この記事では児童と生徒の違いについてみていきます。どちらの言葉も子どもを表す言葉としてよく使われるよな。違いはどの学校に通っているかでありますが、用語として使う省庁をはじめとする場面によって定義が変わる言葉でもある。今回はそんな2つの言葉の違いを、他の似た言葉を紹介しながら社会福祉士ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

一般企業に勤務する傍ら執筆活動を続けるwebライター。学生時代は児童福祉のゼミに所属し、在学中に社会福祉士の資格を取得している。本記事は社会福祉士の受験勉強をした経験を頼りに執筆していく。

児童と生徒の大まかな違いは?

まず児童と生徒はどのような人を指すのでしょうか。本項ではそれぞれの言葉の定義を、大まかに比較していきます。

児童:小学生または18歳未満の者

image by iStockphoto

児童とは、小学生または18歳未満の者を指す言葉です。児童という言葉は扱う省庁によって定義が異なり、法律やメディアはもちろん商業的な分野でもその定義に準じて使い分けられています。

生徒:中学生または高校生

生徒という言葉は、中学生または高校生を示しています。年齢で言うと12歳頃から18歳ごろを示しており、もちろん中学校や高等学校に通っていることが大前提です。ただし使われる場面によっては、大学生などを示す学生という言葉に生徒も含まれることもあります。

児童は省庁や法律によって定義が変わる?

前述の通り児童にはさまざまなの定義がありますが、どのように使い分けられているのでしょうか。本項では児童という言葉の使い分け方について、代表的なものを詳しくご説明します。

\次のページで「1.文部科学省:小学生」を解説!/

1.文部科学省:小学生

文部科学省で児童と言われる場合は小学生を示しており、学校教育法にもその旨が明記されています。そのため文部科学省が扱う公文書にも、この定義が適用されているのです。また児童文学や児童心理という言葉は、この例に準じて小学生を示しています。

第十七条 保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校の課程、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間においてこれらの課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
② 保護者は、子が小学校の課程、義務教育学校の前期課程又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。

(中略)

(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)

 

(出典:学校教育法 | e-Gov法令検索)

2.厚生労働省:18歳未満の者

厚生労働省で児童という言葉が使われている場合、18歳未満の者を指しています。児童福祉法や児童の権利に関する条約では、この定義が適用されているのです。そのため必ずしも小学校から高校のいずれかに在籍している必要はなく、年齢要件さえ満たしていれば児童に該当します。具体的には乳幼児や、16歳でアルバイトをしているケースなども考えられるでしょう。

第四条 この法律で、児童とは、満十八歳に満たない者をいい、児童を左のように分ける。
一 乳児 満一歳に満たない者
二 幼児 満一歳から、小学校就学の始期に達するまでの者
三 少年 小学校就学の始期から、満十八歳に達するまでの者

(参照:児童福祉法 | e-Gov法令検索)

生徒は学生に含まれるの?

中学生や高校生といった生徒が、学生に含まれている例はご存知ですか。本項では学生という言葉に生徒が含まれている代表的な事例をご紹介します。

1.制服販売店で

image by iStockphoto

中学校や高校の多くは制服が指定されていますが、その販売店では制服が学生服と表記されていることがあります。なぜなら大学生をはじめとする学生も、昔からの伝統で詰襟を着ることがあるからです。

\次のページで「2.各種割引のサービスで」を解説!/

2.各種割引のサービスで

image by iStockphoto

各種店舗や施設で学生割引が宣伝されている場合、生徒が含まれていることが多いです。具体的にはカラオケ店などの娯楽施設や美容室などで使われており、学生証や生徒証明書を見せることで割引対象になります。

児童や生徒と似た意味の言葉は?

ここまで児童と生徒について比較しましたが、似たような言葉がたくさんあります。本項では代表的な言葉をみていきましょう。

1.学生:大学生や専門学校生など

image by iStockphoto

学生とは、大学または大学院、専門学校などに在籍する人を示した言葉です。一般の高校生にあたる年齢でも在籍できる高等専門学校に通うと学生に含まれますが、防衛大学校をはじめとする大学校の在籍者は基本的に含まれません。

\次のページで「2.乳児:生後1年未満の赤ちゃん」を解説!/

2.乳児:生後1年未満の赤ちゃん

image by iStockphoto

乳児とは母子保健法において生後1年未満の赤ちゃんを指す言葉で、中でも新生児は生後4ヶ月以内の場合に限定される表現です。後述する幼児とまとめて、乳幼児と言われることもあります。

3.幼児:小学校に未就学の子ども

image by iStockphoto

児童福祉法において幼児とは、満1歳から小学校に入学するまでの子どもを指す言葉です。具体的には幼稚園児や保育所に通っていたりする子どもが該当し、未就学児と言い換えられることもあります。

3.子ども:法律上は18歳未満の者

子どもとは法律用語では18歳未満の者を示すことが多いです。そのため前述の児童の権利に関する条約は子どもの権利条約と言い換えられることがあります。ただし未成熟な者を比喩的に示す場合や親族関係の用語でもあるため、文脈から読み取ることが必要です。

4.少年:小学生から18歳未満または20歳に満たない者

少年とは前述の児童福祉法に基づくと、小学生から18歳未満の児童を示しています。少年法に基づく場合は20歳に満たない者で、少年犯罪の処遇が適用される者を指す言葉です。

生徒は中高生に限定され、児童は小学生または18歳未満の者を指す

ここまでみてきた通り、生徒は中学校または高校に在籍する人に限定された言葉です。しかし児童は文部科学省は小学生といい、児童福祉法では18歳未満のものであると定義しています。文脈によって示す意味が変わるので、公文書や法令などに触れる際は注目してみてくださいね。

" /> 児童と生徒の違いは?省庁によって定義が変わる?学生、少年などの類義語も社会福祉士ライターが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

児童と生徒の違いは?省庁によって定義が変わる?学生、少年などの類義語も社会福祉士ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では児童と生徒の違いについてみていきます。どちらの言葉も子どもを表す言葉としてよく使われるよな。違いはどの学校に通っているかでありますが、用語として使う省庁をはじめとする場面によって定義が変わる言葉でもある。今回はそんな2つの言葉の違いを、他の似た言葉を紹介しながら社会福祉士ライターれおな=007と一緒に解説していきます。
れおな=007

ライター/れおな=007

一般企業に勤務する傍ら執筆活動を続けるwebライター。学生時代は児童福祉のゼミに所属し、在学中に社会福祉士の資格を取得している。本記事は社会福祉士の受験勉強をした経験を頼りに執筆していく。

児童と生徒の大まかな違いは?

まず児童と生徒はどのような人を指すのでしょうか。本項ではそれぞれの言葉の定義を、大まかに比較していきます。

児童:小学生または18歳未満の者

image by iStockphoto

児童とは、小学生または18歳未満の者を指す言葉です。児童という言葉は扱う省庁によって定義が異なり、法律やメディアはもちろん商業的な分野でもその定義に準じて使い分けられています。

生徒:中学生または高校生

生徒という言葉は、中学生または高校生を示しています。年齢で言うと12歳頃から18歳ごろを示しており、もちろん中学校や高等学校に通っていることが大前提です。ただし使われる場面によっては、大学生などを示す学生という言葉に生徒も含まれることもあります。

児童は省庁や法律によって定義が変わる?

前述の通り児童にはさまざまなの定義がありますが、どのように使い分けられているのでしょうか。本項では児童という言葉の使い分け方について、代表的なものを詳しくご説明します。

\次のページで「1.文部科学省:小学生」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share:
れおな=007