今回の記事では、MBRとGPTの違いについてみていきます。
MRBとGPTは、どちらもパソコンの電源を入れたときに、一番最初に読み込まれる領域のことです。
役割が被っていて、一見するとその違いが分からず混乱してしまう人も多いでしょう。しかし、MBRとGPTには明確な違いが存在する。
この記事では、この2つの違いと、その特徴や変換方法について、元システム運用者の塚谷と一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと趣味多数を持つおじさんです。

MBRとGPTとは?

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MBRとGPTがどのようなものかご存知でしょうか?ハードディスクなどストレージの先頭セクタのことで、ブートローダやパーティションテーブルなどが記録されています。制御プログラムによってブートローダが起動されるのですが、ITに詳しくないとなかなかイメージが湧かないですよね。なのでざっくりと説明します。

MBRとGPTとは、パーティション方式の種類のことであり、パソコンに電源が入れられたとき、1番最初に読み込まれる場所のことです。

とてもざっくりとした説明になってしまいましたが、先程よりはイメージが湧いたのではないでしょうか? 以降の記事ではもう少し専門的な言葉を交えながら、出来るだけ分かりやすくMBRとGPTについて説明していきます。

MBR:パソコンの起動に必要

MBRとはマスターブートレコードの略語です。ハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)の1番先頭に存在し、OS起動に必要なプログラムや情報を記録した小さな領域のこと。BIOSを使ったパソコンの電源を入れたとき、最初に読み込まれます。

ストレージは、内部をパーティションと呼ばれるエリアに分割しており、その中の1つに、OSの起動情報を持ったものが。BMRはパーティションの外に存在し、OSの起動情報が入ったパーティションを覚えていてくれるんです。

電源を入れたとき、まず最初にMBRを読み込む理由がこれ。MBRに問題が発生すると、OSを起動できなくなるためパソコンが使えなくなってしまいます。地味ですが、とても重要な存在なんです。

GPT:MBRの後継者的な存在

GPTとはGUIDパーティションテーブルの略語です。主な役割はMBRと同じ。パソコンの電源を入れたときに、1番最小に読み込まれるOS起動情報を記録した領域UEFIというBIOSに変わる制御プログラムに対応した、MBRの後継者的な存在です。

MBRとGPTの違いとは?

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MBRとGPTがどちらもOSを起動するための存在であることが分かりました。この章では、よく似た2つの違いについて見ていこうと思います。「MBRとGPTって結局なにが違うの?」という疑問から解放されましょう。

\次のページで「違いその1.サポートする対象」を解説!/

違いその1.サポートする対象

Windows製のパソコンのほとんどが、BIOSとUEFIといった2つブートモードで起動しています。MBRはBIOSという制御プログラムをサポートし、GPTはUEFIという制御プログラムをサポートしているんですね。

ブートモードとは、ざっくり言うとパソコン起動方式の種類。パソコンを起動するための方式が、2種類あるんだなあ、と思ってもらえれば大丈夫です。

違いその2.対応できる容量

MBRとGPTでは、対応できるハードディスクの容量に違いがあります。MBRでは、最大で2TBのハードディスクに対応することが可能。ではGPTはいくつまで対応可能なのか? 実はGPTには容量の制限がないんですね。そのため、容量が2TB以上のハードディスクを利用したい場合は、GPTを採用する必要があります。

違いその3.パーティション数

MBRとGPTでは、ハードディスク内に作成可能なパーティションの数に差があります。MBRの場合は、ハードディスク内に最大で4つのプライマリーパーティションの作成が可能です。GPTの場合は、ハードディスク内に作成できるプライマリーパーティションの制限がありません。OSに制限が設けられていなければ、ですが。

プライマリーパーティションとは、ハードディスクドライブに表示されている「ドライブ:C」や「ドライブ:D」のことですね。あのドライブが何個作れるのか、と思ってもらえれば大丈夫です。

違いその4.OSの互換性

MBRとGPTでは、対応しているOSの範囲に違いがあります。MBRは存在するほぼ全てのOSに互換性があるんです。それに対して、GPTは古いOSとの互換性がありません。WindowsXPなどですね。これはGPTがMBRに対して性能が劣る、ということではなく、単純に新しいことが原因です。

また、シンプルなシステムの場合、制作年に関わらずMBRが採用されていることがあります。

違いその5.構造

正直に言うと、この情報に関しては、普通に利用している分には気にする必要がない部分です。なので、ちょっとした豆知識程度に思ってください。MBRとGPTでは、その構造に大きな違いあります。MBRの場合は、マスターブートコード、パーティションテーブル、ディスクシグネチャを含む3つで構成されてるんです。GPTは構成内容が多く、以下のような内容になっています。

・保護MBR
・プライマリGUIDパーティションテーブルヘッダー
・プライマリGUIDパーティションエントリ配列
・プライマリパーティション
・バックアップGUIDパーティションエントリ配列
・バックアップGUIDパーティションテーブルヘッダ

最初に言った通り、利用するにあたってこれらを覚える必要はありません。試験を受けるというのであれば別ですが。

MBRとGPT、どちらを選べばいい?

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では、MBRとGPTどちらがおすすめなのでしょうか? 結論から言うと、自身の環境に適したものを選ぶ、というのが正解です。では、なにをもって適していると判断するのか、その点について説明していきます。基準となるポイントは主に以下の3点です。

詳細については既に説明済みのため省略しますが、ハードディスク容量が2TB以上か、必要とするパーティション数は4つ以上か、使用するOSがMBRとGPTのどちら(または両方)に対応しているか、この3点を押さえておきましょう。

・使用するハードディスクの容量
・パーティションの作成する
・使用するOS

MBRとGPTは、相互変換できる?

使用中のパーティション方式を変更する場合、MBRとGPT間で相互変換することは可能です。ただし、ファームウェアがMBRとGPT両方に対応していることが条件。対応していないファームウェアの場合、正常に動作しない可能性があるので注意しましょう。ファームウェアとは、ハードウェアを動作させるためのソフトウェアのことです。

\次のページで「MBRとGPTの違いを理解し使いこなそう」を解説!/

MBRとGPTの違いを理解し使いこなそう

MBRとGPTは、OSを起動するためのパーティション方式の種類のことです。MBRとGPTには、対応しているハードディスクの容量やOSの互換性など、さまざまな違いがありましたね。一見すると複雑で、違いが分かり難いかも知れませんが、今回説明した内容を把握していれば、MBRとGPTの違いが理解できると思います。

しっかりと違いを理解し、自身の環境にあったパーティション方式を選択しましょう。

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雑学

MBRとGPTの違いは5つある?特徴や変換方法も元システム運用ライターがわかりやすく解説

今回の記事では、MBRとGPTの違いについてみていきます。
MRBとGPTは、どちらもパソコンの電源を入れたときに、一番最初に読み込まれる領域のことです。
役割が被っていて、一見するとその違いが分からず混乱してしまう人も多いでしょう。しかし、MBRとGPTには明確な違いが存在する。
この記事では、この2つの違いと、その特徴や変換方法について、元システム運用者の塚谷と一緒に解説していきます。

ライター/ツカヤ

10年程システム運用に従事していたWebライター。映画、小説、筋トレと趣味多数を持つおじさんです。

MBRとGPTとは?

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MBRとGPTがどのようなものかご存知でしょうか?ハードディスクなどストレージの先頭セクタのことで、ブートローダやパーティションテーブルなどが記録されています。制御プログラムによってブートローダが起動されるのですが、ITに詳しくないとなかなかイメージが湧かないですよね。なのでざっくりと説明します。

MBRとGPTとは、パーティション方式の種類のことであり、パソコンに電源が入れられたとき、1番最初に読み込まれる場所のことです。

とてもざっくりとした説明になってしまいましたが、先程よりはイメージが湧いたのではないでしょうか? 以降の記事ではもう少し専門的な言葉を交えながら、出来るだけ分かりやすくMBRとGPTについて説明していきます。

MBR:パソコンの起動に必要

MBRとはマスターブートレコードの略語です。ハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)の1番先頭に存在し、OS起動に必要なプログラムや情報を記録した小さな領域のこと。BIOSを使ったパソコンの電源を入れたとき、最初に読み込まれます。

ストレージは、内部をパーティションと呼ばれるエリアに分割しており、その中の1つに、OSの起動情報を持ったものが。BMRはパーティションの外に存在し、OSの起動情報が入ったパーティションを覚えていてくれるんです。

電源を入れたとき、まず最初にMBRを読み込む理由がこれ。MBRに問題が発生すると、OSを起動できなくなるためパソコンが使えなくなってしまいます。地味ですが、とても重要な存在なんです。

GPT:MBRの後継者的な存在

GPTとはGUIDパーティションテーブルの略語です。主な役割はMBRと同じ。パソコンの電源を入れたときに、1番最小に読み込まれるOS起動情報を記録した領域UEFIというBIOSに変わる制御プログラムに対応した、MBRの後継者的な存在です。

MBRとGPTの違いとは?

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MBRとGPTがどちらもOSを起動するための存在であることが分かりました。この章では、よく似た2つの違いについて見ていこうと思います。「MBRとGPTって結局なにが違うの?」という疑問から解放されましょう。

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