この記事ではExcelのVLOOKUPとXLOOKUPの違いについてみていきます。2つともExcelで検索をする際に使用する関数ですが、機能にいろいろと違いがあるみたいです。
今回はそんなVLOOKUPとXLOOKUPの違いを、元社内SEのライター佐倉晃次郎と一緒に解説していきます。

ライター/佐倉晃次郎

PCの電話サポート、社内SEを経験。現在は企業で記事校正やVBAを使ったプログラミングをしながらWebライターをしている。

VLOOKUPとXLOOKUP、それぞれ何ができる?

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VLOOKUPXLOOKUPも、Excelで「指定範囲の中から一致したセルを探し、同じ行の値を返す」という機能を持つ関数です。XLOOKUPのほうがより最近登場した関数ですが、具体的にどのような違いがあるかみていきましょう。

VLOOKUPでできること

VLOOKUPは4つの引数(検索値、範囲、列番号、検索の型)を持っています。「検索値」に値を直接記述、もしくはセル番号を入力することで、指定した「範囲」の一番左の列から「検索値」に一致するものを検索し、指定の「列番号」の値を返す関数です。

また、「検索の型」では、検索する際に「完全一致(FALSE)」の行の値を返すのか、「近似一致(TRUE)」の行の値を返すのかを指定することができ、省略すると「完全一致(FALSE)」が選択されます。

XLOOKUPでできること

XLOOKUPは6つの引数(検索値、検索範囲、戻り配列、見つからない場合、一致モード、検索モード)を持っています。「検索値」はVLOOKUPのときと同じですが、XLOOKUPの2番目の引数「検索範囲」で指定するのは、「検索値と一致する値を探す範囲」です。検索した結果、返す値の列は「戻り配列」で指定します。つまり、「検索範囲」で「検索値」と一致した行の中で、「戻り配列」の列の値を返すことになるのです。

見つからない場合」には一致する値がなかった場合の値を入力することで、これまでのVLOOKUPではIFERRORなどと組み合わせていた処理を、XLOOKUPひとつで処理することができるようになりました

一致モード」「検索モード」もXLOOKUP関数で新しく追加された引数ですが、こちらは次の項目で詳しく解説します。

サブスクリプション版のExcelでは最新版へのアップデートをすることで、XLOOKUPが使用可能になります。ただし、買い切りライセンス版ではExcel 2021以降での対応となっており、Excel 2019以前の買い切りライセンス版では使用できません。

\次のページで「より高機能のXLOOKUP!」を解説!/

より高機能のXLOOKUP!

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VLOOKUPと比べて、機能が追加されてより便利になったXLOOKUPですが、先程登場した「一致モード」「検索モード」についても解説していきます。

「一致モード」の使い方

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一致モード」は、「0(完全一致)」「-1(完全一致または次に小さい項目)」「1(完全一致または次に大きい項目)」「2(ワイルドカードの一致)」のいずれか(省略可能)を入力してモードを指定する引数です。

「0」の場合は完全一致する値が見つからなければ「#N/A」が返され、「-1」「1」の場合は、それぞれ、完全一致する値が見つからなければ「検索範囲内で検索値より小さい値のうち、一番大きな値」「検索範囲内で検索値より大きい値のうち、一番小さな値」が返されます。

「2」は検索値に「ワイルドカード」と呼ばれる記号を組み合わせることで、部分一致の検索が可能です。例えば、検索値に「*●●」と入力していると、最後が「●●」で終わる値を検索します

「検索モード」の使い方

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検索モード」は「1(先頭から検索)」「-1(末尾から検索)」「2(昇順で並べられた範囲のバイナリ検索)」「-2(降順で並べられた範囲のバイナリ検索)」のいずれか(省略可能)を入力してモードを指定できます。

「1」「-1」の場合は、それぞれ「検索範囲内の1行目から検索を実行」「検索範囲内の最終行から検索を実行」を指定可能です。

「2」「-2」の場合は、それぞれ「昇順」「降順」で並べ替えられた範囲を検索範囲とする必要があり、検索範囲をバイナリ検索(二分探索)することができます。バイナリ検索は、検索するべき範囲を半分に絞り込む操作を繰り返していくもので、検索範囲が広い場合には有効な検索方法です。

「一致モード」「検索モード」が省略されると、デフォルトで「一致モード」は「0(完全一致)」、「検索モード」は「1(先頭から検索)」が選択されます。

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XLOOKUPも使いこなして、ひとつレベルアップしたExcelユーザーへ!

XLOOKUPの全ての機能を使用する機会はあまり多くはなさそうですが、基本機能だけでもVLOOKUPと比べて便利になっていることがわかったかと思います。対応しているExcelを使用されているのであれば、積極的にXLOOKUPを使って、操作に慣れておくと良いでしょう。

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雑学

ExcelのVLOOKUPとXLOOKUPの違いとは?できることや使い方も元社内SEがわかりやすく解説

この記事ではExcelのVLOOKUPとXLOOKUPの違いについてみていきます。2つともExcelで検索をする際に使用する関数ですが、機能にいろいろと違いがあるみたいです。
今回はそんなVLOOKUPとXLOOKUPの違いを、元社内SEのライター佐倉晃次郎と一緒に解説していきます。

ライター/佐倉晃次郎

PCの電話サポート、社内SEを経験。現在は企業で記事校正やVBAを使ったプログラミングをしながらWebライターをしている。

VLOOKUPとXLOOKUP、それぞれ何ができる?

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VLOOKUPXLOOKUPも、Excelで「指定範囲の中から一致したセルを探し、同じ行の値を返す」という機能を持つ関数です。XLOOKUPのほうがより最近登場した関数ですが、具体的にどのような違いがあるかみていきましょう。

VLOOKUPでできること

VLOOKUPは4つの引数(検索値、範囲、列番号、検索の型)を持っています。「検索値」に値を直接記述、もしくはセル番号を入力することで、指定した「範囲」の一番左の列から「検索値」に一致するものを検索し、指定の「列番号」の値を返す関数です。

また、「検索の型」では、検索する際に「完全一致(FALSE)」の行の値を返すのか、「近似一致(TRUE)」の行の値を返すのかを指定することができ、省略すると「完全一致(FALSE)」が選択されます。

XLOOKUPでできること

XLOOKUPは6つの引数(検索値、検索範囲、戻り配列、見つからない場合、一致モード、検索モード)を持っています。「検索値」はVLOOKUPのときと同じですが、XLOOKUPの2番目の引数「検索範囲」で指定するのは、「検索値と一致する値を探す範囲」です。検索した結果、返す値の列は「戻り配列」で指定します。つまり、「検索範囲」で「検索値」と一致した行の中で、「戻り配列」の列の値を返すことになるのです。

見つからない場合」には一致する値がなかった場合の値を入力することで、これまでのVLOOKUPではIFERRORなどと組み合わせていた処理を、XLOOKUPひとつで処理することができるようになりました

一致モード」「検索モード」もXLOOKUP関数で新しく追加された引数ですが、こちらは次の項目で詳しく解説します。

サブスクリプション版のExcelでは最新版へのアップデートをすることで、XLOOKUPが使用可能になります。ただし、買い切りライセンス版ではExcel 2021以降での対応となっており、Excel 2019以前の買い切りライセンス版では使用できません。

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