キンメダイは日本近海で穫れる魚ですが、関西や日本海側よりも関東近辺で人気がある魚なんです。見た目も綺麗で鮮やかな赤い色をしていることから、お祝いの席で食されることもあるんです。今回はそんなキンメダイの旬はいつなのか、種類や選び方についてもフードアナリストのコナパパと一緒にみていこう。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は大きな目に赤い体が特徴の魚、キンメダイについて解説していく。

キンメダイの旬と産地 

image by iStockphoto

キンメダイは日本近海で多く穫れる魚ですが、生や焼いて食べる以外に煮付けや干物の加工品としても人気があり、アメリカやチリからの輸入品も多く出回っているんですよ。ここでは国産のキンメダイの旬はいつなのか、どこの産地が有名なのか詳しく解説していきます。

有名な産地はどこ?

キンメダイが日本一水揚げされているのは静岡県の下田港です。下田港で水揚げされる魚のうち、キンメダイだけで8割も締めているんですよ、下田港や伊豆近辺ではキンメダイを売りにした料理を提供するお店も多く、刺身や煮付けはもちろん、金目鯛丼というメニューも存在するんですよ。

そのほか高知県の室戸なども有名な産地ですが、キンメダイは特に関東地方で好んで食べられている魚で、千葉の銚子や神奈川の三浦なども有名な産地です。

キンメダイの美味しい旬は?

日本一の水揚げを誇る静岡県のキンメダイは、12月から2月頃までが美味しい旬とされています。脂が一番乗るこの時期が特に美味しくなるんですよ。しかし、高知県で水揚げされるキンメダイの旬は、産卵前の7月から9月と言われており産地によって旬が変わっているのです。

各産地によって旬の時期が異なりますが、キンメダイは年間を通して美味しく食べられる魚なんですよ。

キンメダイの別名はある?

魚にはよくあることですが、地方によって呼び名が変わります。金目鯛には「真キンメ」、「トウキョウキンメ」、「カゲキヨ」などの別名があるんですよ。

真キンメは神奈川県の小田原で使われる呼び名で、同じキンメダイ属のナンヨウキンメと区別されるために使われています。トウキョウキンメは鹿児島県で獲れたキンメダイが東京や関東で売れるためつけられた呼び名です。カゲキヨは三重県などで呼ばれている呼び名で赤い色の魚のことをカゲキヨと呼ぶんですよ。

「カゲキヨ?なぜ突然、時代劇に出てくるような名前?」と思った人もいると思うので、すこし詳しく解説しますね。

カゲキヨ」は平安時代の平家に仕えた藤原景清(平景清)のことを指します。景清をモデルにした歌舞伎で赤を貴重とした衣装を着ていることから、赤をイメージするものを「カゲキヨ」と呼ぶことがあるんですよ。地方によっては、キンメダイ以外の赤い色の魚のことをカゲキヨと呼ぶことあるので、覚えておいてくださいね。

キンメダイに種類はあるの?

キンメダイには、数は多くないですが種類があるんですよ。また近年では、価値を高めるためキンメダイにブランド名がつけられていることもあるので、ブランド名や種類についてご紹介していきます。

キンメダイの種類と違い

キンメダイと呼ばれる魚は、キンメダイ科キンメダイ属の魚で「キンメダイ」、「フウセンキンメ」、「ナンヨウキンメ」の3種類がいます。ナンヨウキンメは他の2種類に比べると体高がありますが、キンメダイの特徴でもある鮮やかな赤色、大きな目は変わりません。地域によっては区別はされずに3種類とも「キンメダイ」として売られていることもあるんですよ。

日本では3種類とも食用とされており、上品な白身で非常に美味しい魚です。魚の中でもキンメダイは高価な部類に入り、料亭やフランス料理店などでも提供されるような高級魚なんですよ。

キンメダイのブランド名

キンメダイの水揚げで有名な産地では、高品質化を目指し、各地の漁協が独自の名前をつけ商標登録をし、さまざまなブランド名がつけられているのです。例えば、静岡県ですと「須崎の日戻り金目鯛」、「稲取キンメ」、高知県だと「土佐沖どれ金目鯛」などがブランド化されています。

ブランド名を付けることで、消費者から品質に対する信頼性が高まり付加価値が増すのです。ただ、ブランドを維持していくには品質管理の徹底などをしなければならないため、漁協関係者は大変な苦労をしてブランドを守っているんですよ。

キンメダイは赤魚ではないの?

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赤魚とは品種名ではなく、赤い魚の総称なのでキンメダイも赤魚の一種といえます。しかしキンメダイを赤魚と呼ぶことはほぼありません。赤魚として出回ってているのは「アラスカメヌケ」、「モトアカウオ」、「チヒロアカウオ」などの輸入された魚が多く、粕漬や煮付けなどの加工された状態でよく売られています。

なぜキンメダイは赤魚と呼ばないかというと、日本では美味しい高級な魚として認識されているので、消費者にとっても「赤魚」と書いてあるものよりも、「キンメダイ」と書いてあったほうが選ばれる傾向があるのです。なのでキンメダイをあえて赤魚と呼ぶことは、ほぼないんですよ。

キンメダイを選ぶときのポイント3選

高級魚の部類に入る魚なので、キンメダイを選ぶときはなるべくなら新鮮なものを選びたいですよね。ここではそんなときに役立つ、新鮮なキンメダイを選ぶポイントを3つご紹介します。

1.目の色

鮮度の良いキンメダイは、目が透明で綺麗に澄んでいます。また、名前のとおり目が金色に輝いているものは新鮮な証拠でもあるのです。逆に、目のハリや透明感がなく濁って見えるキンメダイは、鮮度が落ちているといえるでしょう。

よく覇気がない人のことを「死んだ魚の目をしている」などと例えますが、まさに魚は鮮度が落ちると目にハリがなくなり濁って見えるんですよ。

2.体の色

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キンメダイは鮮やかな赤い体が特徴の魚で新鮮な状態ほど、より鮮やかな赤色をしていてツヤもあります。鮮度が落ちてきてしまうと、鮮やかな赤色から白っぽく色が抜けた状態になってしまうのです。白っぽく見えるキンメダイは鮮度が落ちている可能性が高いので、なるべく避けましょう。

\次のページで「3.脂の乗り具合」を解説!/

3.脂の乗り具合

まるごと1尾での脂の乗り具合の見極め方は、魚体の大きさです。キンメダイは大きければ大きいほど、身に脂をたくわえている証拠にもなるので、値段は高くなるかも知れませんが、大きいものを選ぶと脂が乗っているんですよ。

切り身の場合は、皮と身の間を確認し、白い脂の層があるほど脂が乗っています。身の方は白身の魚なのでわかりにくですが、和牛のようにサシが入っているように見えるものが脂が多く乗って美味しい傾向が高いのです。

キンメダイの美味しい産地と選ぶポイントを知ろう。

キンメダイは静岡の下田港が日本一の水揚げ量で、ブランド化もされているんですね。そのほか、高知県の室戸や千葉県の銚子もキンメダイの名産地として覚えておきましょう。また、新鮮なキンメダイを選ぶ際には、目と体の色をよく見てツヤがあるものを選んでくださいね。

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家庭科

キンメダイの美味しい旬はいつ?種類や選び方もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説

キンメダイは日本近海で穫れる魚ですが、関西や日本海側よりも関東近辺で人気がある魚なんです。見た目も綺麗で鮮やかな赤い色をしていることから、お祝いの席で食されることもあるんです。今回はそんなキンメダイの旬はいつなのか、種類や選び方についてもフードアナリストのコナパパと一緒にみていこう。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は大きな目に赤い体が特徴の魚、キンメダイについて解説していく。

キンメダイの旬と産地 

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キンメダイは日本近海で多く穫れる魚ですが、生や焼いて食べる以外に煮付けや干物の加工品としても人気があり、アメリカやチリからの輸入品も多く出回っているんですよ。ここでは国産のキンメダイの旬はいつなのか、どこの産地が有名なのか詳しく解説していきます。

有名な産地はどこ?

キンメダイが日本一水揚げされているのは静岡県の下田港です。下田港で水揚げされる魚のうち、キンメダイだけで8割も締めているんですよ、下田港や伊豆近辺ではキンメダイを売りにした料理を提供するお店も多く、刺身や煮付けはもちろん、金目鯛丼というメニューも存在するんですよ。

そのほか高知県の室戸なども有名な産地ですが、キンメダイは特に関東地方で好んで食べられている魚で、千葉の銚子や神奈川の三浦なども有名な産地です。

キンメダイの美味しい旬は?

日本一の水揚げを誇る静岡県のキンメダイは、12月から2月頃までが美味しい旬とされています。脂が一番乗るこの時期が特に美味しくなるんですよ。しかし、高知県で水揚げされるキンメダイの旬は、産卵前の7月から9月と言われており産地によって旬が変わっているのです。

各産地によって旬の時期が異なりますが、キンメダイは年間を通して美味しく食べられる魚なんですよ。

キンメダイの別名はある?

魚にはよくあることですが、地方によって呼び名が変わります。金目鯛には「真キンメ」、「トウキョウキンメ」、「カゲキヨ」などの別名があるんですよ。

真キンメは神奈川県の小田原で使われる呼び名で、同じキンメダイ属のナンヨウキンメと区別されるために使われています。トウキョウキンメは鹿児島県で獲れたキンメダイが東京や関東で売れるためつけられた呼び名です。カゲキヨは三重県などで呼ばれている呼び名で赤い色の魚のことをカゲキヨと呼ぶんですよ。

「カゲキヨ?なぜ突然、時代劇に出てくるような名前?」と思った人もいると思うので、すこし詳しく解説しますね。

カゲキヨ」は平安時代の平家に仕えた藤原景清(平景清)のことを指します。景清をモデルにした歌舞伎で赤を貴重とした衣装を着ていることから、赤をイメージするものを「カゲキヨ」と呼ぶことがあるんですよ。地方によっては、キンメダイ以外の赤い色の魚のことをカゲキヨと呼ぶことあるので、覚えておいてくださいね。

キンメダイに種類はあるの?

キンメダイには、数は多くないですが種類があるんですよ。また近年では、価値を高めるためキンメダイにブランド名がつけられていることもあるので、ブランド名や種類についてご紹介していきます。

キンメダイの種類と違い

キンメダイと呼ばれる魚は、キンメダイ科キンメダイ属の魚で「キンメダイ」、「フウセンキンメ」、「ナンヨウキンメ」の3種類がいます。ナンヨウキンメは他の2種類に比べると体高がありますが、キンメダイの特徴でもある鮮やかな赤色、大きな目は変わりません。地域によっては区別はされずに3種類とも「キンメダイ」として売られていることもあるんですよ。

日本では3種類とも食用とされており、上品な白身で非常に美味しい魚です。魚の中でもキンメダイは高価な部類に入り、料亭やフランス料理店などでも提供されるような高級魚なんですよ。

キンメダイのブランド名

キンメダイの水揚げで有名な産地では、高品質化を目指し、各地の漁協が独自の名前をつけ商標登録をし、さまざまなブランド名がつけられているのです。例えば、静岡県ですと「須崎の日戻り金目鯛」、「稲取キンメ」、高知県だと「土佐沖どれ金目鯛」などがブランド化されています。

ブランド名を付けることで、消費者から品質に対する信頼性が高まり付加価値が増すのです。ただ、ブランドを維持していくには品質管理の徹底などをしなければならないため、漁協関係者は大変な苦労をしてブランドを守っているんですよ。

キンメダイは赤魚ではないの?

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赤魚とは品種名ではなく、赤い魚の総称なのでキンメダイも赤魚の一種といえます。しかしキンメダイを赤魚と呼ぶことはほぼありません。赤魚として出回ってているのは「アラスカメヌケ」、「モトアカウオ」、「チヒロアカウオ」などの輸入された魚が多く、粕漬や煮付けなどの加工された状態でよく売られています。

なぜキンメダイは赤魚と呼ばないかというと、日本では美味しい高級な魚として認識されているので、消費者にとっても「赤魚」と書いてあるものよりも、「キンメダイ」と書いてあったほうが選ばれる傾向があるのです。なのでキンメダイをあえて赤魚と呼ぶことは、ほぼないんですよ。

キンメダイを選ぶときのポイント3選

高級魚の部類に入る魚なので、キンメダイを選ぶときはなるべくなら新鮮なものを選びたいですよね。ここではそんなときに役立つ、新鮮なキンメダイを選ぶポイントを3つご紹介します。

1.目の色

鮮度の良いキンメダイは、目が透明で綺麗に澄んでいます。また、名前のとおり目が金色に輝いているものは新鮮な証拠でもあるのです。逆に、目のハリや透明感がなく濁って見えるキンメダイは、鮮度が落ちているといえるでしょう。

よく覇気がない人のことを「死んだ魚の目をしている」などと例えますが、まさに魚は鮮度が落ちると目にハリがなくなり濁って見えるんですよ。

2.体の色

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キンメダイは鮮やかな赤い体が特徴の魚で新鮮な状態ほど、より鮮やかな赤色をしていてツヤもあります。鮮度が落ちてきてしまうと、鮮やかな赤色から白っぽく色が抜けた状態になってしまうのです。白っぽく見えるキンメダイは鮮度が落ちている可能性が高いので、なるべく避けましょう。

\次のページで「3.脂の乗り具合」を解説!/

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