ドラゴンフルーツって知っているか?その名の通り、真っ赤なドラゴンのようなトロピカルフルーツだ!食べられるかどうかも迷いそうな外見ですが、最近では「スーパーフード」として、その栄養成分に注目が集まっているんです。今回の記事では、見た目や味などの基本的な特徴から、名前の意味、注目の栄養成分と注意点まで、果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。ドラゴンフルーツは、果物盛り合わせの華!

ドラゴンフルーツの特徴って?

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ドラゴンフルーツは、熱帯地域に生息するサボテン科に分類される植物の果実。木自体はサボテンではありますが、乾燥地帯に生息するサボテンとは違い、ツル植物のように木に抱きついて伸びる柱サボテンです。また、ドラゴンフルーツの花は白く大きくて、夜に咲くことから、「夜の女王」「ムーンフラワー」と呼ばれることもあるそうだとか。素敵ですね!

主な産地はメキシコなどの中南米ベトナムなどの東南アジア。近年では国内でも沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。夏から秋にかけて収穫され、国産のものだと収穫時期は6月~11月頃。大きさは10~15cmほどで直径6~8cmのタマゴ型です。なにより、赤色やピンク色など色鮮やかな果皮に緑色のヒダのある外見にインパクトがありますね。

では続いて、見た目ではわからない味や由来など、ドラゴンフルーツの内側の特徴を詳しく解説していきましょう。

どんな味がするの?

一般的に販売はされていますが、なかなか食べ比べる機会がない果物かもしれません。どんな味をしているのか詳しくご紹介します。

ドラゴンフルーツは、外見のゴツゴツした印象とは反対に、果肉は柔らかくサクサクした食感ジューシーさっぱりとした甘さで酸味はほとんどありません。果肉の中には全体に小さな種がたくさん散らばって入っていますが、キウイのように取り除かずそのまま食べます。樹上で完熟されていない輸入のものは風味が薄いものが多いですが、完熟で収穫されたドラゴンフルーツは糖度が20度前後になり、驚くほど甘いのです。しっかり完熟したものは日持ちや保存性が悪いため、国産でもなかなか都市部まで流通しません。現地で食べるか、産地直送のお取り寄せで、ぜひ味わってみてください。

品種によって、果肉の色は白色や赤色などがありますが、味はあまり変わらないようです。

原産地は中南米

原産地はメキシコや中南米などの熱帯地域です。もともとは自生しているものでした。現在までの歴史の詳細は不明ですが、少なくとも原産地では、13世紀頃のアステカ王国で食べていたとされる記録が残っているそう。

現在ではメキシコやエクアドルなどの中南米、ベトナムやマレーシアなどの東南アジア、台湾や中国南部での栽培が主ですが、オーストラリア・スペイン・アメリカ合衆国南部などでも。日本には20年ほど前から伝わり、当初は観賞目的であったようですが、現在は食用としても沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。

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名前の由来は?なぜドラゴン?

見た目と同じくインパクトのある「ドラゴンフルーツ」という名前の由来には諸説あり、「果皮が龍のウロコに似てることから」または「木のうねりが空に昇る龍のようで、鮮やかな果実が竜の目に見えること」などの意味が有力なようです。なんだか頷けますね。

中国語では漢字で「火龍果」と書き、ベトナムから日本への輸出の際、販売用に中国語を直訳で英語に変換したことで「ドラゴンフルーツ」という呼び名が付けられたそうですよ。

ちなみに、正式名称は「ピタヤ」です。英語でも「pitaya(ピタヤ)」。海外では「ドラゴンフルーツ」より「ピタヤ」で呼ばれる方が一般的ですね。日本でも、ドラゴンフルーツという呼び名が広まる前は、ピタヤと呼んでいたそうですよ。

ドラゴンフルーツの栄養と効能

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ドラゴンフルーツは、もともと農薬を使う必要がないそうで、多くの場合、残留農薬の心配がない体に優しいフルーツです。さらに栄養豊富なドラゴンフルーツは、近年では「健康食品」として注目を集めています。

では、具体的にどのような栄養成分が含まれているのか、栄養豊富なフルーツの代表「バナナ」と比較して詳しく見ていきましょう。以下に、ドラゴンフルーツとバナナの可食部100gあたりの栄養素含有量をまとめました。

栄養素:ドラゴンフルーツ/バナナ
エネルギー:52kcal/86kcal
水分:85g/75.4g
炭水化物:11.8g/22.5g
ビタミンC:7mg/16mg
カリウム:350mg/360mg
葉酸:44μg/26μg
マグネシウム:41mg/32mg
食物繊維:1.9g/1.1g

ドラゴンフルーツには、85%ほどの水分と共に、カリウムやマグネシウム・リンなどのミネラルや、ビタミン類、食物繊維、ポリフェノールなどが含まれていますね。また、栄養素ではないですが、特に注目したい成分が「ベタシアニン」というポリフェノール。ベタシアニンは、「フィトケミカル」と呼ばれる天然の有用成分の1種ですよ。

では続いて、それぞれの栄養素の働きと効能を詳しくご紹介します。

1.カリウム:高血圧予防・むくみ改善

ドラゴンフルーツには、果物の中でもトップクラスの非常に多くのカリウムが含まれています。カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムとバランスを取りながら、細胞の浸透圧を調整する栄養素です。塩分が過剰になると体外への排出を促してくれるため、高血圧予防に効果が期待できます。また、利尿作用により、塩分と共に、ため込みやすい水分も排出されるため、むくみ解消にも効果がありますよ。

カリウムは水溶性のため、料理すると水に溶けだす恐れがありますが、生のまま食べられるドラゴンフルーツは無駄なく摂取することが出来ますね。

2.葉酸:貧血予防・胎児の発育

ドラゴンフルーツには葉酸も豊富に含まれています。葉酸は、DNAの合成に関わり、胎児の発達に必要な栄養素なので、妊婦さんは積極的に摂取したいですね。また、「造血ビタミン」と呼ばれ、赤血球の生成に不可欠な成分です。めまいや立ち眩みといった貧血症状の改善や予防にも効果的があると言われています。

\次のページで「3.マグネシウム:高血圧予防・糖尿病予防・健康な骨の維持」を解説!/

3.マグネシウム:高血圧予防・糖尿病予防・健康な骨の維持

ドラゴンフルーツは果物の中で最もマグネシウム含有量が多いと言われているのです。マグネシウムは体の代謝に関連する役割があり、血管を広げて血圧を下げたり、体温を調節する機能があります。

マグネシウムが不足するとインスリンが正常に働かなくなったり、分泌されなくなってしまうとか。マグネシウムを摂取することでインスリンを正常に機能させ、血糖値を安定させることで、糖尿病予防にも効果を発揮しますよ。また、カルシウムと共に歯や骨を形成しており、不足すると骨粗しょう症のリスクが高まると言われています。

4.ビタミンC:美肌効果・アンチエイジング・免疫力向上

ビタミンCは「美容ビタミン」と呼ばれ、肌にハリと潤いを与えるたんぱく質「コラーゲン」の生成に不可欠な栄養素です。また、シミの原因となるメラニンの生成も抑制してくれますよ。さらに、ビタミンCには老化の原因である活性酸素を抑える高い抗酸化作用があります。美肌効果とともに、アンチエイジングの効果も期待できますよ。

また、ビタミンCには、風邪やストレスから体を守り、免疫力を高める役割もあります。

5.食物繊維:便秘改善・整腸効果

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類がありますが、ドラゴンフルーツには特に不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やし、腸に刺激を与え、スムーズな排便を促しますよ。また、水溶性の食物繊維は、コレステロールを吸着し体外へ排出したり、食後の血糖値の上昇を抑えます。2つの食物繊維はそれぞれ異なった特性を持ちますが、共に腸の善玉菌を増やし腸内環境の改善に役立つ栄養素です。

6.ポリフェノール(ベタシアニン):がん予防・ほか

「ベタシアニン」は主に赤肉のドラゴンフルーツに含まれているポリフェノールの一種で、果肉の色を赤くしている色素成分です。ブルーベリーに代表されるアントシアニン系の色素ですね。ベタシアニンが何故注目されているかというと、高い健康効果が期待されているフィトケミカルなのです。ベタシアニンは強い抗酸化作用があり、がんの抑制に作用すると言われています。

また、ベタシアニンは、天然色素として染料や口紅としても使われていますよ。衣服などにつくと落ちにくいので気を付けて。

食べ過ぎるとどうなるの?

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栄養豊富なドラゴンフルーツは、健康維持に期待してたくさん食べたくなりますね。甘み成分がブドウ糖のドラゴンフルーツは、甘さがあっさりしていて、ついつい食べ過ぎてしまうかもしれません。しかし、食べれば食べるほど体に良いとは限りませんよ。いくつかのデメリットも!?注意点をしっかり確認して、健康に役立つ方法で食生活に取り入れましょう。

ここでは、ドラゴンフルーツを食べる時の注意点について考えていきましょう。

\次のページで「カロリーや糖質は高い?」を解説!/

カロリーや糖質は高い?

まず始めに、カロリーや糖質について見ていきましょう。特にダイエットや糖質制限中だと気になりますね。せっかくの栄養豊富な果物も、食べ過ぎて太る原因になったら困ります。適量をしっかり把握しておきましょう。では、ドラゴンフルーツと他の主要な果物を比較しながら詳しく解説していきます。

果物名:可食部100gあたりのカロリー/可食部100gあたりの糖質
ドラゴンフルーツ:50kcal/9.9g
リンゴ:56kcal/14.3g
バナナ:93kcal/21.4g
ミカン:49kcal/11g

上記から見ると、ドラゴンフルーツは比較的低カロリー・低糖質のフルーツと言えるでしょう。では、1日あたりの適量はどの程度でしょうか?

ドラゴンフルーツ1個の可食部は約260gで130kcalです。間食の目安は1日あたり200kcalまでですので、ドラゴンフルーツは1個食べても、そこまでカロリーは高くありません。半分だと65kcal、小さいヨーグルト1個分以下です。食べ応えのあるフルーツですので、ダイエット中にもおすすめのおやつですね。糖質制限中の場合、間食は糖質が10g以下が目安です。丸々1個だと25gを超えてしまいますので、3分の1程度にとどめておくのが良いでしょう。

食べ過ぎは腹痛に

便秘改善や整腸作用のあるドラゴンフルーツですが、過剰摂取は腹痛の原因にもなるのです。その理由を詳しく見てみましょう。

まずは整腸作用のある栄養素、食物繊維水溶性食物繊維は便を柔らかくしますが、過度に摂りすぎると、下痢になってしまう場合があります。不溶性食物繊維の過剰摂取は、便が大きくなりすぎて、便秘気味の場合、ひどくする恐れが。

また、南国のフルーツは「体を冷やす」傾向があると言われています。豊富に含まれるカリウムには体を冷やす効果もあり、過剰摂取して体を冷やし過ぎてしまうことで、胃腸機能が低下し、下痢を引き起こす原因になることも。1個2個食べる分には問題ありませんが、食べ過ぎには注意が必要ですよ。

血尿・血便が出るって本当?

主に、赤肉種のドラゴンフルーツをたくさん食べた場合、尿や便が赤くなる場合があります。突然のことだとびっくりするかもしれませんが、これは色素(ベタシアニン)の作用です。健康の被害はありませんので、心配いりませんよ!

龍のようなトロピカルフルーツ!健康維持に大活躍!

鮮やかな果皮がひときわ目を引く南国の果物、ドラゴンフルーツ。その外見とは裏腹に、あっさりして柔らかい果肉には、豊富な栄養素がバランスよく詰まっています。近年注目のスーパーフードを毎日の食生活に取り入れ、健康のために活用しよう!

" /> ドラゴンフルーツはどんな味?スーパーフードの栄養と効能って?名前の意味や特徴も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

ドラゴンフルーツはどんな味?スーパーフードの栄養と効能って?名前の意味や特徴も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

ドラゴンフルーツって知っているか?その名の通り、真っ赤なドラゴンのようなトロピカルフルーツだ!食べられるかどうかも迷いそうな外見ですが、最近では「スーパーフード」として、その栄養成分に注目が集まっているんです。今回の記事では、見た目や味などの基本的な特徴から、名前の意味、注目の栄養成分と注意点まで、果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。ドラゴンフルーツは、果物盛り合わせの華!

ドラゴンフルーツの特徴って?

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ドラゴンフルーツは、熱帯地域に生息するサボテン科に分類される植物の果実。木自体はサボテンではありますが、乾燥地帯に生息するサボテンとは違い、ツル植物のように木に抱きついて伸びる柱サボテンです。また、ドラゴンフルーツの花は白く大きくて、夜に咲くことから、「夜の女王」「ムーンフラワー」と呼ばれることもあるそうだとか。素敵ですね!

主な産地はメキシコなどの中南米ベトナムなどの東南アジア。近年では国内でも沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。夏から秋にかけて収穫され、国産のものだと収穫時期は6月~11月頃。大きさは10~15cmほどで直径6~8cmのタマゴ型です。なにより、赤色やピンク色など色鮮やかな果皮に緑色のヒダのある外見にインパクトがありますね。

では続いて、見た目ではわからない味や由来など、ドラゴンフルーツの内側の特徴を詳しく解説していきましょう。

どんな味がするの?

一般的に販売はされていますが、なかなか食べ比べる機会がない果物かもしれません。どんな味をしているのか詳しくご紹介します。

ドラゴンフルーツは、外見のゴツゴツした印象とは反対に、果肉は柔らかくサクサクした食感ジューシーさっぱりとした甘さで酸味はほとんどありません。果肉の中には全体に小さな種がたくさん散らばって入っていますが、キウイのように取り除かずそのまま食べます。樹上で完熟されていない輸入のものは風味が薄いものが多いですが、完熟で収穫されたドラゴンフルーツは糖度が20度前後になり、驚くほど甘いのです。しっかり完熟したものは日持ちや保存性が悪いため、国産でもなかなか都市部まで流通しません。現地で食べるか、産地直送のお取り寄せで、ぜひ味わってみてください。

品種によって、果肉の色は白色や赤色などがありますが、味はあまり変わらないようです。

原産地は中南米

原産地はメキシコや中南米などの熱帯地域です。もともとは自生しているものでした。現在までの歴史の詳細は不明ですが、少なくとも原産地では、13世紀頃のアステカ王国で食べていたとされる記録が残っているそう。

現在ではメキシコやエクアドルなどの中南米、ベトナムやマレーシアなどの東南アジア、台湾や中国南部での栽培が主ですが、オーストラリア・スペイン・アメリカ合衆国南部などでも。日本には20年ほど前から伝わり、当初は観賞目的であったようですが、現在は食用としても沖縄県や鹿児島県などで栽培されています。

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