この記事では組紐とミサンガの違いについてみていきます。どちらも飾りに使う紐というイメージがあるよな。ところが歴史的にいろいろ違いがあるみたいです。今回はそんなファッション性のある2つのアイテムの違いを、使い方や作り方まで手芸が趣味のライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

一般企業に勤務する傍ら執筆活動を続けるwebライター。得意分野は言葉の意味をはじめとする雑学はもとより、ハンドメイド関連など多岐に及ぶ。趣味でハンドメイドをする機会も多く、その際に調べたことをもとに本記事を執筆していく。

組紐とミサンガの大まかな違いは?

組紐とミサンガには、どのような違いがあるのでしょうか。本項ではそれぞれの簡単な特徴や使い方について、大まかに解説していきます。

組紐:日本の飾り紐

image by iStockphoto

組紐とは日本の伝統的な飾り紐を指す言葉です。今でも伝統工芸品として扱われており、紐の形状や素材にも地域によって特色が見られます。主に着物の帯締めやアクセサリー、雑貨のパーツなどとして使われており、ハンドメイドのジャンルとしても扱われているものです。

ミサンガ:願いをこめて腕や足につけるお守り

image by iStockphoto

ミサンガとは、願いをこめて腕や足に結ぶお守りです。自然に切れた時に願いが叶うと言われており、願いによって付ける場所や色が変わります。刺繍糸を使って手軽に作れるため幅広い年齢層の人々が取り組んでおり、中にはチャリティの一貫として販売している事例も多いです。

違いその1.ルーツ

組紐とミサンガはどのようなルーツを持つものでしょうか。本項では両者の発祥、及び発展について詳しくみていきましょう。

\次のページで「組紐:中国から仏教とともに日本に伝来」を解説!/

組紐:中国から仏教とともに日本に伝来

日本における組紐は仏教の伝来とともに中国から伝わり、最初は経典をはじめとする仏具に使われていました。その後、和服の一部や刀の柄などにも使われるようになり、日本中に広まっているのです。その過程で地域によって特色が生まれ、今では伝統工芸品の1つとして扱われるようになりました。

組紐(くみひも)の歴史は古く、その技術・技法は中国や朝鮮を経て奈良時代(710~794年)に伝えられ、仏教の伝来に伴うお経の巻き物や袈裟(けさ)、貴族の礼服の束帯(そくたい)さらに武士の台頭による兜(かぶと)や鎧(よろい)のおどし糸や刀の柄巻(つかまき)、着物など、時代とともにさまざまなものに使われるようになりました。

(参照:東京くみひも - 伝統工芸品 | 台東区公式 伝統工芸品サイト)

ミサンガ:南米やポルトガル

ミサンガは南米やポルトガルが発祥であると言われています。発祥に関する事項には諸説ありますが、お守りだったという点は変わらないでしょう。もともとはボンフィンやフィタと呼ばれるリボンのようなもので、下記引用に挙げたも説が最も有力です。

ミサンガの原点ブラジルのとある教会で、バイーア州サルバドール市にある有名なボンフィン教会のリボンが発祥の地という説がかなり有力です。

古くは、アクセサリーという感覚ではなく髪の毛を編んだものを手首や足首に巻いて想いや願い事などを込め切れたら成就するといったお守りとして使われていたようです。

(参照:ミサンガの歴史|ミサンガ情報館)

違いその2.使い方

組紐とミサンガは、主な使い方が違うものです。本項ではそれぞれの使い方について比較し、願いや意味についても詳しく解説していきます。

\次のページで「組紐:着物の帯締めなど」を解説!/

組紐:着物の帯締めなど

image by iStockphoto

現代における組紐は、主に着物の帯締めとして使われることが多いです。「結ぶ」という行為が縁などを連想させるため、組紐そのものが縁起のよいものとして扱われています。結び方にもバリエーションがあり、伝統的な飾り結びにはそれぞれに意味や願いが込められているでしょう。現代ではヘアアクセサリーやしおり、メガネストラップといった使い方もされており、ハンドメイド作品の販売も盛んです。

ミサンガ:ブレスレットやアンクレット

image by iStockphoto

一般的にミサンガは、ブレスレットやアンクレットのように使います切れたら願い事が叶うと言われており、スポーツのチームなどでは勝利祈願としてメンバーで揃って着用する事例も多いです。日本ではサッカー選手が着用している様子がテレビで広まり、人気のアイテムになりました。

違いその3.素材や作り方

組紐とミサンガには、素材や作り方にも違いが見られます。本項ではそれぞれで使われる素材について触れ、作り方についても見ていきましょう。

組紐:絹糸、綿糸など

image by iStockphoto

組紐は、絹糸や綿糸などで作られることが多いです。伝統的な作り方では木製の台が使われていますが、家庭でのハンドメイドの場合は組紐ディスクをはじめとする専用グッズの使用も広まっています。ビーズを入れて編んだり洋風のアイテムと組み合わせて使われたりされており、現代でも幅広くデザインや使い方を創作され続けているアイテムです。

ミサンガ:刺繍糸が一般的

image by iStockphoto

現代に見られるミサンガの多くは、刺繍糸で編まれたものです。思い思いの色の刺繍糸を結び、板状のものに結び目のあたりを固定できればどこででも作れます。形状や作りたい模様によって糸の本数も変わり、糸の本数が多いほど大きく幅が広いものになるのです。また全体をビーズで作っているものもありますが、こちらにはビーズ織りという手法が使われているでしょう。

\次のページで「組紐とミサンガではルーツや使い方などが違う」を解説!/

組紐とミサンガではルーツや使い方などが違う

ここまで見てきた通り、組紐とミサンガではルーツや使い方などが違います。組紐は結ぶことに意味があり、ミサンガは切れると願いが叶うと言われていることも両者を区別するポイントです。つまりそれぞれのアイテムをどのように使っているかが、両者の違いを定義づけているという一面もあるのでしょう。

" /> 組紐とミサンガの違いは?ルーツや使い方、素材まで手芸大好きライターが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

組紐とミサンガの違いは?ルーツや使い方、素材まで手芸大好きライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では組紐とミサンガの違いについてみていきます。どちらも飾りに使う紐というイメージがあるよな。ところが歴史的にいろいろ違いがあるみたいです。今回はそんなファッション性のある2つのアイテムの違いを、使い方や作り方まで手芸が趣味のライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

一般企業に勤務する傍ら執筆活動を続けるwebライター。得意分野は言葉の意味をはじめとする雑学はもとより、ハンドメイド関連など多岐に及ぶ。趣味でハンドメイドをする機会も多く、その際に調べたことをもとに本記事を執筆していく。

組紐とミサンガの大まかな違いは?

組紐とミサンガには、どのような違いがあるのでしょうか。本項ではそれぞれの簡単な特徴や使い方について、大まかに解説していきます。

組紐:日本の飾り紐

image by iStockphoto

組紐とは日本の伝統的な飾り紐を指す言葉です。今でも伝統工芸品として扱われており、紐の形状や素材にも地域によって特色が見られます。主に着物の帯締めやアクセサリー、雑貨のパーツなどとして使われており、ハンドメイドのジャンルとしても扱われているものです。

ミサンガ:願いをこめて腕や足につけるお守り

image by iStockphoto

ミサンガとは、願いをこめて腕や足に結ぶお守りです。自然に切れた時に願いが叶うと言われており、願いによって付ける場所や色が変わります。刺繍糸を使って手軽に作れるため幅広い年齢層の人々が取り組んでおり、中にはチャリティの一貫として販売している事例も多いです。

違いその1.ルーツ

組紐とミサンガはどのようなルーツを持つものでしょうか。本項では両者の発祥、及び発展について詳しくみていきましょう。

\次のページで「組紐:中国から仏教とともに日本に伝来」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share:
れおな=007