3分でわかる「にほん」と「にっぽん」の違い!本当はどっちが正しいの?歴史や使い分けも主婦ライターが詳しくわかりやすく解説
ライター/えぬとも
文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学、特に江戸時代の文学を専攻していた。今回は、日本語学も学んだ経験を生かし、「にほん」と「にっぽん」の違いを詳しく解説する。
なぜ「にほん」と「にっぽん」2つの読み方が存在するの?
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国号「日本」を読むとき、「にほん」と読みますか?それとも「にっぽん」と読みますか?読み方が2通りある理由は、歴史をさかのぼると見えてきます。では、なぜ2つの読み方をするようになったのか、詳しくみていきましょう。
「にっぽん」という読み方の始まり
国名として「日本」が使われ始めたのは奈良時代。当時の日本の人々は、「日本」という表記で「やまと」と読んでいましたが、交流のあった中国では「ニエットプァン」と発音されていました。その後、平安時代にかけて中国との交易が盛んになると、中国語の発音が日本にも広まり、「にっぽん」と呼ばれるようになったとされています。
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「にほん」という読み方の始まり
今は広く使われている「にほん」という読み方ですが、いつ定着したのかなどについて明確にはわかっていません。一説には、かつてのひらがなには促音(「っ」)や半濁音(「ぽ」)がなかったため、「にっぽん」の表記が「にほん」になり、読み方もそれに合わせて変化したのだろうと言われています。
もう一つが、江戸時代に江戸っ子によって広まったという説です。江戸っ子たちが早口で話すうちに、「にっぽん」が徐々に短縮されて「にほん」になったというもの。そのため、東京の日本橋は「にほんばし」、大阪の日本橋は「にっぽんばし」と呼ばれているのではないかと言われています。
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読み方を統一しないのはなぜ?
「読み方を統一した方がわかりやすいのに…」と思った人も多いのではないでしょうか。実は、以前から2つの読み方を統一しようという動きはありました。
昭和9年に初めて「読み方をにっぽんに統一する」という案が政府に出されましたが、結論は保留。それ以降も何度も国会で議論されてきましたが、結局合意に至ることはありませんでした。すでにどちらの読み方も広く定着してしまっているので、どちらかに決めることは困難であるためです。現在も、日本政府の公式な見解は「どちらかに統一する必要はない」としています。
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