この記事ではシャチとイルカの違いについてみていきます。どちらも水族館で会うことができる海の生き物で、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。両者は見た目で違いを判断することができるが、かなり似ている点も多い。シャチとイルカにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそんなシャチとイルカの違いについて、3つのポイントに絞りながら、雑学好き現役大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

シャチとイルカとは?

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水族館の目玉と言っても過言ではないシャチとイルカ。どちらも水族館ではショーをすることがあり、子供から大人まで高い人気を誇っています。そんなシャチとイルカは、自然界では海に生息している哺乳類。見た目が違うのでなんとなく見分けられますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

シャチとイルカの違いが気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

違い1:分類のされ方

シャチとイルカの1つ目の違いは、生物学的な分類です。実は、シャチとイルカはかなり近縁な種とされていて、どちらもクジラ目に分類されるクジラの仲間! クジラ目はさらに、ハクジラ亜目とヒゲクジラ亜目の2つのグループに分けられます。シャチとイルカはどちらも、ハクジラ亜目に分類されるのです。両者はかなり近い種であることがわかりますよね。

それでは、どのようにシャチとイルカを分けているのかをみていきましょう。

シャチ:ハクジラ亜目マイルカ科に分類される体長が6m~9mのもの

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シャチはクジラの仲間でした。さらに、クジラ目の中でもハクジラ亜目に分類されるのです。ハクジラ亜目は、口に大きな歯が生えているという特徴を持ちます。そんなハクジラ亜目の中のマイルカ科にシャチが属しているのです。シャチは、マイルカ科の中でも体長が6m~9mあり、体色が白と黒のもの指します。

\次のページで「イルカ:ハクジラ亜目に分類される体長が4m以下のもの」を解説!/

イルカ:ハクジラ亜目に分類される体長が4m以下のもの

イルカはシャチと同様にクジラ目のハクジラ亜目に分類されるのでした。ハクジラ亜目の中で、体長が4m以上のものをクジラ4m以下のものをイルカとされています。イルカとクジラの違いは体長だけであり、属しているグループは同じなのです。

違い2:食べるエサ

シャチとイルカの2つ目の違いは食べるエサです。クジラ目に属して、生物学的には分類でかなり近い関係にあるシャチとイルカ。体長が違うだけで、両者はかなり近縁ですが、実は食べるエサが全く異なるのです。ここから、それぞれの食べるエサについてみていきましょう。

シャチ:魚類などの小型のものから大型のクジラまで食べる

シャチは、様々な種類の動物を食べます。小さいものはアジやイワシなどの魚類やイカ類、ペンギン、アザラシやラッコの哺乳類など。さらには地球上で最大の生物であるシロナガスクジラを鋭い歯を使って捕食することもあります。水族館では、可愛い動物として人気がありますが、自然界では、かなり狂暴なのです。

\次のページで「イルカ:魚類やイカ類、カニ類などを食べる」を解説!/

イルカ:魚類やイカ類、カニ類などを食べる

イルカは、シャチのように海生哺乳類は捕食しませんが、小型の魚類を食べます。シャチと同じように魚類やイカ類、さらにはカニ類、タコなどを捕食するのです。イルカもシャチと同様に口に歯が生えているので、カニのような固い殻を持っている生物も食べられます。

違い3:群れの作り方

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シャチとイルカの3つ目の違いは群れの作り方です。シャチとイルカはどちらも群れを作ります。かなり近縁な関係にある両者ですが、実は自然界での群れの作り方にも違いがあるのです。それぞれの群れの作り方について詳しくみていきましょう。

シャチ:3頭から50頭までの群れ

シャチはポッドという群れを作って行動します。ポッドとは、母、娘、孫から構成される母系の家族集団のこと。基本的に3頭から50頭の群れになっており、共に生活します。群れの仲間同士でコミュニケーションを取ることができ、それによって様々な狩りを行うのです。血縁関係の近い群れ同士は、人間の方言のように、独自の鳴き声を発します。

イルカ:数千頭ほどの大きな群れを作ることも

イルカもシャチと同じようにポッドという群れを形成します。群れの大きさは数頭から数千頭までと様々です。さらに、仲間同士でコミュニケーションを取りながら狩りを行います。イルカの種類によっては、赤ちゃんの個体ごとに「シグネチャー・ホイッスル」があるのです。このシグネチャー・ホイッスルとは、人間でいう名前のようなもの。イルカは仲間の赤ちゃんを、このシグネチャー・ホイッスルで呼び分けているのです。

イルカは、知能と社会性の高い生物であることがわかりますね。

シャチとイルカはかなり近縁!

シャチとイルカの違いについて解説しました。シャチとイルカはどちらもクジラ目のハクジラ亜目に属しているのでした。しかし、その中でマイルカ科に分類され、体長が6m~9mのものがシャチであり、ハクジラ亜目の中で体長が4m以下のものがイルカなのでしたね。さらに、シャチとイルカは食べるエサと群れの大きさにも違いがありました。

水族館でシャチとイルカを見る機会がありましたら、ぜひ両者の違いを思い出してみてくださいね。

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生き物・植物雑学

シャチとイルカの違いとは?知能や食べるエサ・クジラとの関係も雑学好き現役大学院生がわかりやすく解説

この記事ではシャチとイルカの違いについてみていきます。どちらも水族館で会うことができる海の生き物で、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。両者は見た目で違いを判断することができるが、かなり似ている点も多い。シャチとイルカにはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそんなシャチとイルカの違いについて、3つのポイントに絞りながら、雑学好き現役大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

シャチとイルカとは?

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水族館の目玉と言っても過言ではないシャチとイルカ。どちらも水族館ではショーをすることがあり、子供から大人まで高い人気を誇っています。そんなシャチとイルカは、自然界では海に生息している哺乳類。見た目が違うのでなんとなく見分けられますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

シャチとイルカの違いが気になる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

違い1:分類のされ方

シャチとイルカの1つ目の違いは、生物学的な分類です。実は、シャチとイルカはかなり近縁な種とされていて、どちらもクジラ目に分類されるクジラの仲間! クジラ目はさらに、ハクジラ亜目とヒゲクジラ亜目の2つのグループに分けられます。シャチとイルカはどちらも、ハクジラ亜目に分類されるのです。両者はかなり近い種であることがわかりますよね。

それでは、どのようにシャチとイルカを分けているのかをみていきましょう。

シャチ:ハクジラ亜目マイルカ科に分類される体長が6m~9mのもの

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シャチはクジラの仲間でした。さらに、クジラ目の中でもハクジラ亜目に分類されるのです。ハクジラ亜目は、口に大きな歯が生えているという特徴を持ちます。そんなハクジラ亜目の中のマイルカ科にシャチが属しているのです。シャチは、マイルカ科の中でも体長が6m~9mあり、体色が白と黒のもの指します。

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