
3分で分かる「ください」と「下さい 」の違い!仮名書きとひらがな表記の使い分けや表現の仕方も文学部卒ライターが詳しくわかりやすく解説
Q「下さい」と「ください」の使い分けはあるのでしょうか。
A「クダ」の部分を漢字にするか仮名書きにするかは、意味や用法によって使い分ける必要があります。
1.漢字を使う場合
「飲み物をクダさい」といった実質動詞(「くれ」の尊敬・丁寧表現)の場合は、「下さい」と漢字書きにします。
2.仮名書きにする場合
「お飲みクダさい」といった補助動詞(何かをお願いするときや、敬意を表す尊敬・丁寧表現)の場合は、「ください」と仮名書きにします。
出典:公益社団法人『日本広報協会』お役立ちナビ「広報Q&A 表記について知りたい」より引用
1.動詞「下さい」:相手から物をもらいたい場合の丁寧語
「下さい」は動詞の「下さる」の命令形。物品などを「くれ」もしくは「与えろ」を丁寧にした表現です。ニュアンスとしては、物品や何かを欲しいことを「ちょうだいしたい」と強くねだっているようにも感じられるでしょう。尊敬の意味で使われる丁寧な表現ですが、強く請求するような意味を帯びるので少し尊大な感じもしますね。
「下さい」:名詞の後に「~を下さい」と付くことが多い
「下さい」の表記をする目安としては、直前に名詞があり「(名詞)を下さい」という形で使われていることが多いです。前に来る名詞は、直接目に見えるものでもいいですし、実体のないものにも用いることもあります。
例文
・3時になったら、おやつを下さい。
・コーヒーを下さい。
・書類をこちらに下さい。
・今日中にはできそうにありません。時間を下さい。
・不明な点があったら、返事を下さい。
2.補助動詞「ください」:強く願ったり依頼したりする際に使う尊敬語

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補助動詞とは、動詞の本来の意味を失い、言葉に付属して意味を補足するように使われる言葉のこと。「ください」は「下さい」のように動詞で使われるよりも、前に付いた動詞について、相手に強く願ったり依頼したりして表現が柔らかくなるように感じられます。
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