BSDとLinuxの違いとは?UNIXの後継?特徴やライセンスもプログラマーがわかりやすく解説
すべてはUNIXから!後継のBSDと、作り直したLinux
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BSDもLInuxもUNIX系OSです。これはどちらもUNIXを参考にしているため。ただ、この2つには大きな違いがあります。BSDはUNIXそのものから生まれたものであるのに対して、LinuxはUNIXを参考にして0からつくったのです。いわばUNIXの子孫がBSDなのに対して、Linuxは似ているが他人ということになります。
その違いがなぜ生まれたのか、UNIXがどんなものかというところから見ていきましょう。
現代のOSの多くが手本にしたUNIX
UNIX(ユニックス)は1969年にアメリカのAT&Tベル研究所でつくったOSです。UNIXは有償ですが、そのソースプログラムは公開されます。そのため、ベル研究所以外にも多くの組織、団体、会社がUNIXをベースにしたOSをつくったのです。ベル研究所のUNIX以外のこれらの派生OSも含めてUNIXと呼ばれます。さらに、BSDやLinuxなどのUNIXを元にしたOSもUNIX系OSと呼ばれたのです。
パソコンではWindowsやmacOSを使う人が多いかと思います。一方、会社内やネットで提供されるWebアプリやサービスで使うコンピュータにはUNIX系OSが使われることが多いです。これらのコンピュータをサーバー・コンピュータ、そこで動くOSをサーバーOSと呼びます。サーバーOSとしてUNIX系OS、そしてBSDやLinuxが広く使われているのです。
UNIXとライセンス問題、そしてBSDが生まれた
UNIXはソースコードが公開され、改良することもできます。様々な団体、会社が独自のUNIXをつくりますが、その1つがBSD UNIXです。ただ、UNIXを使うにはAT&Tにライセンス料金を支払う必要があります。BSD UNIXもBSDがつくった部分は無償で使えますが、AT&Tがつくった部分はライセンスが必要です。そこでBSDはAT&Tのラインセスが不要な新しいBSD UNIXをつくります。
この新しいBSD UNIXをパソコンで動くようにしたのが最初に紹介した386BSDです。ここからOpenBSDやFreeBSDといった〇〇BSDが登場し、フリーなUNIX系OSとして普及します。
自由を求めて!ライセンス問題が生んだLinux
この新しいBSDですが、残念なことに本家UNIXから訴えられてしまいます。その結果、〇〇BSDも作業が中断。それでは利用者も安心して使えませんよね。そこで登場したのがLinuxです。実はリーナスは自分でOSをつくろうとは考えていませんでした。386BSDが入手困難になったのでLinuxを作ったと後で語っています。無ければつくってしまおうということですね。
ライセンス問題に起因する訴訟は1992年から2011年まで続きます。その間にLinuxはフリーのUNIX系OSとして広く広がったのです。結果としてサーバーOSとしては〇〇BSDよりもLinuxが使われています。
パソコンで使うBSDとLinux
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元々パソコンではWIndowsやmacOSがついてくることが多いですよね。これらもUNIXを参考にしている部分が多いです。しかし本物のUNIXを使いたいというユーザーもいました。ただUNIXが動くコンピュータはパソコンよりも高価です。そのためパソコンで動くUNIXが登場します。
最後にパソコンで使う場合のBSDやLinuxの特徴や違いを見ていきましょう。
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