにくい名前ですね。

アラビアータにはショートパスタのペンネが使われることが多く、ペンネで作ると「ペンネ・アラビアータ」(penne all’arrabbiata)、スパゲッティで作ると「スパゲッティ・アラビアータ」(spaghetti all’arrabbiata)となります。

\次のページで「プッタネスカとアラビアータの作り方とポイント」を解説!/

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