キンメダイはお刺身やお寿司のネタとしても美味しい魚です。ですが、和食以外にもフレンチやイタリアンでも使われる高級魚なんです。生でカルパッチョ、加熱してソテーや蒸し焼きにも出来る万能な魚でもあるんです。今回はそんなキンメダイの美味しい食べ方や下処理、保存方法についてフードアナリストのコナパパと一緒にみていこう。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は大きな目に赤い体が特徴の魚、キンメダイについて解説していく。

キンメダイの下処理と卸し方

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キンメダイの体の作りは、代表的な魚でもある真鯛とほぼ変わりません。骨は真鯛ほど固くはないので比較的卸しやすいといえる魚です。ここではキンメダイの基本的な下処理や卸し方を4つに分けて解説していきます。

下処理1.ウロコを引く

まずはウロコ引いていきましょう。

1.まな板の上に頭が左、腹が手前になるように乗せる
2.尾から頭に向かって包丁を動かし、ウロコを引く
3.ウロコが取れたら裏返し、頭が左向き、背が手前になるように置く
4.2と同様にウロコを引く

ウロコを引く際は、ウロコがついている向きに逆らって引くのがポイントです。また、頭付近は固くお腹付近は柔らかいので、包丁の先端を使い丁寧にウロコをこそぎ落としましょう。

ウロコを引くには包丁でも構いませんが、「うろこひき」と呼ばれる道具を使うと便利です。魚のお尻から頭に向かって「うろこひき」を動かすだけで簡単にウロコを剥がれる便利な道具なんですよ。

もし、魚が滑ってしまう場合は、ダスターなどを使って魚を抑えると滑りにくくなりますよ。力を入れすぎて魚の身を傷つけないように、魚を切るのではなくあくまでもウロコだけを引くイメージで行いましょう。

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下処理2.頭を落とし腹わたを取り除く

次に頭を落とし、腹わたを取り除いていきます。

1.まな板の上に魚の頭を左に、腹を手前にして置く
2.腹ビレのうしろから頭にかけて包丁を入れ、魚の中心にある背骨を切る
3.裏返し、2.同様に包丁を入れ、頭を切り落とす。

頭を外す際のポイントは、刃先を関節に入れてあげることです。しっかりと関節に入れることで、それほど力を入れずに切り落とせますよ。

頭を外したときに、腹わたを切り離してなければ一緒に付いてきますが、もし一緒に取れなければ、手で腹わたを引っ張ると簡単に取れます。腹わたを取り除いたら、腹の中に血合いがあるので薄い膜を切り、腹の中を綺麗に水洗いし水分をしっかりと拭き取りましょう。

この時点で血合いが残っていると卸したあと身に血の色が移ってしまうので、しっかりと血合いを洗うことが大事です。

下処理3.三枚卸しにする

魚を三枚に卸していきます。

1.頭側を右、腹を手前にしてまな板の上に置き、尾の付け根に切り込みを入れておく
2.腹から尻ビレの上を沿うように包丁を入れ、真ん中まできたら包丁を抜く
3.頭を左、背が手前になるように向きを変え、今度は尾から頭に向かって切りこみを入れ背骨に沿って包丁を入れる
4.腹骨と背骨のくっついている部分を尾の方から包丁を入れて切り離す
5.裏返して頭を右、背を手前の向きにして、同じように下身を卸す

まな板の上に乗せる魚の向きは、頭をはずず時とは逆向きです。卸す際のポイントは、一気に卸すのではなく、はじめは皮目だけに切り込みを入れ、そこから2、3回に分けて包丁を入れて卸していきましょう。

魚は基本的に頭と腹わたを取ったら、腹側、背中側、背中側、腹側の順に卸していきます。「腹、背、背、腹」と覚えておくと良いでしょう。

\次のページで「下処理4.骨抜きと腹骨を取り除く」を解説!/

下処理4.骨抜きと腹骨を取り除く

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最後に血合い骨を抜き、腹骨を取り除きます。

1.腹の薄い皮の下に人間でいうあばら骨がついているので、包丁で骨を削ぐようにして切り離す。
2.背身と腹身の間にある血合い骨を抜いていく。

骨の抜き方は、右手に「骨抜き」を持ち、左手の人差し指と中指の指先で、固い骨を探して抜いていきます。キンメダイの場合、尾の方には血合い骨あまりなく、頭側に多くあるんですよ。また、料理の用途によっては血合い骨は抜かずに、腹身と背身の間に包丁を入れ、切り分けてしまうこともあるので覚えておいて下さいね。

キンメダイの美味しい食べ方は?

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キンメダイは生でも加熱しても美味しい、さまざまな料理に使える万能な魚なんですよ。ここではキンメダイの代表的な美味しい食べ方をご紹介します。

1.新鮮なお刺身

新鮮なキンメダイが手に入ったらお刺身がおすすめです。キンメダイはクセがなく上品な白身が特徴で、新鮮なキンメダイの身は薄いピンク色をしているんですよ。皮には旨味があり、口に残る固さではないので皮付きの状態でも食べられます。もし、臭いが気になる場合は湯引きをしても良いですね。

しかし、キンメダイには近年、激痛を起こすことで注目されているアニサキスがいる可能性があるので、注意してください。

2.まるごと煮付け

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キンメダイといったら煮付けのイメージが強いですよね。キンメダイの身は加熱するとふっくらして美味しんですよ。また、まるごと煮付けると頭や骨からも美味しい出汁が出るのです。家庭ではまるごと一尾は難しいですが、骨なしの切り身で作るよりも骨が付いた切り身で作る方が断然美味しくなりますよ。

3.旨味が凝縮された干物

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芳醇な香りの干物は、旨味が凝縮されていて美味しいですよね。特に国産で大きいサイズのキンメダイは白身魚とは思えないほど脂が乗っており、皮目も香ばしく焼きあげると、まさに絶品ですよ。干物は家庭で作ることの出来ない、熟練された職人の味ですね。

\次のページで「キンメダイの保存方法と注意点」を解説!/

キンメダイの保存方法と注意点

キンメダイは高価な魚なので無駄にはしたくないですよね。ここでは、キンメダイの保存方法と食べる際の注意点について解説していきます。

冷蔵庫での保存方法は?

まるごと一尾で保存したい場合でもウロコとエラ、腹わたは取り除きましょう。エラと腹わたには菌が多くいるので繁殖しないように、早く取り除くことが大事です。取り除いたら血合いをしっかり取り、腹わたがあった腹の部分にキッチンペーパーを詰めます。腹に詰めておくことで余計な水分や臭みを吸収してくれるのです。こまめにキッチンペーパーを変えてあげることで嫌な臭いが身に移りにくくなります。

全体が乾かないようにキッチンペーパーで包みラップで巻いておくと2〜3日は持つでしょう。ただ、状態は魚によって違うのであくまでも目安として下さいね。切り身の場合も乾かないようにするのは同じですが、切り身にした方が傷みが早い傾向があるため、1〜2日で食べるようにしましょう。

冷凍はできるの?

もちろん冷凍も可能です。しかし、冷凍したから鮮度が良くなるということはありませんし、解凍する際にドリップが出てしまうので、もし冷凍する場合は鮮度の良い状態で早めに冷凍することを心がけましょう。

また、冷凍する際に注意するのは空気に触れさせないことです。空気に触れた状態で冷凍をすると、白くなり冷凍焼けをしてしまいます。冷凍焼けは酸化の一種なのでなるべくラップをぴったり巻いてから保存袋に入れるなどして、酸化するのを防ぎましょう。

食べる際の注意点はある?

キンメダイは小骨が少なく身も柔らかく食べやすいので、子供から年配者まで食べやすい魚です。しかし、キンメダイには微量の水銀が含まれており、1週間あたりの摂取量は80g以下となっています。これは厚生労働省の食品安全基準で決められており、特に妊婦さんは食べる量を注意しなければなりません。普通に食べるには栄養価の高い魚ですが、食べすぎには注意が必要なんですよ。

キンメダイを使った色々な料理を食べてみよう

キンメダイは煮付けや干物といった和食のイメージがありますが、さまざまな料理に使える高級魚なんですよ。クセがなく上品な白身なので洋食にしても美味しい魚です。ぜひ、色々なキンメダイを使った料理を食べてみて下さいね。

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家庭科

キンメダイの美味しい食べ方は?下処理や保存方法もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説

キンメダイの保存方法と注意点

キンメダイは高価な魚なので無駄にはしたくないですよね。ここでは、キンメダイの保存方法と食べる際の注意点について解説していきます。

冷蔵庫での保存方法は?

まるごと一尾で保存したい場合でもウロコとエラ、腹わたは取り除きましょう。エラと腹わたには菌が多くいるので繁殖しないように、早く取り除くことが大事です。取り除いたら血合いをしっかり取り、腹わたがあった腹の部分にキッチンペーパーを詰めます。腹に詰めておくことで余計な水分や臭みを吸収してくれるのです。こまめにキッチンペーパーを変えてあげることで嫌な臭いが身に移りにくくなります。

全体が乾かないようにキッチンペーパーで包みラップで巻いておくと2〜3日は持つでしょう。ただ、状態は魚によって違うのであくまでも目安として下さいね。切り身の場合も乾かないようにするのは同じですが、切り身にした方が傷みが早い傾向があるため、1〜2日で食べるようにしましょう。

冷凍はできるの?

もちろん冷凍も可能です。しかし、冷凍したから鮮度が良くなるということはありませんし、解凍する際にドリップが出てしまうので、もし冷凍する場合は鮮度の良い状態で早めに冷凍することを心がけましょう。

また、冷凍する際に注意するのは空気に触れさせないことです。空気に触れた状態で冷凍をすると、白くなり冷凍焼けをしてしまいます。冷凍焼けは酸化の一種なのでなるべくラップをぴったり巻いてから保存袋に入れるなどして、酸化するのを防ぎましょう。

食べる際の注意点はある?

キンメダイは小骨が少なく身も柔らかく食べやすいので、子供から年配者まで食べやすい魚です。しかし、キンメダイには微量の水銀が含まれており、1週間あたりの摂取量は80g以下となっています。これは厚生労働省の食品安全基準で決められており、特に妊婦さんは食べる量を注意しなければなりません。普通に食べるには栄養価の高い魚ですが、食べすぎには注意が必要なんですよ。

キンメダイを使った色々な料理を食べてみよう

キンメダイは煮付けや干物といった和食のイメージがありますが、さまざまな料理に使える高級魚なんですよ。クセがなく上品な白身なので洋食にしても美味しい魚です。ぜひ、色々なキンメダイを使った料理を食べてみて下さいね。

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