新月・満月はどんなものかはみんな知っているでしょう。じゃあ上弦の月や有明月がどんな月かわかるか?月の形は日々変化している。と言っても月の形そのものが変わるわけではない。地球からの見え方が変わっているのです。そしてその見え方には地球と月・太陽の位置が大きくかかわっている。
それでは月の満ち欠けについて、科学館職員のたかはしふみかが解説します。
ライター/たかはし ふみか
子供の頃、月の満ち欠けが理解できず苦労したリケジョ。おかげで月を見るたびにそれが上弦の月か下弦の月かを確認する癖がついている。科学大好き・仕事大好き・職場大好きな科学館職員。
地球にいちばん近い天体で、地球のただ一つの衛星。半径一七三八キロメートル、玄武岩質で組成され、大気はない。二七・三二日で自転しながら、約二九・五三日で地球を一周し、その間、新月・上弦・満月・下弦の順に満ち欠けする。太陽とともに人間に親しい天体で、その運行に基づいて暦が作られ、神話、伝説、詩歌などの素材ともされる。日本では「花鳥風月」「雪月花」などと、自然美の代表とされ、特に秋の月をさすことが多い。太陽に対して太陰ともいう。つく。つくよ。月輪。また、ある天体の衛星のこともいう。
[コトバンク 月]
最も地球に近い天体である月は、地球の衛星です。衛星とは恒星や惑星、準惑星、小惑星の周りを公転する天体のことを言います。地球の周りを公転する月の公転周期は約27.3日。1か月より少し短いくらいの時間で、地球の周りを1回公転しているのですね。
月の大きさは直径 3,474km、地球( 直径12,756km)の約1/4の大きさで、質量は地球の1%程度の 7.3 ×1022kgしかありません。
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月の出る時間は毎日違う?
月は地球の周りを1回公転するのにかかる期間は約27.3日です。ところが、月の満ち欠けの周期は約29.5日。微妙にずれていますね。このポイントは月だけでなく、地球も太陽の周りを公転しているということです。
もし地球が太陽の周りを公転していないとします。その場合、地球から見て月は、27.3日の周期で満ち欠けを繰り返すのです。しかし実際は地球も公転しています。そのため、月が1回公転して元の位置に戻ってきた頃には地球の位置も変わっているのです。
image by Study-Z編集部
月が地球の周りを西から東へ(北極側から見て半時計回り)1回公転するのにかかるのは27.3日。1日では約13度(360度÷27.3日)、地球の周りを移動しているのです。一方、地球は1日に約1度(360度÷365日)西から東へ公転しているます。というわけで地球から見て月は、1日約12度(13度-1度)東へずれるのです。
さらに地球は24時間で360度進む速度で自転しています。月が同じ位置に来る時間は24時間×12度/360度=0.8時間、つまり約48分遅くなるのです。
満月と新月って何?上弦と下弦とは?
月は地球の周りを公転し、その時々で見え方が異なります。それが満月や新月、上弦や下弦と呼ばれる月です。なぜ見え方が異なるかは後で解説しますが、その前に月の見え方と名称について解説していきます。
新月(月齢0日頃)
地球と太陽の間に月が入ると、月によって太陽の光が遮られます。月は太陽の光を反射して輝くため、太陽の光を浴びていない月を見る事ができません。この状態を新月と言い、月齢の起点となります。
三日月(月齢3日頃)・有明月(月齢26日頃 )
月の形として、まず三日月を思い浮かべる人も多いでしょう。三日月とはその名の通り、月齢3日目頃に出る細い月のことを言うのです。三日月は日没後に西の空に見る事ができます。
では反対に満月から新月に向かってどんどん細くなっていくときの細い月をなんというのでしょうか。月齢26日頃の細い月を有明月(ありあけづき)と言います。有明月とは夜が明ける頃に空にある月のことを指し、月の出は午前3時頃、月の入りは午後3時頃となるのです。
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