この記事ではWindows PCの休止状態とスリープの違いについてみていきます。どちらもPCでの作業を中断するときに行う操作ですが、特性に少し違いがあるようです。
今回はそんな休止状態とスリープの違いを、どんな場面で使用したらいいのかも含めて、元社内SEのライター佐倉晃次郎と一緒に解説していきます。

ライター/佐倉晃次郎

PCの電話サポート、社内SEを経験。現在は企業で記事校正やVBAを使ったプログラミングをしながらWebライターをしている。

休止状態とスリープの違いとは?

image by iStockphoto

休止状態スリープ、どちらも「シャットダウンのように電源を切らないで、PCを一旦休止させる操作」と認識している方が多いかと思います。実はPCの中で起きていることは両者で異なり、どういった場面での使用が適切であるのかも異なっているのです。

この2つの中間の状態に当たる「ハイブリッドスリープ」も含めて、まずは、休止状態とスリープはそれぞれPCがどういった状態になる操作なのか、簡単に解説していきましょう。

休止状態とは?

PCを休止状態にすると、開いているプログラムなどのデータはハードディスクに保存され、電源が切られた状態になります。また、休止状態のことはハイバネーション(hibernation)とも言い、これは英語で「冬眠」の意味を持つ言葉です。

スリープとは?

PCをスリープにした場合、休止状態とは異なり、開いているプログラムなどのデータはメモリに保存され、省電力状態になります。休止状態のように、ハードディスクにデータが保存される場合は、データを保持するのに電源の供給が必要ありませんが、メモリに保存される場合には、保存中のデータを保持するための電力が必要です。

ハイブリッドスリープって何?

ハイブリッドスリープは、言葉の意味の通り、休止状態とスリープの中間の状態です。PCをハイブリッドスリープにすると、データはハードディスクに保存され、省電力状態になります。主として、ノートPCのようにバッテリーを持っていない、デスクトップパソコン向けの機能です。

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休止状態とスリープ、どちらをつかうと良いの?

ここまで、休止状態スリープ、そしてハイブリッドスリープの違いをみてきましたが、実際にはどれを使うのが良いのでしょうか。今度はそれぞれのメリット・デメリットとともに、どのような場面での使用に適しているのかをみていきましょう。

データを保存した状態にしておける休止状態

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データがハードディスクに保存される休止状態は、データがより確実に保存されている状態と言って良いでしょう。ただし、一旦電源が切られた状態になっているため、復帰するときには時間がかかってしまいます。例えば作業中のデータが失われないようにしたいとき離席する時間が長くなるときには、この休止状態を使用すると良いでしょう。

素早く復帰できるスリープ

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データがメモリに保存されているスリープは、メモリのデータを保持するために電力が供給されている状態です。そのため、万が一停電などでその電力供給が停止されてしまうと、データが失われてしまう恐れがあります。代わりに、復帰する際には休止状態よりも素早く復帰できるため、作業中のデータが失われても問題ないとき離席する時間が短いときに使用すると良いでしょう。

ここで、「電力を使わないとデータを保持できないメモリが使われているのはどうして?電力を使わなくてもデータを保持できるものにすれば安全じゃない?」と思う方もいるかもしれません。

PCの電力を使わないとデータを保持できない種類のメモリを「揮発性メモリ」と言い、逆にハードディスクのような電力が不要なものを「不揮発性メモリ」と言います。前者はPCでの作業中、一時的にデータが書き込まれるもので、データの保持に電力が必要な代わりにデータの読み書きが速いのが特徴です。PCの中でデータが書き込まれるパーツを全て「不揮発性メモリ」にしてしまうと、処理速度が大幅に落ちてしまうため、「揮発性メモリ」も併用した設計になっています。

作業状況によって、適切な方法を選択しよう!

この記事で見てきたように、休止状態とスリープは作業中のデータの重要度や、復帰するときに素早く作業を再開したいかどうかによって適している方法が異なります。そのときそのときの状況に合わせて、操作を選びましょう。ハイブリッドスリープが使用できるPCの場合には、ハイブリッドスリープも有効です。

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雑学

休止状態とスリープの違いとは?使い分けやメリット・デメリットも元社内SEがわかりやすく解説

この記事ではWindows PCの休止状態とスリープの違いについてみていきます。どちらもPCでの作業を中断するときに行う操作ですが、特性に少し違いがあるようです。
今回はそんな休止状態とスリープの違いを、どんな場面で使用したらいいのかも含めて、元社内SEのライター佐倉晃次郎と一緒に解説していきます。

ライター/佐倉晃次郎

PCの電話サポート、社内SEを経験。現在は企業で記事校正やVBAを使ったプログラミングをしながらWebライターをしている。

休止状態とスリープの違いとは?

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休止状態スリープ、どちらも「シャットダウンのように電源を切らないで、PCを一旦休止させる操作」と認識している方が多いかと思います。実はPCの中で起きていることは両者で異なり、どういった場面での使用が適切であるのかも異なっているのです。

この2つの中間の状態に当たる「ハイブリッドスリープ」も含めて、まずは、休止状態とスリープはそれぞれPCがどういった状態になる操作なのか、簡単に解説していきましょう。

休止状態とは?

PCを休止状態にすると、開いているプログラムなどのデータはハードディスクに保存され、電源が切られた状態になります。また、休止状態のことはハイバネーション(hibernation)とも言い、これは英語で「冬眠」の意味を持つ言葉です。

スリープとは?

PCをスリープにした場合、休止状態とは異なり、開いているプログラムなどのデータはメモリに保存され、省電力状態になります。休止状態のように、ハードディスクにデータが保存される場合は、データを保持するのに電源の供給が必要ありませんが、メモリに保存される場合には、保存中のデータを保持するための電力が必要です。

ハイブリッドスリープって何?

ハイブリッドスリープは、言葉の意味の通り、休止状態とスリープの中間の状態です。PCをハイブリッドスリープにすると、データはハードディスクに保存され、省電力状態になります。主として、ノートPCのようにバッテリーを持っていない、デスクトップパソコン向けの機能です。

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