この記事では茶道の裏千家と表千家の違いについてみていきます。
2つとも茶道の流派なのですが、聞いたことはあってもどんなものかなかなかイメージしづらいよな。茶道には500以上の流派があると言われていて、その中でも裏千家と表千家は代表的な流派として知られているんです。
今回は、そんな裏千家と表千家の歴史や作法の違いを茶道経験者の主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。茶道を習っていた経験を生かして、違いをわかりやすく解説していく。

表千家と裏千家とは?

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日本の伝統文化である「茶道」。一口に茶道といってもたくさんの流派があるのをご存じでしょうか。その中でも、裏千家(うらせんけ)と表千家(おもてせんけ)、それに武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)を合わせた3つの流派は「三千家」と呼ばれ、茶道の代表的な流派として知られています。まずは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

裏千家:時代に即した茶道

裏千家は、時代に合わせて柔軟に変化するのが特徴の流派です。一般の人々や海外からの来訪者も受け入れやすいような形に変化しています。

また、裏千家は出版物の刊行や学校教育への導入など、茶道の普及にも力を入れてきました。最も人口が多く、学校の部活動などでも取り入れられている流派なので、経験したことがあるという人も多いのではないでしょうか。

表千家:伝統を重んじる茶道

表千家は、伝統を重んじ古くからの作法を忠実に守っているのが特徴の流派です。「わび」「さび」の心を大切にしており、そのため道具や作法も質素なものとなっています。表千家の人口は裏千家の約半分と言われており、裏千家と比べると触れる機会は少ないかもしれません。

武者小路千家って何?

武者小路千家は、裏千家・表千家と合わせて「三千家」と呼ばれる、茶道の代表的な流派の一つです。一翁宗守(いちおうそうしゅ)が茶室「官休庵(かんきゅうあん)」を開いたことから始まりました。官休庵が京都市上京区武者小路通にあったことが、武者小路千家の名前の由来。

無駄のない合理的な所作を重視し、茶室も他の流派と比べると簡素であることが特徴です。

\次のページで「裏千家と表千家の歴史」を解説!/

裏千家と表千家の歴史

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三千家はいずれも茶道を大成した千利休(せんのりきゅう)を祖とする茶道の家元です。江戸時代初期に、千利休の孫である千宗旦(せんのそうたん)の3人の息子たちによって三千家は成立しました。この3人がどのようにして茶道流派を打ち立てていったのか、三千家の歴史を詳しく見ていきましょう。

裏千家の歴史

宗旦は、隠居するときに本家の裏に今日庵(こんにちあん)という茶室を建てました。のちに、今日庵を四男宗室(そうしつ)が受け継いだのが、裏千家の始まりです。今日庵が本家屋敷の裏に位置していたことから、「裏千家」という通称が生まれたと言われています。

裏千家はその後も茶道の普及に力を入れ、最大の人口をもつ流派に成長しました。

表千家の歴史

宗旦が三男宗左(そうさ)に千家の屋敷と茶室不審庵(ふしんあん)を継がせたことから表千家は始まりました。つまり、千家の直系を継いでいるのが表千家ということですね。

宗左以降、表千家は千家の本流として将軍徳川家から格別の待遇を受けていました。しかし、徳川幕府の終わりとともに徳川家の庇護はなくなってしまいます。さらに、人々の茶道への興味も薄れていき、表千家は衰退。そんな状況の中でも、全国各地での茶の湯活動を積極的に行うなどして徐々に活力を取り戻し、現在も伝統的な茶道を守り続けています。

裏千家と表千家の違い

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裏千家と表千家の違いは作法や道具にも表れています。では、具体的にどこが違うのか詳しく見ていきましょう。(※先生によって異なることもあります。)

その1.お茶の点て方

薄茶の点て方について見ていきましょう。

裏千家の薄茶は、しっかりと泡立ててふんわりしているのが特徴。お茶を点てるときには、泡がたくさん出るように茶筅(ちゃせん)を素早く振り動かす点て方です。よく泡立てることによって、お茶がまろやかで飲みやすくなります。

表千家の薄茶は、あまり泡を立てないことが特徴。茶筅を緩やかに動かし、泡のない部分が残す点て方です。あまり泡立てないため、抹茶本来の味を強く感じられます。

その2.所作

所作については細かな違いが多くあるので、わかりやすいものをいくつか紹介します。

茶道では、歩き方にまで決まりがあるのを知っていますか。裏千家は右足から茶室に入り、一畳を5歩で歩きます。一方、表千家は左足から入り、一畳を6歩で歩くのが決まりです。

次に、お辞儀の仕方について見ていきましょう。裏千家は、場合によって3種類のお辞儀の仕方、真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)を使い分けます。ちなみに、お辞儀が深い順に真→行→草。真が一番深くお腹が膝にくっつくくらいのお辞儀、草は手をついて軽く頭を下げる程度のお辞儀です。一方、表千家では八の字に両手をついて、30度くらいの角度でお辞儀をします。このときの両手の間隔は、男性は20cm、女性は7~8cmほど。

\次のページで「その3.茶道具」を解説!/

その3.茶道具

茶道は使われる道具も特徴的ですよね。茶道具にもそれぞれの特徴が表れています。大まかにいうと、裏千家は華やかなものを好むのに対して、表千家はシンプルなものを使うイメージです。

まずは、帛紗(ふくさ)の色。帛紗といえば、一般的にはご祝儀袋や香典袋を包むことが多いですよね。茶道においては、茶器の塵を払ったり茶碗を受けたりするのに使われています。裏千家では基本的に男性が紫色、女性が赤色。一方、表千家では男性が紫色、女性は朱色とされています。

また、茶筅の材質や菓子を入れる菓子器のフタの有無など、細かなところにも違いがあるんですよ。

茶道を始めたい!どっちがおすすめ?

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結論から言うと、自分がどういう茶道をやりたいかを考えて流派を選ぶのがおすすめです。

裏千家も表千家も元をたどれば一つの家。決して敵対しているということもなく、どの流派であってもお客様を心をこめてもてなすということを大切にしている点は変わりません。ただ、茶道の世界では途中で流派を変えるのはタブー。先生によってもそれぞれ違った雰囲気があるので、体験などがあれば行ってみるのも良いですよ。

裏千家と表千家は流派が違う

裏千家と表千家は宗旦の息子たちによって始まった流派です。スタンスや作法には違いがありますが、どの流派も日本の伝統文化である「茶の湯」を守るために、現在まで力を尽くしてきました。茶道は「難しそう…」というイメージもあるかもしれませんが、実際にやってみると奥が深くて楽しいですよ!

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3分でわかる裏千家と表千家の違い!初心者にはどっちがおすすめ?歴史や作法も主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では茶道の裏千家と表千家の違いについてみていきます。
2つとも茶道の流派なのですが、聞いたことはあってもどんなものかなかなかイメージしづらいよな。茶道には500以上の流派があると言われていて、その中でも裏千家と表千家は代表的な流派として知られているんです。
今回は、そんな裏千家と表千家の歴史や作法の違いを茶道経験者の主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。茶道を習っていた経験を生かして、違いをわかりやすく解説していく。

表千家と裏千家とは?

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日本の伝統文化である「茶道」。一口に茶道といってもたくさんの流派があるのをご存じでしょうか。その中でも、裏千家(うらせんけ)と表千家(おもてせんけ)、それに武者小路千家(むしゃのこうじせんけ)を合わせた3つの流派は「三千家」と呼ばれ、茶道の代表的な流派として知られています。まずは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

裏千家:時代に即した茶道

裏千家は、時代に合わせて柔軟に変化するのが特徴の流派です。一般の人々や海外からの来訪者も受け入れやすいような形に変化しています。

また、裏千家は出版物の刊行や学校教育への導入など、茶道の普及にも力を入れてきました。最も人口が多く、学校の部活動などでも取り入れられている流派なので、経験したことがあるという人も多いのではないでしょうか。

表千家:伝統を重んじる茶道

表千家は、伝統を重んじ古くからの作法を忠実に守っているのが特徴の流派です。「わび」「さび」の心を大切にしており、そのため道具や作法も質素なものとなっています。表千家の人口は裏千家の約半分と言われており、裏千家と比べると触れる機会は少ないかもしれません。

武者小路千家って何?

武者小路千家は、裏千家・表千家と合わせて「三千家」と呼ばれる、茶道の代表的な流派の一つです。一翁宗守(いちおうそうしゅ)が茶室「官休庵(かんきゅうあん)」を開いたことから始まりました。官休庵が京都市上京区武者小路通にあったことが、武者小路千家の名前の由来。

無駄のない合理的な所作を重視し、茶室も他の流派と比べると簡素であることが特徴です。

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