揚げ玉と天かすは同じものだけど、少し違うことも
天かすと揚げ玉の違いについて解説しました。両者は、基本的に天ぷらを揚げた時にできる衣のかすのことを指します。しかし、歴史的背景やそれに伴って地域によって呼び方が違ってくるのでした。どちらの用語を使ってもいいですが、細かい違いを意識すると、さらに楽しみながらいただけるかもしれませんね。
この記事では天かすと揚げ玉の違いについてみていきます。天かすや揚げ玉といえば、うどんのトッピングやもんじゃ焼き、お好み焼きなどに欠かせない料理の名脇役というイメージがあるよな。基本的に、両者は同じことを意味するのですが、地域によって呼び方が異なったり、歴史的な成り立ちが違ったりするそうです。
今回はそんな天かすと揚げ玉の違いを、作り方やレシピについても、雑学好き現役大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。
ライター/きき
植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。
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うどんやそば、お茶漬けなどに欠かせない天かすと揚げ玉。さっぱりとした食べ物に、油の風味を加えることで良いアクセントになりますよね。そんな天かすと揚げ玉は異なるものなのでしょうか。基本的にどちらも、天ぷらを揚げたときにできる衣のくずのことを指し、同じものとされています。しかし、揚げ玉と天かすには歴史的に細かい違いがあるようです。
ここから、天かすと揚げ玉の細かい違いについて解説していきます。
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\次のページで「違い1:地域による呼び方の違い 」を解説!/
天かすと揚げ玉の1つ目の違いは地域による呼び方です。2003年度にNHK放送文化研究所が行った調査によると、地域によって天かすと呼ぶのか揚げ玉と呼ぶのか異なってくるという結果が明らかになりました。地域によって呼び方が変わるのは面白いですよね。この呼び方の違いが生まれたのは江戸時代にまで遡ります。
歴史的な違いは「違い2」で解説するので、まずは、地域ごとの呼び方の違いについてみていきましょう。
天かすと呼ぶ地域は東海地方を含む西日本の地域に集中しています。しかも、天かすと呼ぶ人は全体の68%を占めているのです。全体の半分以上を占めていることが分かりますね。関西あたりで天かすという言葉が使われるようになったのは、その成り立ちが関係していると考えられます。
天かすと呼ぶ人は、西日本に集中しているのでした。一方で、揚げ玉と呼ぶのは、東北地方を除く東日本に集中しており、全体の29%にあたります。天かすと比べると少なめだとわかりますね。これもやはり、歴史的な関係があるからだと考えられます。
揚げ玉と天かすの2つ目の違いは作り方です。揚げ玉や天かすが消費者に行き渡るようになったのは江戸時代から。誕生した時の両者の作り方は、時代と広まった地域によって変わっていきました。ここから揚げ玉と天かすの作り方の違いと成り立ちについて、詳しくみていきましょう。
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江戸のお蕎麦屋さんでは、天ぷらを揚げるようになりました。いつしか、天ぷらを揚げる時に生じる廃棄物のはずの天かすを無料でお客さんに提供するようになったのです。この時から天かすは、消費者の手元に行き渡るようになり、日本全国で人気が高まりました。つまり、この時の天かすとは、天ぷらを揚げたときに偶然できたものだったのです。
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天かすが全国的に人気になり広まっていく中、東京のお蕎麦屋さんでは天かすを商品化しようという動きが現れました。いつしか、小エビや割いたイカなどを入れて食材として意図的に作って、それを販売し始めたのです。それが揚げ玉と呼ばれるようになり、東京を中心に広まりました。
このため、東日本の人たちにとって意図的に作られる揚げ玉の方がなじみ深くなったのです。
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日本の料理には、揚げ玉もしくは天かすを使ったレシピがたくさんあります。揚げ物の風味や食感を楽しめるので、さらに料理を楽しめますよ。ここでは、揚げ玉や天かすを使った定番レシピから少し珍しいレシピまでご紹介します。皆さんもご家庭で天ぷらを揚げた際に、ぜひ揚げ玉もしくは天かすを回収して料理に活用してみてくださいね。
・たぬきうどん、そば:揚げ玉(天かす)が汁でひたひたになるのも美味しい。
・お好み焼き:薄切り豚バラにキャベツなど具沢山に。揚げ玉のサクサク感がたまらない。
・たこ焼き:揚げ玉(天かす)の油で表面がカリカリに。
・おにぎり:麺つゆと組み合わせると最高の一品に。
・丼:ご飯の上に生卵と一緒にかければ絶品。
・つくね:おすすめは、鶏ひき肉にたたきれんこんとチーズを加えたもの。大葉や卵黄を加えるのも良し。
・たぬき冷奴:豆腐のしっとりさと揚げ玉のサクサクが絶妙。旨味もアップ。
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天かすと揚げ玉の違いについて解説しました。両者は、基本的に天ぷらを揚げた時にできる衣のかすのことを指します。しかし、歴史的背景やそれに伴って地域によって呼び方が違ってくるのでした。どちらの用語を使ってもいいですが、細かい違いを意識すると、さらに楽しみながらいただけるかもしれませんね。
天かすと揚げ玉の違いについて解説しました。両者は、基本的に天ぷらを揚げた時にできる衣のかすのことを指します。しかし、歴史的背景やそれに伴って地域によって呼び方が違ってくるのでした。どちらの用語を使ってもいいですが、細かい違いを意識すると、さらに楽しみながらいただけるかもしれませんね。