今回のテーマはしらすについてです。しらすに下処理は必要なのか、保存はどうすればいいのか気になる人も多いんじゃないか?結論から言うと、しらすは下処理なしで、冷凍保存もできる便利な食材です。和風から洋風までどんな料理にも合ううえに、乳幼児から高齢の方まで食べやすいため、常備しておくと料理のレパートリーも増えるでしょう。
この記事では、しらすの下処理や保存方法、さらに美味しい食べ方まで現役管理栄養士のみまつと一緒に解説します。

ライター/みまつ

現役管理栄養士。給食調理会社で責任者経験を積み、現在は福祉施設で栄養管理に関わっている。食べ物エッセイや雑学が大好きで、新しい食材はすぐに試したくなる。しらすは1kgまとめ買いして冷凍保存派。食べ盛りの子ども5人を育てるママライター。

しらすの下処理方法は?

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しらすはスーパーの鮮魚コーナーにパック詰めされたものが売っています。釜揚げしらすやしらす干し、ちりめんじゃこなど、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。また、しらす漁の地元や通販などでは新鮮な生しらすを購入することもできます。しらすを使う時にはどのような下処理が必要なのかをみていきましょう。

しらすは下処理なしでそのまま食べられる

しらすは購入後パックをあけたらそのまま食べられます。現在はオートメーション化された清潔で安全な環境でしらすの加工が行われているため、新鮮なしらすの流通が可能になりました。そういった努力のもとに、しらすを原因とする食中毒は過去数年に渡り報告されていません。

とはいえ、海産物には腸炎ビブリオという細菌性食中毒や大複殖門条虫という寄生虫のリスクが0ではありません。また、すべての食材は、衛生的に扱わなければノロウイルスに汚染されてしまう可能性もあります。

調理の際には衛生管理を徹底しましょう。特に、生しらすは新鮮なうちに食べることが重要。免疫が低下している状態や小さな子どもなどはしらすの種類に関わらず生食を避け、火を通したほうが安全です。

塩分が気になる時や離乳食にはサッと湯通し

しらすは基本的に下処理なしで食べられますが、場合によっては湯通しという処理が必要です。

しらす干し100gの食塩相当量は4.2g。しらす丼1食あたりでも約1g以上の塩分を摂ることになります。1日の塩分摂取量の基準は男性7.5g未満、女性6.5g未満なので、離乳食に使う場合や塩分の気になる方は、しらすを器に入れて熱湯を注ぎ2、3分おいて塩抜きしてください。

しらすの美味しい食べ方5選

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しらすはごはんのお供からお酒のおつまみまで、オールマイティに活躍する食材です。グルタミン酸やイノシン酸といった旨味成分が含まれているうえに適度に塩気があるため、どんな料理とも相性よし。ここでは、しらすの美味しい食べ方5選を紹介します。

\次のページで「1.まずはそのまましらす丼で」を解説!/

1.まずはそのまましらす丼で

温かいごはんに新鮮なしらす。シンプルゆえに王道ですよね。特に釜揚げしらすで作るしらす丼はふっくらとした食感と旨味を味わえる、おすすめの食べ方です。ネギや大葉、みょうがなどの薬味をたっぷり乗せると、ビタミンや食物繊維も補えます。

いつものしらす丼に飽きた時には、しらすバター丼を試してみては。しらすの旨味にバターのコクがプラスされ、禁断の味が楽しめます。

2.いつもの料理に1つまみ加えて 

サラダや冷ややっこ、和え物などにしらすをササッとプラスするのも簡単でおすすめ。そのままでももちろん美味しいですが、しらすに含まれるビタミンDは油に溶けやすいため、油と合わせると吸収率がアップします。ごま油でカリカリに炒めたしらすを生野菜にかければ、主役級のごちそうサラダに。

しらすは旨味が強いため、炒め物や卵焼きなどいつもの料理にアクセントとして少し加えるだけで料理が美味しくなります。適度が塩気があるため、調味料は控えめにするのがポイントです。

3.酸味を加えてカルシウムの吸収率アップ

しらすに含まれるカルシウムは、お酢やビタミンCと一緒に摂ると吸収率がアップします。酸味を加えるとさっぱりとした味わいながら栄養価も高い一品に。特に女性はライフステージによって骨が弱くなることがあります。わかめの酢の物にしらすを加えたり、カルパッチョにしたりと、しらすを食べる時には酸味と組み合わせることを意識してみては。

食べなれたしらすおろしも、レモン果汁を少し加えるとしらすの生臭みを気にせずおいしく食べられますよ。

\次のページで「4.パスタやアヒージョ、洋風料理にも万能」を解説!/

4.パスタやアヒージョ、洋風料理にも万能

しらすは洋風料理にも違和感なくマッチする食材です。オリーブオイルとにんにくは定番の組み合わせですが、そこにしらすの塩気と旨味が加われば、最強のメニューが誕生します。しらすのペペロンチーノアヒージョ洋風オムレツなどはお洒落でパーティー映えすること間違いなし。しらす&ワインのマリアージュを楽しんでみてください。

5.チーズとの相性良し!しらすトーストやしらすピザ

しらすとチーズの組み合わせは、適度な塩気とまろやかなコクでやみつきになること間違いなし。食パンにしらすと溶けるチーズを乗せて焼くだけのしらすトーストは、カルシウムがたっぷり摂れる栄養満点の朝食メニューです。お好みでマヨネーズや青のりをプラスしても美味しく食べられます。我が家ではしらすピザしらすリゾットも子どもに人気の食べ方です。

\次のページで「しらすの保存方法は?」を解説!/

しらすの保存方法は?

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しらすは内臓ごと加工されており、傷みやすい食材です。釜揚げしらすやしらす干しなど、種類ごとに賞味期限が違うため、適切に保存し、美味しいうちに食べきることをおすすめします。しらすの種類別に、賞味期限や保存方法についてみていきましょう。

冷蔵保存は1~5日

購入したしらすやちりめんじゃこは、冷蔵庫で保存しましょう。加工の度合いによって保存期間が異なります。

生しらす…購入後、当日中に食べきりましょう。刺身と同じく生の状態のうえ、内臓も入っているので鮮度が落ちやすいです。傷んでくると苦味も出て、食中毒の危険もあります。
釜揚げしらす…賞味期限は加工後1~2日。水分量が多いため傷みやすいです。
しらす干し…賞味期限は加工後5日間程度。
ちりめんじゃこ…賞味期限は加工後2週間程度。水分量が少なく、塩分も高いため日持ちします。

冷凍で約1ヵ月保存可能

しらすは冷凍保存が可能です。すぐに食べきれない分は、冷凍保存がおすすめ。

保存用袋に入れ、空気を抜いて薄く伸ばし、しっかり密封しましょう。解凍は冷蔵庫で自然解凍でOKです。汁ものなどには冷凍のままパラパラ使えて便利ですよ。ちりめんじゃこも同様に冷凍可能です。冷凍保存の場合には、1ヵ月程度を目安に使い切りましょう。

ふるさと納税などでは真空パックの生しらすや、1kg、2kgといった大量の釜揚げしらすなども取り扱っています。それらの賞味期限には「冷凍120日」「冷凍3ヵ月」などと説明されているものもありますが、いずれも-18℃での条件下での期限ですので、家庭用の冷凍庫で保存する場合には早めに食べきると良いでしょう。

佃煮にすれば日持ちアップ

しらすやちりめんじゃこは、醤油やみりんを使って佃煮風にすると日持ちのする常備菜になります。山椒の実やゆずの皮などを入れると風味もよく、ごはんのお供やお酒のおつまみにピッタリ。賞味期限は、清潔な容器に入れて1週間程度です。

しらすを常備して、いつもの料理をワンランクアップさせよう

しらすは魚をまるごと加工しているため痛みやすいですが、冷凍保存が可能で常備しやすく便利に使えます。少量でも風味があり、献立のマンネリ化を解消できる万能食材です。カルシウムやビタミンDなど、身体によい栄養素も豊富に含まれているしらす。下処理なしで骨も気にならず、魚が苦手な方でも食べやすいので、ぜひ献立に取り入れてみてください。

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家庭科

しらすの美味しい食べ方5選!下処理や保存方法も現役管理栄養士がわかりやすく解説

今回のテーマはしらすについてです。しらすに下処理は必要なのか、保存はどうすればいいのか気になる人も多いんじゃないか?結論から言うと、しらすは下処理なしで、冷凍保存もできる便利な食材です。和風から洋風までどんな料理にも合ううえに、乳幼児から高齢の方まで食べやすいため、常備しておくと料理のレパートリーも増えるでしょう。
この記事では、しらすの下処理や保存方法、さらに美味しい食べ方まで現役管理栄養士のみまつと一緒に解説します。

ライター/みまつ

現役管理栄養士。給食調理会社で責任者経験を積み、現在は福祉施設で栄養管理に関わっている。食べ物エッセイや雑学が大好きで、新しい食材はすぐに試したくなる。しらすは1kgまとめ買いして冷凍保存派。食べ盛りの子ども5人を育てるママライター。

しらすの下処理方法は?

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しらすはスーパーの鮮魚コーナーにパック詰めされたものが売っています。釜揚げしらすやしらす干し、ちりめんじゃこなど、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。また、しらす漁の地元や通販などでは新鮮な生しらすを購入することもできます。しらすを使う時にはどのような下処理が必要なのかをみていきましょう。

しらすは下処理なしでそのまま食べられる

しらすは購入後パックをあけたらそのまま食べられます。現在はオートメーション化された清潔で安全な環境でしらすの加工が行われているため、新鮮なしらすの流通が可能になりました。そういった努力のもとに、しらすを原因とする食中毒は過去数年に渡り報告されていません。

とはいえ、海産物には腸炎ビブリオという細菌性食中毒や大複殖門条虫という寄生虫のリスクが0ではありません。また、すべての食材は、衛生的に扱わなければノロウイルスに汚染されてしまう可能性もあります。

調理の際には衛生管理を徹底しましょう。特に、生しらすは新鮮なうちに食べることが重要。免疫が低下している状態や小さな子どもなどはしらすの種類に関わらず生食を避け、火を通したほうが安全です。

塩分が気になる時や離乳食にはサッと湯通し

しらすは基本的に下処理なしで食べられますが、場合によっては湯通しという処理が必要です。

しらす干し100gの食塩相当量は4.2g。しらす丼1食あたりでも約1g以上の塩分を摂ることになります。1日の塩分摂取量の基準は男性7.5g未満、女性6.5g未満なので、離乳食に使う場合や塩分の気になる方は、しらすを器に入れて熱湯を注ぎ2、3分おいて塩抜きしてください。

しらすの美味しい食べ方5選

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しらすはごはんのお供からお酒のおつまみまで、オールマイティに活躍する食材です。グルタミン酸やイノシン酸といった旨味成分が含まれているうえに適度に塩気があるため、どんな料理とも相性よし。ここでは、しらすの美味しい食べ方5選を紹介します。

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