今回は白子について学んでいきます。一品料理やスーパーの鮮魚コーナーで見かける食材ですが、栄養豊富であることはあまり知られていない。そもそも魚のどこの部位なのか気になるでしょう。そこでこの記事では白子の栄養と効能や特徴について、現役料理人のテルトラと一緒に解説していきます。

ライター/テルトラ

経験15年の現役料理人。和食を中心にさまざまな業態で多くの食材にふれてきた。得意なメニューは魚の煮付け。

白子の特徴とは?

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白子とは魚の臓器のひとつで、昔から食べられている珍味です。白くてやわらかいのが特徴で、魚の種類によって形状が異なります。独特の食感と味、特徴的な見た目から好き嫌いがわかれる食べものです。海外ではほとんど食べられず、日本特有の食文化といえます。

白子ってどこの部位?

白子は魚の精巣です。雄の魚介からしか取れず、産卵期にならないと発達しません。1尾から少ししか取れない希少部位で、いろいろなレシピや食べ方があります。特定の魚ではなく、魚の精巣全般に共通する呼び方です。

スーパーでよく見かけるのは、主に鱈や鮭の白子。ふぐやイカなどの白子も食用として流通していますが、高級品のため小売店に並ぶことはありません。鱈の白子は表面のヒダが細かいのに対して、ふぐや鮭はツルツルなのが特徴です。

どんな味?

新鮮な白子は魚介類がもつ臭みがありません。口に入れるとプリっとした食感で、噛んだ瞬間にトロっととろけます。非常にクリーミーで濃厚な旨味が特徴です。定番の白子ポン酢はお酒との相性抜群で、ほかにも天ぷら・焼き物・鱈ちり鍋の具材といったレシピがあります。加熱するとふわふわの食感になり、より甘みが強くなるのも特徴です。

魚種によって多少味が異なり、鱈やフグが濃厚なのに対して鮭の白子はあっさりしています。内臓部位のため鮮度がおちやすく、新鮮でなければ食べられません。

白子にダイエット効果はあるの?

白子には、高いダイエット効果が期待できます。低カロリーなうえに、低脂質で低糖質だからです。食べた物をエネルギー化するのに必要な、たんぱく質も豊富なんですよ。

真鱈の白子100gあたり
・エネルギー:62kcal
・たんぱく質:13.4g
・脂質:0.8g
・糖質:0.2g

サラダチキン100gあたり
・エネルギー:113kcal
・たんぱく質:21.48g
・脂質:1.47g
・糖質:2.11g

白子はダイエットに最適な「低カロリー・高たんぱく質」食材です。

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白子の豊富な栄養と効能

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たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養が豊富です。人体を構成したり、機能を正常に保ったりする効能があります。白子に含まれる主な栄養素は、下記のとおりです。

・たんぱく質
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンB1
・ビタミンB12
・カリウム

#1 体を作るたんぱく質

三大栄養素のひとつで、筋トレに欠かせない成分として知られています。たんぱく質の効能は、筋肉・臓器・皮膚などの人体に必要な組織を構成すること。アミノ酸との組み合わせや、種類と量の違いによってさまざまな働きをします。酵素・ホルモン・免疫物質として、体の代謝や免疫力向上などに役立つ栄養素です。

食事からの摂取が必要不可欠な栄養で、不足すると筋肉量が減り体力や免疫力が低下します。とくにケガや病気でたんぱく質が低下している状態では、体を修復するために多くのたんぱく質が必要です。

#2 体を健全に保つビタミン

白子に含まれる主なビタミンは、ビタミンD・E・B1・B12など。エネルギーを作り出したり、老化を抑えたりする栄養素です。

ビタミンDの効能は、たんぱく質の働きを活性化させること。カルシウムの吸収を促し、骨を丈夫にする働きもあります。ビタミンEの効能は、抗酸化作用により細胞の酸化を遅らせること。シミやシワを抑えて、老化防止に役立ちます。

ビタミンB1の効能は、摂取した糖質を分解して血液中でブドウ糖に変えること。糖質代謝に欠かせない栄養素で、エネルギーの生成に大きく関わっています。ビタミンB12の効能は、神経や血液細胞を健康に保つこと。DNAの生成を助ける働きもあります。

#3 血圧を下げるカリウム

人体に必要なミネラルのひとつで、体内でもっとも量が多い成分です。ナトリウムと共に作用して、さまざまな効果・効能をもたらします。カリウムの効能は、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つこと。ナトリウムを排出して、塩分の摂りすぎを抑制します。

血圧を下げる効果や、ナトリウムと作用することでむくみの改善に効果的です。不足すると、筋力低下や不整脈などの体調不良を起こす可能性があります。

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白子を食べるときの注意点

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栄養豊富な白子にもデメリットがあります。鮮度がおちやすいことと、食べ過ぎると体に良くないことです。白子にはプリン体やコレステロールが多く含まれるため、過剰摂取による体調不良に注意する必要があります。

食べ過ぎると痛風になることも

白子には痛風や動脈硬化の原因となる、プリン体やコレステロールが多く含まれます。具体的な量は下記のとおりです。

・白子100gあたりに含まれるプリン体:300mg
・1日あたりのプリン体の摂取制限:400mg
・白子100gあたりに含まれるコレステロール:360mg
・1日あたりのコレステロール摂取制限:最大で399mg

飲食店で提供される白子ぽん酢はだいたい1皿100gですから、1人で2皿以上食べてしまうと過剰摂取になる恐れがあります。

白子の食中毒

白子の食中毒は、寄生虫が原因となるケースが多いです。アニサキスなどの寄生虫は、魚の内臓部分に好んで寄生します。食用白子として流通する魚に寄生するのは、主に3種類です。

・ニベリニア
・ウオジラミ
・アニサキス

ニベリニアは鱈やスルメイカなどによく見られる寄生虫ですが、人には寄生しないので食べても害はありません。ウオジラミはフグのエラに寄生することが多く、可食部分にいる可能性は低いといえます。

一方でアニサキスには厳重な注意が必要です。とくに鱈類にはアニサキスが寄生しやすいため、加熱調理をおすすめします。70℃以上か、60℃で1分間の加熱が条件です。

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妊婦さんは食べられる?

食中毒をさけるために、下処理以外に必ず加熱調理することが大切です。食中毒になると激しい下痢や嘔吐により、妊娠中の体にさまざまな悪影響を与えます。

・子宮収縮が起こりやすい
・血栓症のリスクがある
・胎児に感染する可能性がある

子宮が収縮すると早産や流産を引き起こす恐れがあり、下痢や嘔吐で大量の水分を失うと血栓症のリスクが高まります。妊娠中は血液が固まりやすく、血管が詰まりやすい状態です。また、食中毒の原因となる細菌や寄生虫は、胎児に感染して生命や成長に悪影響を及ぼします。

栄養豊富な白子を適度に食べよう

白子が低カロリーで低糖質な特徴をもつことがわかりましたね。ダイエットに最適な食材といえますが、食べ過ぎには注意しなければいけません。プリン体やコレステロールが多く含まれるからです。過剰摂取による、痛風や動脈硬化のリスクがあります。鮮度はもちろんのこと、妊娠中は加熱調理が必須なことも注意点です。

新鮮な白子は風味が豊かで臭みがありません。湯通しなどの簡単な下ごしらえで、人気のお酒のあてがご家庭でも味わえます。

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家庭科

白子の特徴は低カロリー・低糖質!豊富な栄養と効能も現役料理人が詳しくわかりやすく解説

今回は白子について学んでいきます。一品料理やスーパーの鮮魚コーナーで見かける食材ですが、栄養豊富であることはあまり知られていない。そもそも魚のどこの部位なのか気になるでしょう。そこでこの記事では白子の栄養と効能や特徴について、現役料理人のテルトラと一緒に解説していきます。

ライター/テルトラ

経験15年の現役料理人。和食を中心にさまざまな業態で多くの食材にふれてきた。得意なメニューは魚の煮付け。

白子の特徴とは?

image by iStockphoto

白子とは魚の臓器のひとつで、昔から食べられている珍味です。白くてやわらかいのが特徴で、魚の種類によって形状が異なります。独特の食感と味、特徴的な見た目から好き嫌いがわかれる食べものです。海外ではほとんど食べられず、日本特有の食文化といえます。

白子ってどこの部位?

白子は魚の精巣です。雄の魚介からしか取れず、産卵期にならないと発達しません。1尾から少ししか取れない希少部位で、いろいろなレシピや食べ方があります。特定の魚ではなく、魚の精巣全般に共通する呼び方です。

スーパーでよく見かけるのは、主に鱈や鮭の白子。ふぐやイカなどの白子も食用として流通していますが、高級品のため小売店に並ぶことはありません。鱈の白子は表面のヒダが細かいのに対して、ふぐや鮭はツルツルなのが特徴です。

どんな味?

新鮮な白子は魚介類がもつ臭みがありません。口に入れるとプリっとした食感で、噛んだ瞬間にトロっととろけます。非常にクリーミーで濃厚な旨味が特徴です。定番の白子ポン酢はお酒との相性抜群で、ほかにも天ぷら・焼き物・鱈ちり鍋の具材といったレシピがあります。加熱するとふわふわの食感になり、より甘みが強くなるのも特徴です。

魚種によって多少味が異なり、鱈やフグが濃厚なのに対して鮭の白子はあっさりしています。内臓部位のため鮮度がおちやすく、新鮮でなければ食べられません。

白子にダイエット効果はあるの?

白子には、高いダイエット効果が期待できます。低カロリーなうえに、低脂質で低糖質だからです。食べた物をエネルギー化するのに必要な、たんぱく質も豊富なんですよ。

真鱈の白子100gあたり
・エネルギー:62kcal
・たんぱく質:13.4g
・脂質:0.8g
・糖質:0.2g

サラダチキン100gあたり
・エネルギー:113kcal
・たんぱく質:21.48g
・脂質:1.47g
・糖質:2.11g

白子はダイエットに最適な「低カロリー・高たんぱく質」食材です。

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