あらためて考えてみると、「あ!これはじゃがいもの料理です」「お!これにもじゃがいもが入っているじゃないか」と、いつも当たり前のように食べているから気が付かなかったけれど、俺たちの生活の中でじゃがいもが出てくる頻度は結構多いんじゃないか?実際どのようなメニューに使われているのか、さらに上手な下処理方法や保存方法を主婦歴26年の元管理栄養士mimikaと一緒に解説していきます。

ライター/mimika

主婦歴26年の元管理栄養士。趣味は家庭菜園。新鮮野菜やハーブの素材を生かした調理が好き。「食べるもので体は作られる」という思いから、家族の健康を思い食材の持つエネルギーを生かした料理をモットーにしている。これらの経験を生かして、食にまつわる様々な知識や疑問を,わかりやすく紹介・解説していく。

芋好きな筆者は、濃厚さがプレミアムな「キタアカリ」を、自己流の「皮ごとゴロゴロポテトサラダ」にアレンジするのが現在のお気に入り。

じゃがいもの下処理のコツは?

image by iStockphoto

じゃがいもは下処理の方法によって料理の仕上がりに違いができます。作ろうとしているお料理の出来上がりを想像したりすると、どのような方法が合っているのかわかるヒントにもなります。ここで解説している方法は基本なので参考にしてみてください。なお、下記「1.芽をとる」はどのような場合も必要です。

1.芽をとる

芽の部分と緑色になった皮の部分には、ソラニンやチャコニンという天然毒素の一種が含まれるので、緑色になった皮は厚めにむき、芽の部分もしっかり取り除いてから調理に使いましょう。正しく処理しないと吐き気を催したり嘔吐したり、重症になると神経症状や視覚障害などの食中毒を起こしてしまうおそれがあるので注意が必要です。

芽を取るときは、包丁の刃元(刃の下端の角の部分)で、芽とその周辺をえぐり取ったり、芽を取る部分のある皮むき器などを利用してきちんとすべてを取り除きます。

2.水にさらす

煮物や炒め物など煮崩れしないように仕上げたい料理は、切り口が空気にふれるとだんだん褐色になっていくのを防ぐため、切ったらすぐに5分ほど水にさらします。ただ、長くさらすしすぎると、でんぷんが流れ出ておいしさが半減してしうので、気をつけましょう。また、ガレットのようにじゃがいも同士をくっつけて焼くレシピの時は、でんぷん質が残るようにあえて水にさらさず使います。

3.茹でる·蒸す

皮つきのまま茹でる場合は、皮をよく洗って表面の土をとり、水から茹でます。じゃがいもに竹串を刺して、スッと通るくらいの茹で加減が最適で、茹でムラを避けるため、途中で上下をひっくり返すのがポイント。また、新じゃがもこのように、皮つきのままタワシなどでよく洗ってから、丸ごと茹でましょう。

レンジで下処理もできる?

じゃがいもは電子レンジで下処理をすることもできます。レンジで蒸すと栄養を損なうことなく時短になるので、コツを覚えていろいろな献立に役立ててください。方法としては、まるごと一個のまま加熱する方法と、調理の目的に合わせて切ったものを加熱する方法がありますが、たくさんの量を一度に加熱しようとすると、加熱ムラができてしまいおいしくできないので、それぞれ2~3個までのじゃが芋を下処理する場合に活用しましょう。

加熱の時間は、こぶし一つ程度の(150g程度)大きさで、600wー3~5分、500wー3分半~6分が目安ですが、じゃが芋の状態によって異なるので、まずは少なめに加熱してみて、竹串がスッと通ったり、表面がホクホクした感じになるまで少しずつ追加してみてください。さらに、ラップをしたまま3分ほど置いておくと、余熱で中まで均一に加熱されホクホクのじゃがいものが出来上がります。

\次のページで「1.まるごと加熱する際のコツとおすすめ料理 」を解説!/

1.まるごと加熱する際のコツとおすすめ料理

「じゃがいもの下処理のコツ1.」までしたじゃがいもを、サッと水でぬらし、一つずつふんわりとラップに包んで電子レンジで加熱します。ここで大切なことは加熱も一個ずつすること。量が増えると加熱ムラができてしまい上手にできません。

皮をむく場合は、少し冷めてからキッチンペーパーやふきんなどを使うとツルッとむけて、生のじゃがいもの皮を包丁でむくより簡単で早いですよ。皮付きのまま十字に入れた切れ目にバターを乗せた「じゃがバター」や、つぶして「マッシュポテト」を作ったり、それをアレンジした「コロッケ」や「ポテトサラダ」ポテトグラタン」などにおすすめ。また、おやつやおつまみなど少量での利用に便利です。

2.カットして加熱する際のコツとおすすめ料理

切った状態で調理に使う場合は、あらかじめ切っておいてたじゃがいもをレンジで加熱処理しておくとさらに時間の短縮になるので便利です。「じゃがいもの下処理のコツ1.2」までしたじゃがいもを耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで加熱します。時間は「1.まるごと加熱する際のコツとおすすめ料理 」に記載してあるのと同じですが、少なめの時間設定から初め、足りなければ追加するのがポイント。

「ゴロゴロポテトサラダ」「肉じゃが」などの煮物、ソーセージとの相性抜群な「ジャーマンポテト」のような炒めものにおすすめです。

品種に合わせたおすすめレシピ

常備野菜のひとつであるじゃがいもは、一年中さまざまな料理に使える人気の野菜ですが、おいしく食べるには、目的に合わせた品種を選ぶことが大切。ポイントがをおさえておけば、日々の献立に大いに役立てることができるでしょう。ここでは、代表的な種類のじゃがいもについて、おすすめのレシピを解説します。

その1.ホクホクの男爵はコロッケやポテトサラダに!

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男爵いもは火を通すとホクホクした食感で粉っぽくなり、崩れやすいので、粉ふきいも、ポテトサラダ、コロッケ、マッシュポテトなど、つぶした食感を楽しむ料理に向いています

その2.煮崩れしにくいメークインは煮込み料理に!

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メークインはなめらかな楕円形で、加熱するとねっとりとした食感。煮くずれしにくい歯ごたえのある仕上がりになるので、肉じゃが、カレー、シチューなどの煮込む料理に向いていています。煮物や炒め物など崩れないように仕上げたい料理は、水にさらすときれいに仕上がるでしょう。

\次のページで「その3.みずみずしさがたまらない新じゃがいもはシンプルに!」を解説!/

その3.みずみずしさがたまらない新じゃがいもはシンプルに!

新じゃがは皮が薄くやわらかいため、皮ごと食べることができるうえに、風味豊かで水分が多いです。皮ごと茹でたり、蒸してシンプルにそのまま食べるのが最高ですよ。またベイクドポテトにして、料理の付け合わせに使うのもいいでしょう。

おいしさをキープするための保存方法は?

常備野菜のじゃがいもですから、上手に保存して、なるべく長くおいしい状態を保ちたいですよね。ここでは上手な保存方法を解説します。

基本は常温保存

じゃがいもは、風通しの良い場所で常温保存しましょう。また、日が当たると皮が緑色になったり芽が出たりする性質があります。これらには毒素が含まれているので、日が当たらないように保存をすることが大切です。2~3個ずつに小分けしてキッチンペーパーで包み、全体を新聞紙に包むか紙袋などに入れて風通しのよい冷暗所に保存してください。

芽を出にくくするコツ

リンゴから出るエチレンには、じゃがいもの発芽を抑制する働きがあるため、じゃがいもはリンゴと一緒に保存することにより、さらに長期保存できることが期待できるのです。

冷蔵保存は目的や季節に合わせて

じゃがいも を保存する温度の目安は7~15℃なので、涼しい季節であれば常温の冷暗所に保存するだけで良いのですが、夏の熱い季節は冷蔵庫の野菜室に保存することをおすすめします。しかし、そのままでの冷蔵庫での保存は避けましょう。

野菜室に保存する場合は乾燥を防ぐため、新聞紙かキッチンペーパーで包んだじゃがいもを、さらにビニール袋に入れることで、2~3ヶ月ほど保存することが可能になる上、低温熟成することとなり甘みを増すのです。

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冷凍なら長期保存できる

生のままのじゃがいもは冷凍保存に向きません。しかし、マッシュポテトのように加熱し、潰した状態にすれば冷凍保存も可能になります

生のままのじゃがいもは、0℃以下になるとでんぷんが破壊され味が落ちてしまう上、含まれている水分が凍ってしまい、解凍した時に中身がスカスカになってしまいます。加熱処理をしてから冷凍保存をすることで、鮮度を保ったまま保存することができるのです。冷凍保存した場合は、1ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。

じゃがいもは料理に合わせて品種をえらび、正しく下処理することでさらにおいしくなる!

じゃがいもは一年中手に入る定番野菜。店頭にはさまざまな品種のじゃがいもが並んでいますね。それぞれの特徴を活かした料理に使い分けるように選ぶことで、よりおいしくいただけますよ。ポイントをおさえておけば大丈夫です。ぜひ作ってみてくださいね。

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家庭科

じゃがいものおすすめレシピは?上手な下処理方法や保存方法も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説


あらためて考えてみると、「あ!これはじゃがいもの料理です」「お!これにもじゃがいもが入っているじゃないか」と、いつも当たり前のように食べているから気が付かなかったけれど、俺たちの生活の中でじゃがいもが出てくる頻度は結構多いんじゃないか?実際どのようなメニューに使われているのか、さらに上手な下処理方法や保存方法を主婦歴26年の元管理栄養士mimikaと一緒に解説していきます。

ライター/mimika

主婦歴26年の元管理栄養士。趣味は家庭菜園。新鮮野菜やハーブの素材を生かした調理が好き。「食べるもので体は作られる」という思いから、家族の健康を思い食材の持つエネルギーを生かした料理をモットーにしている。これらの経験を生かして、食にまつわる様々な知識や疑問を,わかりやすく紹介・解説していく。

芋好きな筆者は、濃厚さがプレミアムな「キタアカリ」を、自己流の「皮ごとゴロゴロポテトサラダ」にアレンジするのが現在のお気に入り。

じゃがいもの下処理のコツは?

image by iStockphoto

じゃがいもは下処理の方法によって料理の仕上がりに違いができます。作ろうとしているお料理の出来上がりを想像したりすると、どのような方法が合っているのかわかるヒントにもなります。ここで解説している方法は基本なので参考にしてみてください。なお、下記「1.芽をとる」はどのような場合も必要です。

1.芽をとる

芽の部分と緑色になった皮の部分には、ソラニンやチャコニンという天然毒素の一種が含まれるので、緑色になった皮は厚めにむき、芽の部分もしっかり取り除いてから調理に使いましょう。正しく処理しないと吐き気を催したり嘔吐したり、重症になると神経症状や視覚障害などの食中毒を起こしてしまうおそれがあるので注意が必要です。

芽を取るときは、包丁の刃元(刃の下端の角の部分)で、芽とその周辺をえぐり取ったり、芽を取る部分のある皮むき器などを利用してきちんとすべてを取り除きます。

2.水にさらす

煮物や炒め物など煮崩れしないように仕上げたい料理は、切り口が空気にふれるとだんだん褐色になっていくのを防ぐため、切ったらすぐに5分ほど水にさらします。ただ、長くさらすしすぎると、でんぷんが流れ出ておいしさが半減してしうので、気をつけましょう。また、ガレットのようにじゃがいも同士をくっつけて焼くレシピの時は、でんぷん質が残るようにあえて水にさらさず使います。

3.茹でる·蒸す

皮つきのまま茹でる場合は、皮をよく洗って表面の土をとり、水から茹でます。じゃがいもに竹串を刺して、スッと通るくらいの茹で加減が最適で、茹でムラを避けるため、途中で上下をひっくり返すのがポイント。また、新じゃがもこのように、皮つきのままタワシなどでよく洗ってから、丸ごと茹でましょう。

レンジで下処理もできる?

じゃがいもは電子レンジで下処理をすることもできます。レンジで蒸すと栄養を損なうことなく時短になるので、コツを覚えていろいろな献立に役立ててください。方法としては、まるごと一個のまま加熱する方法と、調理の目的に合わせて切ったものを加熱する方法がありますが、たくさんの量を一度に加熱しようとすると、加熱ムラができてしまいおいしくできないので、それぞれ2~3個までのじゃが芋を下処理する場合に活用しましょう。

加熱の時間は、こぶし一つ程度の(150g程度)大きさで、600wー3~5分、500wー3分半~6分が目安ですが、じゃが芋の状態によって異なるので、まずは少なめに加熱してみて、竹串がスッと通ったり、表面がホクホクした感じになるまで少しずつ追加してみてください。さらに、ラップをしたまま3分ほど置いておくと、余熱で中まで均一に加熱されホクホクのじゃがいものが出来上がります。

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