ドラゴンフルーツといえば「南国のフルーツ」です。輸入が多いことは知っていると思うが、現在では輸入量に匹敵するほど国産も栽培され、世界では原産国以外の多くの国で作られているんです。鮮やかな色があまりに印象的ですが、実は赤だけでなく、ピンクや黄色といった種類もあるんです。完熟の見分け方は難しいが、新鮮で美味しいドラゴンフルーツの見分け方も知っておこう。この記事では、ドラゴンフルーツの産地や旬、種類など、美味しさに繋がる基礎知識を果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。ドラゴンフルーツは、果物盛り合わせの華!

ドラゴンフルーツの旬と産地

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まずは、ドラゴンフルーツの旬と産地を見ていきましょう。「南国のフルーツ」のイメージ通り、ドラゴンフルーツは国産も輸入品も暖かい地方で栽培されます。国内の旬の時期は主に夏から秋と言われていますが、意外にも、市場の流通は通年出回っているのです。なぜでしょうか?

では、ドラゴンフルーツの栽培状況を、日本国内と世界に分けて詳しく見ていきましょう。

日本国内の産地は?旬は?

日本では2000年以降、沖縄や鹿児島県など南の暖かい地方で本格的に栽培されています。国内の生産高では、1位は沖縄県で全体の65%、2位鹿児島県30%、3位は意外にも関東で千葉県が5%です。日本のドラゴンフルーツは、沖縄県と鹿児島県でほとんどが生産されていることが分かりますね。しかし、近年では、ドラゴンフルーツの生産量は減少傾向にあります。

ドラゴンフルーツの旬の季節は、主に夏から秋にかけてです。国内で生産されるほとんどのドラゴンフルーツは6月~11月頃に収穫時期を迎えます。生産量トップの沖縄県では、露地栽培が多く、旬の時期は7月~11月。鹿児島県などそのほかの地域ではハウス栽培されています。また、サボテンの種類が異なる、果皮が黄色いドラゴンフルーツは、1月~3月、6月~10月頃が旬です。

世界の栽培状況

次に世界のドラゴンフルーツ栽培に目を向けてみましょう。もともとの原産地は中南米熱帯の果物ですが、現在ではメキシコやエクアドルなどの中南米のほかにも、ベトナム・マレーシアなどの東南アジア台湾・中国南部・イスラエルなどでも盛んに栽培されています。近年では、オーストラリアやスペインなどでも栽培されているようです。

日本に輸入されるドラゴンフルーツは主にメキシコ・コロンビア・ベトナムから輸出されています。それら南米からの輸入品の出回り時期は、国産の旬の時期と反対です。主要なドラゴンフルーツは主に1月~5月、黄色いものは8月~10月に出回ります。

ドラゴンフルーツの種類5選

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ドラゴンフルーツは世界では20種類以上の品種が栽培されており、今なお品種改良によって新たな品種が生まれていると言われています。日本では赤色やピンク色が一般的ですが、黄色のドラゴンフルーツもあるのだとか。そんなドラゴンフルーツの種類は、果皮や果肉の色の特徴で大まかに分けられる程度で、正式名称はよくわかっていません。

今回は一般的に使われる名称で示し、代表的な5種類を詳しくご紹介します。

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1.白肉種(ホワイトピタヤ)

別名「ホワイトドラゴン」という商品名で販売されている、ドラゴンフルーツの代表格。栽培が簡単で収穫量も多いため、最も流通している品種で、スーパーなどで簡単に入手できるドラゴンフルーツです。

果皮が真っ赤なのに対して、果肉が白色をしていることが特徴。サクサクした食感と散りばめられた種のシャリシャリ感が楽しめ、ほのかな甘味の中にわずかな酸味があります。サイズは200gの小ぶりなものから、1kgの大きめなものまで様々。日本では7月~11月が収穫の時期です。主にアメリカと台湾で品種改良が行われています。

2.赤肉種(レッドピタヤ)

「レッドドラゴン」とも呼ばれ、品種がはっきりしているものに「マキスパ」「アメリカンビューティー」「翡翠果」などがあります。

一番の特徴は、果皮は真っ赤で、果肉が鮮やかな赤紫色です。食感は白肉種とあまり変わりませんが、甘みと香りは白肉種より感じられます。サイズは約150g~800gと白肉種に比べ、少し小ぶりです。

特徴的な果肉の色には「ベタシアニン」というポリフェノールの一種が含まれます。ベタシアニンはフィトケミカルの一種で、その有用性が近年注目されていますね!さらに、食用だけでなく、化粧品や食品の天然色素としても使われています。カットしたときにまな板や洋服などに付くと落ちにくいので、注意してくださいね。

3.桃肉種(ピンクピタヤ)

別名「ピンクドラゴン」。日本で品種改良された品種と、海外で品種改良された品種があります。日本産は2007年に「ちゅらみやらび」という品種が開発され、沖縄県で栽培がスタート。新しい品種のため、まだ一般にはほとんど出回っておらず、希少価値が高い高級品です。海外のものは数種類存在しており、最近ではアメリカから輸入された桃肉種のドラゴンフルーツが岐阜県で栽培され始めています。品種名は「ダークスター」「ハレーズコメット」「コンドル」など。

果皮は赤色か濃いピンク色で、果肉は淡いピンク色をしています。食感は他の種類とあまり変わりませんが、完熟の糖度は15度以上になり、ドラゴンフルーツの品種の中で最も甘く、ジューシーな味わいが楽しめますよ。実の大きさは500gほどと大きめサイズ

4.黄皮白肉種(ゴールデンドラゴン)

主にニュージーランドから輸入されているドラゴンフルーツです。果皮は黄色く、白肉種や赤肉種のようにうろこ状になっており、果肉は白色をしています。食感は他の種類と変わりませんが、味わいは最も薄味で淡泊です。

5.黄皮白肉種(イエローピタヤ)

「ゴールデンピタヤ」「イエロードラゴン」の名前でも呼ばれていますが、ゴールデンドラゴンとは果実の形が違う別物です。日本には主にコロンビアからの輸入品が入ってきています。国産のものは、旬が6月~10月と少し早く、生産量が少ない希少な種類です。

白肉種や赤肉種とは種類の違うサボテンの実なので、外見はゴツゴツとしてトゲが生えています。果皮の色は黄色果肉は白色で果肉の中にある種は少し大きめ。ドラゴンフルーツの品種の中で最も味が良いと言われ、果糖やショ糖が含まれているため強い甘みがありジューシーです。大きさは200g~500gくらいと、小ぶりなものも。

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美味しいドラゴンフルーツの見分け方

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店頭に並ぶドラゴンフルーツは鮮やかな見た目に惑わされがちですが、生産地や輸入方法によって、熟し具合や鮮度はさまざま。もちろん、完熟度合いや鮮度は美味しさに直結します。しかし、沖縄県など生産地でもない限り、日本の多くの地域ではあまり馴染みの無い果物なので、そもそも選び方について考えることは少ないかもしれません。

ここでは、美味しいドラゴンフルーツはどんな状態なのか、詳しく学んでいきましょう。

良いドラゴンフルーツって?

ドラゴンフルーツは追熟しないため、店頭ですでに熟しているものを選びましょう。出来れば、樹上で完全に熟してから収穫されるものがベスト。完熟の果実は日持ちしないので、美味しさを追求するなら、未熟な状態で収穫されることの多い輸入品や、都市部のスーパーで買い求めるよりも、生産地で食べるか産地直送がおすすめです。品種や生産方法などの表示があれば、味わいへの信頼性もさらに高いですね。

しかし、なかなか生産地で食べるのは難しいですよね。ふとした時に手軽に購入する場合でも、新鮮で良いドラゴンフルーツを見分けるポイントを挙げてみましょう。

・果皮全体が鮮やかな色に色づいている
・果皮にハリがある
・ふっくらとした丸みのある形
・小さいものより、大きいもののほうが良い
・持った時にずっしり重たい
・ヒダの幅が広く、短いもの
・ヒダがピンとしている

どれも同じように見えても、しっかり観察すると、美味しいドラゴンフルーツを見分けることが出来ますね!しかし、ドラゴンフルーツの完熟具合は見た目で判断しづらいため、熟し具合が分からない場合は、より新鮮なものを選ぶと正解です。

また、ずっしりとした重みのあるドラゴンフルーツは果汁がたくさん含まれていてジューシーですよ。もし、店頭で触ることが出来るようなら、持ってみて確認しましょう。

こんなドラゴンフルーツは避けよう

反対にどんなドラゴンフルーツは新鮮さに欠け、避けたが良いのでしょうか?まず、店頭に置いてある中で比較して小さい個体は避けましょう。同じ種類のドラゴンフルーツなら、大きい方が美味しいです。また、形が球体でない、いびつなものも良くないですよ。新鮮さを見るなら、果皮やヒダのハリがポイント。果皮やヒダがしなびているものは鮮度が良くない証拠です。

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ドラゴンフルーツは果皮も果肉も色とりどり!名産地で完熟を食べてみよう!

南国の果実「ドラゴンフルーツ」は、赤色やピンク色・黄色に緑色のヒダ、果肉も赤白、とてもカラフルですね。何と言っても華やかな見た目が特徴ですが、産地や色によって、美味しさにも違いがあるのです。完熟の一番おいしいドラゴンフルーツに出会える機会は少ないですが、旬の時期にはぜひ名産地で甘いドラゴンフルーツを味わってみてください。

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家庭科

美味しいドラゴンフルーツの見分け方は?国産と輸入で旬の時期が違う?産地や品種も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

ドラゴンフルーツは果皮も果肉も色とりどり!名産地で完熟を食べてみよう!

南国の果実「ドラゴンフルーツ」は、赤色やピンク色・黄色に緑色のヒダ、果肉も赤白、とてもカラフルですね。何と言っても華やかな見た目が特徴ですが、産地や色によって、美味しさにも違いがあるのです。完熟の一番おいしいドラゴンフルーツに出会える機会は少ないですが、旬の時期にはぜひ名産地で甘いドラゴンフルーツを味わってみてください。

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