じゃがいもは年2回収穫できる?旬や種類・選び方も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説
近年増えた?じゃがいもの種類と特徴
じゃがいもは、丸みがありごつごつした形が特徴の「男爵(だんしゃく)」と、細長い形の「メークイン」のふたつが代表的な品種ですが、近年では、果肉がオレンジ色の「インカのめざめ」や、皮と果肉どちらも濃い紫色の「キタムラサキ」など他にもいろいろ種類があり、それぞれに特徴があります。
ここでは、「男爵(だんしゃく)」「メークイン」「キタアカリ」「インカのめざめ」「アンデス赤」について詳しくご紹介しましょう。
1.ホクホク食感な「男爵」
丸くゴツゴツした形をしている男爵いもは、スーパーで見かけるじゃがいもの中でも最もポピュラーで定番の品種ではないでしょうか。ほくほくした食感なので、粉ふきいもやマッシュポテト、コロッケ、ポテトサラダなど、いろいろな料理にむきますが、煮崩れしやすいので煮物には適していません。
男爵いもの主な生産地は北海道で旬は9〜12月、最も多く出回るのは10月頃です。それ以外の場所では、静岡県や茨城県、千葉県、埼玉県などで生産されており、5月中旬~収穫されます。品質の劣化が少なく収穫後の貯蔵性が高い品種なので長期間の貯蔵に向いているため、一年を通じて購入することができるので、いつも見かけるから男爵いもはポピュラーなのでしょうね。
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2.ねっとりしていて煮崩れしにくい「メークイン」
メークインは少し長めの卵のような独特な形をしており、表面はつるっとしていて芽やデコボコが少ないじゃがいもです。ねっとりした食感をしていて、煮崩れしにくく、煮物やカレー、シチュー、おでん・グラタンなどの煮物や炒めものに適していますよ。しかし、ホクホク感が無いので、コロッケや粉ふき芋には向かず、さらに、糖分が多いため焦げやすく、揚げ物にもあまり向いていません。
メークインの主な生産地は北海道で、旬は8月〜3月ですが、最も多く出回るのは10月頃。それ以外の場所では熊本県や千葉県などでも生産されており、5月中旬~収穫期に入ります。
男爵いもと同様に一年を通じて購入することができ、低温貯蔵することで甘みを増すという特徴があるメークインは、男爵薯とともに人気な定番の品種ですね。
3.男爵よりも甘い?栗のような「キタアカリ」
キタアカリは、男爵のようなごつごつした形をしており、くぼみが深いため皮が剥きにくく、芽の部分がほんのりと赤いじゃがいもです。男爵よりも甘く、実が黄色いので別名「栗じゃが」や「黄金男爵」とも呼ばれています。粉質でほくほくしているので、粉ふきいもやコロッケ、じゃがバターやフライドポテト、サラダなどに適していますが、男爵よりもさらに煮崩れしやすいので、長時間煮込む料理には向きません。しかしながらスープにすると絶品です。
キタアカリの主な生産地は北海道で旬は9月〜12月ですが、最も多く出回るのは9月~10月といわれており、その他の生産地での収穫期は5月頃からになります。
4.濃厚な風味の「インカのめざめ」
インカのめざめは、比較的小ぶりな卵型で、栗やナッツに似た風味のあるじゃがいもです。鮮やかな黄色の果肉は、舌触りがきめ細やかで濃厚な味わいなのが特徴。さらに皮をむいたり、油で揚げても相性がよく変色しにくいため、フライドポテトやポテトチップスにしても綺麗な黄色が楽しめますし、シチューやカレー、肉じゃがなどの煮物にも適しています。主な生産地は北海道で旬は9月〜11月。
収穫量が少ないうえにウイルス病にかかりやすいため、長期保存ができない品種なので、旬以外に手に入れることは難しいとされています。
5.年に2回作れる?赤い芋「アンデス赤(アンデスレッド/ネオデリシャス)」
アンデスレッドは、皮が薄い赤い色をしている、男爵いものように丸くゴツゴツしたじゃがいもです。「アンデス赤」や「レッドアンデス」ともよばれており、果肉は鮮やかな黄色で食感も良く、加熱するとサツマイモのようなほくほくとした甘みがあるので、ポテトサラダやコロッケなどのフライ、ジャーマンポテトなどに適していますが、崩れやすいので煮込み料理には向いていません。
アンデスレッドの主な生産地は岡山県で、旬は春(4月〜6月)と秋(9月〜12月)の年に2度あり、じゃがいもとしては珍しく2期作が可能な品種。そのような特徴がある一方で、休眠期間が極端に短く、成長力がとても強いので、貯蔵しているとすぐに芽が出てしまい、保存期間が短くなってしまうのも特徴です。
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