今回の記事では履くと穿くの違いについてみていきます。スカートやパンツなどの衣服や肌着、靴や靴下などを身につける時に「はく」と使うのですが、履くと穿くの使い分けについては少しわかりにくく戸惑ってしまうこともあるかもしれない。ひらがなで使っている人も多いのではないかな。こちらの記事は漢字の使い分けの仕方について、意味を確認しながら文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

ジーンズにサンダルで出かけようとした時、どちらの「はく」を使ったらよいのか疑問に思ったライター。

「履く」と「穿く」は足の部分に関係した言葉

「履く」と「穿く」は、足元に近い部分や足全体に、ボトムスに着用したり、肌着や靴などを身につけたりする際に使うイメージがありますね。具体的な違いが分かりにくく、両者を混同していたり、自分が使いやすいほうを使い続けたりしている方も見られます。

「履く」の基礎知識:「履」の字義とは?

image by iStockphoto

「履」という字を使った熟語といえば、「履歴書」を目にしたことがあるでしょう。この場合の「履」は、(着実に踏みしめるように)実行するということ。自分が着実に行ってきたことを記入している書類といった意味で使われますね。

「履」は「踏みしめるように」といったところから歩くことが連想でき、靴に関係した言葉としてイメージしやすいのではないでしょうか。今ではあまり読まれませんが、「履」は貴族の装束などのくつを表したこともあったようです。

「履」:音読み「リ」・訓読み「は-く」「くつ」「ふ-む」

1.一歩一歩踏みしめる。着実に行う「履行・履修・履践・履歴」
2.はきもの。くつ。「草履・幣履・木履」

出典:goo辞典「履」の解説 小学館 大辞泉

\次のページで「履く:足に装着する場合に使う」を解説!/

履く:足に装着する場合に使う

「履く」を使う場合は靴やサンダル、下駄やスリッパや上履きなど直接足に装着するものに使うと考えるとよいでしょう。

例文
・靴を履いて出かける。
・お客様が履くスリッパを用意しておく。
・浴衣に下駄を履いた。
・冠婚葬祭用に履く、黒いミドルヒールのパンプスを購入した。
・真新しいビジネスシューズを履く新入社員。
・寒くなってきたので、ボア付きのブーツを履いた。

「穿く」の基礎知識:「穿」の字義とは?

image by iStockphoto

「穿」という字は「はく」と訓読みする以外に、「うがつ」や「ほじくる」などとも読むとのこと。穴を開けるといった意味です。また、「つらぬく」という読みもあります。下半身の部分に衣服や肌着などを着用する際に、足を「つらぬいて着る」といった意味で使えそうですね。

\次のページで「穿く:足に通して身につける場合に使う」を解説!/

「穿」の解説:音読み「セン」・訓読み「う-がつ・ほ-じる・ほじく-る・は-く・つらぬ-く」

1.うがつ。ほる。ほじる。ほじくる。穴をあける。「穿孔」「穿鑿(センサク)」
2.はく。下半身に衣類をつける。
3.つらぬく。「貫穿」

出典:goo辞書「日本漢字能力検定協会 漢字ペディア」

穿く:足に通して身につける場合に使う

「穿く」を使う場合は、スカートやパンツやジーンズなどのボトムス、レギンスやストッキングやタイツなどの女性用の衣類などに。下半身の衣類などを足を通して身につける時に使います

例文
・試着室でスカートを穿いてみた。
・スーツのズボンの丈を詰めた後で、実際に穿いて確認をした。
・スカートの下にトレンカを穿いて出かけた。
・小さな子供たちがおそろいのジーンズを穿いている。
・穿いたばかりのストッキングが伝線してしまった。

例外:「履く」も「穿く」も使えるケース

image by iStockphoto

辞書によっても使い方にゆらぎがありますが、「履く」「穿く」が両方とも使えるケースがあるのです。「履く」に含めるとする考え方もあり、言葉の使い方は時代を経るにつれ変わることもあり、今後も注意して見ていく必要があるでしょう。こちらの記事では両方使えるということを前提にしています。

\次のページで「ソックスや膝下丈のストッキングなど」を解説!/

ソックスや膝下丈のストッキングなど

ソックスや膝下丈のストッキングなどについては、足にそのまま身につけられることから「履く」で良さそうです。しかし、口が開いていて足を貫くように入れるところから「穿く」を使うのも理にかなっているという考え方も。例えば、「靴下を履く/穿く」「膝丈のストッキングを履く/穿く」「足袋を履く/穿く」といったように使うこともできますね。

どちらを使うか迷ったら「履く」を使うのがおすすめ

もし、どちらも使えるケースで迷っているのであれば「履くと表記することをおすすめします。なぜなら「履」は常用漢字で日常で使うように決められた一般的な漢字だからです。一方、「穿」は人名用漢字。常用漢字以外に人の名前に使えるように定められた漢字で、あまり見かける機会はないかもしれません。

履くと穿くの違い;足に付けるか足に通して身につけるかによる

「履く」は足に直接つける時に使われ、「穿く」は足を通して着用する時に使うという違いが見られます。例外的にソックスなどについては両方の字が使えますが、常用漢字の「履く」を使うほうが無難でしょう。

" /> 3分で分かる履くと穿くの違い!スカートやパンツは?靴やジーンズは?どちらも使えるものも含めて文学部卒ライターが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分で分かる履くと穿くの違い!スカートやパンツは?靴やジーンズは?どちらも使えるものも含めて文学部卒ライターが詳しくわかりやすく解説

今回の記事では履くと穿くの違いについてみていきます。スカートやパンツなどの衣服や肌着、靴や靴下などを身につける時に「はく」と使うのですが、履くと穿くの使い分けについては少しわかりにくく戸惑ってしまうこともあるかもしれない。ひらがなで使っている人も多いのではないかな。こちらの記事は漢字の使い分けの仕方について、意味を確認しながら文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

ジーンズにサンダルで出かけようとした時、どちらの「はく」を使ったらよいのか疑問に思ったライター。

「履く」と「穿く」は足の部分に関係した言葉

「履く」と「穿く」は、足元に近い部分や足全体に、ボトムスに着用したり、肌着や靴などを身につけたりする際に使うイメージがありますね。具体的な違いが分かりにくく、両者を混同していたり、自分が使いやすいほうを使い続けたりしている方も見られます。

「履く」の基礎知識:「履」の字義とは?

image by iStockphoto

「履」という字を使った熟語といえば、「履歴書」を目にしたことがあるでしょう。この場合の「履」は、(着実に踏みしめるように)実行するということ。自分が着実に行ってきたことを記入している書類といった意味で使われますね。

「履」は「踏みしめるように」といったところから歩くことが連想でき、靴に関係した言葉としてイメージしやすいのではないでしょうか。今ではあまり読まれませんが、「履」は貴族の装束などのくつを表したこともあったようです。

「履」:音読み「リ」・訓読み「は-く」「くつ」「ふ-む」

1.一歩一歩踏みしめる。着実に行う「履行・履修・履践・履歴」
2.はきもの。くつ。「草履・幣履・木履」

出典:goo辞典「履」の解説 小学館 大辞泉

\次のページで「履く:足に装着する場合に使う」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: