ノーベルと聞いて思い浮かぶのはノーベル賞のノーベルでしょう。原子番号102番のノーベリウムはこのノーベルにちなんでいる。しかし、ノーベリウムという元素を知らない人も多いでしょう。また、ノーベルという名前を知っていても、何をした人物か知らな人もいるでしょう。
というわけで今回はノーベリウムについて学ぶ。解説は元素大好きな科学館職員のたかはしふみかです。
ライター/たかはし ふみか
大学時代は化学者を目指し、留学生が多く国際色豊かな研究室で教授の指導のもと有機化学を学んだ。記事執筆のお供は高校時代の化学の教科書、恩師は高校時代の化学の先生という日々仕事に役立つネタ探しに忙しい化学系科学館職員。
ノーベリウムってどんな元素?
元素と聞いて思い浮かぶものと言えば酸素(O、原子番号8)や水素(H、原子番号1)でしょう。原子番号102番のノーベリウムを最初に思い浮かべる人はあまりいないと思います。まずはノーベリウムがどんな元素か確認していきましょう。
ノーベリウム No
原子番号 102(人工放射性元素)
名前の由来 アルフレッド・ノーベル
原子量 259
発見 1958年(アメリカ、シーボーグ
常温での形状 固体の金属
1957年にスウェーデンの首都、ストックホルムのノーベル物理学研究所が最初の発見報告を行った元素102。しかし追実験がうまくできず、別の元素という可能性があったのです。それでもその後発見された102番の元素には、スウェーデンで名付けられたノーベリウムはそのまま名付けられました。1959年、アメリカの研究者シーボーグが質量数246のキュリウム(246Cm)に質量数12の炭素(12C)をあてることで質量数254のノーベリウム(254No)の合成に成功しました。254Noは半減期55秒と大変不安定な元素です。
その後、ノーベリウムの生成が行われ、17種類の同位体が合成されています。最も安定している259Noでも半減期が58分と短く不安定で、化学的性質は不明なことがまだまだ多い元素です。
同じく元素名になった科学者についてはこちらで。
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