この記事ではluggageとbaggageの違いについてみていきます。どちらも「荷物」を意味する英単語で、綴りまでそっくりです。なぜ同じような意味で、似た綴りをした英単語があるのでしょうか。実は、両者には語源や細かな意味合いの違いがあるそうです。
今回はそんなluggageとbaggageの違いについてを、語源にも触れながら、雑学好き現役大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

luggageとbaggageとは?

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皆さんは、荷物を表す英単語と言えば、何を思い浮かべますか?代表例として「luggage」と「baggage」があります。両者は似たような単語であり、なおかつ同じ意味を持っているので、少しややこしいですよね。なぜここまでそっくりな単語が存在するのでしょうか。

luggageとbaggageの違いとは?

荷物と言えば、luggageやbaggage。どちらも旅行先の空港などで、よく見かけることでしょう。そんなluggageとbaggageの共通点は語尾についている「-age」。これは、フランス語の「行動、過程、結果」という意味を持ちます。さらに、両者には、語源と使われる地域、さらにわずかな意味の違いという3つの相違点があるのです。

この3つのポイントを踏まえながら、両者の違いについて詳しく解説します。

luggage:イギリスでよく使われ「荷物」を表す

luggageは、イギリスでよく使われる英単語です。先頭の「lug-」は、今でも「苦労して運ぶ」という意味で使われている言葉。これは「髪の毛を引っ張る」という意味を持つ中世英語からきているのだとか。このような由来から、luggageは苦労しながら運ぶ(行動)ということで、今では単純に「荷物」や「手荷物」といった意味として使われているのです。

baggage:アメリカでよく使われ、比喩的表現もある

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baggageは主にアメリカでよく使われる英単語です。実は、baggageはluggageよりもその歴史は古く、1400年代に誕生したと言われています。先頭の「bag-」は英語で「物を入れる袋」という意味。bagは、交易や商業、旅行を通じて広まったとされています。しかし、このbagがなぜbaggageに変わったのかは定かではありません。

そんなbaggageですが、荷物のほかに、「感情的な問題」や「心や精神的な重荷」といった比喩的表現としても使われます。詳しい使い方については、後ほど解説しますね。

\次のページで「luggageとbaggageの例文とは?」を解説!/

luggageとbaggageの例文とは?

ここまで、luggageとbaggageの細かな違いについて解説してきました。両者は同じ意味を持ちますが、比喩的な表現の有無という違いがあるのでしたね。荷物としても、比喩表現としてもどのように使われるのでしょうか。そこで、ここでは両者の使い方について、例文を挙げながら解説していきます。

luggageを使った例文

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luggageは、イギリスでよく使われる言葉で、単純に「荷物」や「旅行カバン」、「手荷物」を表すのでしたね。そんなluggageを使った例文を2つ挙げていきます。旅行先などで役に立つかもしれないので、ぜひ覚えてみてくださいね。

例文1:He has two pieces of luggage.
(訳:彼は荷物を2つ持っている。)

この例文では、「手荷物」をluggageと表現しています。ここで、luggageが不可算名詞であることを忘れないようにしましょう。この例文のように、luggageの語尾に「s」を付けずに、「two pieces of luggage」とすることが相応しいです。

ちなみに、「いくつかの荷物」は「some pieces of luggage」、「1つの荷物」は「a piece of luggage」と表しますよ。

例文2:Do you have any luggage to check in?
(訳:お預けする荷物はありますか?)

この例文は、旅行先の空港でよく耳にするかもしれません。グランドスタッフに預ける荷物がないのかを確認される時に使われます。預けたい時は、「I have a piece of luggage to check in.」「I have one suitcase to check in.」と答えるようにしましょう。

また、この時もluggageは不可算名詞であることを頭にいれておいてくださいね。

baggageを使った例文

baggageとは「荷物」のほかに、「心の重み」や「感情的な問題」を意味するのでした。そんなbaggageは一般的にどのように使われるのでしょうか。ここでも、baggageを使った例文を2つご紹介します。例文を通して、荷物としてのbaggageと精神的な重みとしてのbaggageの正しい使い方を学びましょう。

例文1:Can you tell me where the baggage claim is?
(訳:荷物受取所はどこでしょうか。)

この例文では、baggageを「荷物」という意味として使われています。これも、空港で荷物の受け取り場所が分からなかったら、このように質問してみてもいいかもしれません。旅先の空港でも迷わないように、この例文を頭に入れておくようにしましょう。

例文2:She has personal baggage.
(訳:彼女は個人的な問題を抱えている。)

ここでのpersonal baggageを直訳すると、「個人的な荷物」となりますが、少し違和感がありますよね。この時のbaggageは荷物の意味ではなく「(感情などの)問題」の比喩として使われています。例文のようなbaggageの意外な表現方法も、ぜひ使ってみてくださいね。

luggageとbaggageはそっくりだけど、少し違う

luggageとbaggageはどちらも「荷物」という意味がありましたが、その語源やわずかな意味の違いがあるのでしたね。luggageは単純に「荷物」を意味するのに対して、baggageは「荷物」と「感情的な問題」の比喩として使われるのでした。荷物を表現したいのであれば、どちらを使っても問題はありません。baggageの意外な意味も上手に使えるようになりたいものですね。

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言葉雑学

luggageとbaggageの違いとは?語源や使い方・例文も雑学好き現役大学院生がわかりやすく解説

この記事ではluggageとbaggageの違いについてみていきます。どちらも「荷物」を意味する英単語で、綴りまでそっくりです。なぜ同じような意味で、似た綴りをした英単語があるのでしょうか。実は、両者には語源や細かな意味合いの違いがあるそうです。
今回はそんなluggageとbaggageの違いについてを、語源にも触れながら、雑学好き現役大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

luggageとbaggageとは?

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皆さんは、荷物を表す英単語と言えば、何を思い浮かべますか?代表例として「luggage」と「baggage」があります。両者は似たような単語であり、なおかつ同じ意味を持っているので、少しややこしいですよね。なぜここまでそっくりな単語が存在するのでしょうか。

luggageとbaggageの違いとは?

荷物と言えば、luggageやbaggage。どちらも旅行先の空港などで、よく見かけることでしょう。そんなluggageとbaggageの共通点は語尾についている「-age」。これは、フランス語の「行動、過程、結果」という意味を持ちます。さらに、両者には、語源と使われる地域、さらにわずかな意味の違いという3つの相違点があるのです。

この3つのポイントを踏まえながら、両者の違いについて詳しく解説します。

luggage:イギリスでよく使われ「荷物」を表す

luggageは、イギリスでよく使われる英単語です。先頭の「lug-」は、今でも「苦労して運ぶ」という意味で使われている言葉。これは「髪の毛を引っ張る」という意味を持つ中世英語からきているのだとか。このような由来から、luggageは苦労しながら運ぶ(行動)ということで、今では単純に「荷物」や「手荷物」といった意味として使われているのです。

baggage:アメリカでよく使われ、比喩的表現もある

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baggageは主にアメリカでよく使われる英単語です。実は、baggageはluggageよりもその歴史は古く、1400年代に誕生したと言われています。先頭の「bag-」は英語で「物を入れる袋」という意味。bagは、交易や商業、旅行を通じて広まったとされています。しかし、このbagがなぜbaggageに変わったのかは定かではありません。

そんなbaggageですが、荷物のほかに、「感情的な問題」や「心や精神的な重荷」といった比喩的表現としても使われます。詳しい使い方については、後ほど解説しますね。

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