干し芋に旬はあるの?選び方や種類もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説
干し芋についている白い粉は何?
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表面の白い粉は、さつまいもに含まれる糖類が結晶化したもので、カビや食品添加物ではありません。この結晶化は生の状態では出てきませんが、さつまいもを加熱する過程において糖化酵素の働きにより作られます。これが乾燥され糖分が濃縮されたことによって、時間が経つとともに表面に現れるんですよ。
カビも干し芋の表面に発生しますが、カビの場合は青や緑の色がついていたりカビ臭がするので、食べる際は十分に注意してくださいね。
干し芋の品種と特徴
国内で栽培されているさつまいもの主要品種は約60品種あります。さつまいものほとんどが食用として栽培されていますが、一番多く栽培されているコガネセンガンという品種は芋焼酎の原料に使われているんですよ。そのほか料理に使う品種だとベニアズマや高系14号などが有名ですが、ここでは干し芋作りによく使われる4品種をご紹介します。
1.ねっとり感が特徴の紅はるか
紅はるかは、人気の安納芋も越えるほどの甘さとねっとり感が特徴で、口当たりがクリーミーでなめらかな品種です。焼き芋などのように熱を加えると、糖度はなんと50度にもなり強い甘さが人気の理由なんですよ。果物以上の甘さがあるので、スイーツを作るのによく使われています。
2.干し芋の定番タマユタカ
40年以上も前から干し芋用として生産され続けており、干し芋といえばタマユタカと言われるほどポピュラーな品種です。タマユタカを使った干し芋は、懐かしく感じる優しい味わいが特徴です。現在、主流のねっとり系ではなく、ホクホク食感で子供からご年配まで、年齢に関わらず美味しさを感じるさつまいもなんですよ。
3.なめらかな食感のシルクスイート
近年、登場したばかりのおすすめ品種です。収穫したてのシルクスイートは粉質で少しホクホクした感じに焼きあがりますが、収穫後に追熟することで、実が粘質に変化し甘さも増します。また、追熟により熟成されたシルクスイートは、水分が多く食感が絹のようにしっとり滑らかに焼き上がることもこの名の由来なんですよ。
4.さつまいもの王様安納芋
近年、さつまいもの中でも圧倒的な人気を誇る、さつまいもの王様と言われているのが安納芋です。水分が多く粘質で、焼くとねっとりとした食感になるのが安納芋の特徴で、生の状態でも糖度が16度程度あるのですが、時間をかけてじっくりと加熱すると糖度は40度にもなり、密が全体にまわり黄金色に見えるんですよ。
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