小麦粉にはどんな栄養がある?効能や小麦製品の特徴も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説!
ライター/ツキアオイ
1児の母として育児に奮闘中の管理栄養士ライター。好きな小麦製品は麺類。育児が落ち着いたら一人でラーメンを食べに行きたいと密かに願っている。病院や介護施設での経験を活かし、食に関して分かりやすく解説する。
グルテンってどんな成分?
image by iStockphoto
パンや麺類にはもちもちとした食感がありますよね。この食感を生み出しているのがグルテンという小麦粉特有の成分です。小麦粉に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」というたんぱく質から出来ているのですよ。これらは伸展性や弾力を生み出す性質を持っています。
小麦粉に水を加えてこねるとこの2種類のたんぱく質が絡み合い、グルテンが発生するのです。グルテンはこねればこねるほど絡み合って弾力が強くなる性質を持っていますよ。パンを作る時に時間をかけてよくこねるのはこのためです。手ごねのパンの場合こねすぎになるということはありません。時間があればしっかりこねて作ってくださいね。
こちらの記事もおすすめ
全粒粉と小麦粉の違いとは?代用には何がおすすめ?栄養価や味も元パン職人がわかりやすく解説
小麦製品とその特徴
image by iStockphoto
私たちの日常には小麦製品があふれていますよね。どれも小麦という原材料を使いながらも、小麦製品の種類は多岐に渡ります。先ほど解説したグルテンの働きが生かされていますよ。ここからそれぞれの製品の特徴について詳しく見ていきましょう。
こちらの記事もおすすめ
小麦粉ってどう選ぶの?種類や価格のしくみも管理栄養士が詳しくわかりやすく解説
1.弾力が特徴のパン
小麦製品の代表であるパンはもちもちとした弾力とイースト菌によって膨らむのが特徴です。パンはふっくらと膨らむことで食感も見た目も美味しくなりますよね。このパンの膨らみにもグルテンが活躍しているのですよ。
グルテンは網目構造をしていてイースト菌が出す気泡を膜のように包み込みます。グルテンの弾力のおかげで気泡を包む膜が破けにくく、ふっくらとしたパンが出来上がるのです。
ちなみに、たんぱく質含有量の多い小麦粉を使うことでより強いグルテンが形成されます。そのためたんぱく質含有量の多い小麦粉で作るパンはふんわり軽い食感のパンに。たんぱく質含有量の少ない小麦粉ではフランスパンのような膨らみが少ないパンが出来上がりますよ。
2.伸展性を生かした麺類
麺類は生地の伸展性を生かして作られる小麦製品です。生地をこねてグルテンを形成し、一度寝かせる(時間を置いて休ませる)ことで生地が伸びやすくなります。寝かせている間にもグルテンは形成されているのですよ。
麺類の生地に塩を加えるのはグルテンを強化するため。例外としてパスタは生地を作る時に塩を加えません。これは他の麺類が中力粉で作られるのに対し、デュラム小麦粉というたんぱく質含有量の多い小麦粉を使用するからです。
3.たんぱく質が豊富な麩
汁物や煮物に入れられる事が多い麩ですが、たんぱく質が豊富に含まれていることはご存知でしたか?麩は小麦粉からグルテンを分離して作られているのです。動物性食品を使用しない「精進料理」では麩は貴重なたんぱく源なのですよ。
グルテンに加える材料によってさまざまな種類の麩が作られています。例えば焼き麩はグルテンに小麦粉を加えて焼いたもの。生麩はグルテンにもち粉を混ぜて蒸したものです。その他にも車麩や庄内麩といった地域によって特徴の異なる麩が数多くありますよ。
こちらの記事もおすすめ
【アミノ酸とタンパク質】タンパク質の構造とその特徴を生物専攻ライターがわかりやすく解説!<第1回>
小麦粉に含まれる主な栄養素3選
image by iStockphoto
小麦粉といえば炭水化物のイメージが強いですよね。実は他にもたんぱく質や食物繊維が多く含まれていますよ。どれも役割は異なりますが身体にとって必要なものです。効能や摂り方のコツについてここから詳しく見ていきましょう。
\次のページで「その1.エネルギー源となる炭水化物」を解説!/