BSDとLinuxの違いとは?UNIXの後継?特徴やライセンスもプログラマーがわかりやすく解説
パソコンに新たなOSの選択肢を!
パソコンのOSと言って思い浮かぶのはWindowsやmacOSですよね。しかしUNIX系OSのBSDやLinuxもパソコンで使うことができます。BSDの場合はNetBSDやFreeBSDなどの公式サイトから、Linuxではそれぞれのディストリビューションの公式サイトからダウンロードしてインストールできます。
なぜWindowsなどではダメなのでしょう。普段使うWebアプリやサービスはUNIX系OSで動かすことが多いと説明しましたよね。それらをつくるのもUNIX系OSでつくることが多いです。そのためプログラマーにはパソコンでもUNIX系OSを使うことが多くなります。また、普段はパソコンを買うとOSがついてくるので意識しないですがOSも有料です。少しでも安くするためにフリーであるUNIX系OSを使うこともあります。パソコンでも色々な選択肢が増えるのは良いことですよね。
プロ向けのBSD、初心者向けのLinux
選択肢が増えることはうれしい反面、どれを選んだらよいか困りますよね。もしパソコンでBSDやLinuxを使いたくなった場合、どちらを選択すればよいでしょう。ざっくり言えば初心者はLinuxがおすすめです。〇〇BSDはややプロ向け、通好みになります。
なぜLinuxが初心者向けかと言うと競争と情報の多さです。Linuxディストリビューションの数は〇〇BSDより多いほど。これらが切磋琢磨しているため使いやすさもどんどん進化しています。2000年以前はインストールするのにも、実用できるまでにも様々な作業も必要でした。しかし2020年代には特に知識がなくてもインストールでき、必要なソフトも一通り最初から揃っています。以下が主要なディストリビューションです。
・Debian GNU/Linux ※初期から存在して人気が高い
・Ubuntu ※人気が高い
・Linux Mint
・RedHat Enterprise Linux ※業務用に使われている有償Linuxディストリビューション
・CentOS ※RedHatを元に無償で利用可能、開発停止
・Rocky Linux ※CentOSの開発者が新たに作成
・AlmaLinux ※CentOSの後継を目指しているディストリビューション
・Amazon Linux 2 ※アマゾンのクラウドサービスで利用できる
・Slackware ※Linux登場時に人気だったディストリビューション
自由なLinux、管理されているBSD
Linuxの方が普及しているためBSDはもう不要なのでしょうか。BSDにはよい点もあります。Linuxはカーネルやディストリビューションの開発が自由です。そのため選択肢も多いですが、それらがどう違うのか確認するのも大変。また、まずは動くことを優先するので、BSDに比べるとセキュリティの問題が出ることもあるのです。一方、BSDはいくつかのグループに分かれていますが、それぞれが細かい点も管理しています。そのためセキュリティの問題がLinuxより少ないのが特徴です。
情報が多く、様々なディストリビューションが競争しているLinuxか、競争が少なく情報も比較的少ないがしっかり管理されているBSDか。目的に応じて選ぶことが必要です。
自由なOSを求めて生まれたBSDとLinux、Linuxが主流に
パソコンより強力なコンピュータで広く使われているのがUNIX系OSです。そのルーツはAT&Tベル研究所のUNIX。公開されており自由に改良できます。そのため広がったのですが問題になったのがライセンスです。使うには高額のライセンス料が必要になります。そのためUNIXのAT&Tのコードを除いてつくったのがBSDです。
しかし、そのBSDも訴えられたため0からつくったのがLinux。BSDが訴訟問題で作業中断したため一気に広がったのです。その結果、今では元々UNIX系が動いていたコンピュータ以外にもパソコンにも広がります。また、スマホのAndroidOSもLinuxがベースです。今では様々な分野でLinuxが使われています。

