今回は大豆のしぼりかす「おから」の食べ方について見ていこう。野菜と調味料で炊く卯の花のが定番の調理法ですが、最近ではお菓子の材料になるなどおからのアレンジレシピがあるためグッと食べやすくなっているぞ。また、調理するうえで野菜や肉には下処理が必要ですが、おからはどうでしょうか?保存方法も含めて、10年以上食育指導に関わってきた元保育士ライター榎木えふと一緒に解説していきます。

ライター/榎木えふ

現在は我が子の育児を楽しむ元保育士。おからを使ったヘルシーなお菓子を作って満腹に食べてしまうタイプ。長らく食育に携わった経験を踏まえて食に関する知識をわかりやすく発信していく。

おからの下処理は必要?どんな方法がある?

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生おからはレシピによっても下処理の有無がまちまちなので、するべきなのかしなくてもよいのか迷ってしまうかと思います。下処理の役割から、必要性を確認してみましょう。

下処理をしてよりおいしく食べよう

昔、おからは商品として利用されることは少なく、廃棄物や家畜のエサ・肥料として扱われていました。そのため、食品として扱ううえで洗うという下処理がされていたとも言われています。しかし現在は衛生管理がなされたうえで食用に販売されているため「汚れを落とす」という意味の下処理は不要とも考えられるようです。あえて下処理をする目的は主に以下の3つになります。

1.豆独特の臭みをおさえる
2.味を染み込みやすくする
3.水気でべちゃっとするのを防ぐ

いずれもより食べやすくするため・おいしく食べるためのひと手間と言えますね。煮物を作るのであれば味を染み込みやすくするため、お菓子作りやひき肉料理のかさましに使うのであれば水気を飛ばすためと、用途によって下処理をした方がよりよい場合もあるでしょう。

おからの下処理方法

生おからは加熱して水分を飛ばす下処理をしますが、方法は2通りです。1つ目は、フライパンで乾煎りをする方法。フライパンに生おからを入れたら、焦げやすいので絶えず混ぜ続けながら炒めて水分を飛ばします。2つ目は電子レンジを使う手軽な方法です。生おからを耐熱ボウルなどに入れてほぐし、80g程度あたり600wで2分30秒ほどレンジにかければOKですよ。

おからの量や、用途によってサラサラになるまで水分を飛ばす・しっとり感を残すといった加減ができるので、加熱時間を減らしたり追加したりと調節してください。特に、保存するためには水分をしっかり飛ばすのがよいでしょう。

\次のページで「おからを活用する食べ方」を解説!/

おからを活用する食べ方

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野菜と調味料で炊いた卯の花がおなじみの食べ方であるおからですが、より食べやすいおかずやお菓子のレシピもたくさん考案されています。お子さんでも食べやすい方法もあるのでさっそくみてみましょう。

その1.おからでボリュームアップ!

おからはそれ自体の味は淡泊でクセが少ないため、他の料理に混ぜ込んでも違和感なく使うことができます

相性がよいのはひき肉とじゃがいも。ハンバーグのタネにおからを一緒に混ぜ込んでしまえば、おからが入っているとは気づかれにくいおからハンバーグに。また、マッシュポテトの食感・見た目に似ているため、コロッケのじゃがいもの一部をおからに置き換えて使用すると違和感なく使いやすいですよ。

大豆をたくさん食べるのは難しいですが、このような人気メニューに混ぜてしまえばお子さんに気付かれずタンパク質などの栄養価をアップすることができますね。おからでかさましすることで食べごたえも増し、節約にも効果があるかもしれません

その2.おなじみの料理をアレンジ

おからがひき肉やじゃがいもの食感に似ていることを利用して、おなじみのポテトサラダやナゲットをおからで代用して作ってしまうことができます。特にマヨネーズやだしの旨味を加えて食感や味を調整すると、言われなければおからとはわからないような仕上がりにもなるようですよ。おからの代用レシピは水分や油分でおからのぼそぼそとした食感の違和感を減らし、コクを出すことがおいしく作るコツです。

その3.ヘルシーなお菓子作りに

小麦粉の一部をおからに変えることで、小麦粉のぶんのカロリーを抑えて栄養価もアップしたお菓子を作ることができます。おからクッキーは腹持ちがよく持ち運びにも便利なので、ダイエット中のおやつとして市販のものも見かけるようになりました。

他にも、ふんわり感がでるおやつに混ぜると違和感が少ないので、おから入りホットケーキやドーナツ、蒸しパン、ケーキやマフィンとの相性もよいですよ。ココア味などにするとますます、おからが入っているとはわからない仕上がりになります。おいしいからといって食べ過ぎには要注意ですね。

おからを長持ちさせる保存方法は?

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最後に、おからの保存方法を確認していきましょう。おからをわざわざ買いに行くのは手間ですが、保存しておけば思い立ったときにおから料理に挑戦することができますね。

1.生おからは冷凍OK

水分の多い生おからは腐りやすいため冷蔵だと日持ちは2~3日程度ですが、冷凍すると約1か月程保存できるため冷凍保存がおすすめです。ジッパー付きの保存袋に入れて空気をしっかり抜いて冷凍しましょう。あらかじめ使う量を小分けにラップで包んだり、保存袋に入れたおからを平らにのして包丁の背などで筋をつけておくと、ポキッと折って必要な分だけ使えるので便利ですよ。

加熱する料理ではそのまま煮物や炒め物に使える他、冷蔵庫での自然解凍・電子レンジでの加熱もOKです。

\次のページで「2.乾燥おからは常温保存できる」を解説!/

2.乾燥おからは常温保存できる

水分が抜けている乾燥おからやおからパウダーは一度に使いきることは少ないと思いますが、賞味期限を目安に長期間保存することができます。未開封の状態ではパッケージに書かれている保存方法を参考にして保存しましょう。直射日光を避けた冷暗所で保存するのが一般的です。

開封後は密閉して常温保存も可能ではありますが、特に暑い時期は湿気や虫がわくのを防ぐためにも冷蔵庫での保存が安心ですよ。水気がつかないように密閉し、空気を抜いて保存しましょう。乾燥材を一緒に入れておくのもおすすめです。

使い道はアイディア次第!おから料理に挑戦しよう!

おから料理と聞いてピンと来るものは多くないかもしれませんが、現在では健康ブームやダイエットへの関心も高まって、ヘルシーで栄養たっぷりのおからをおいしく食べるための様々なアイディアが公開されています。煮物があまり好きではない方は、お菓子や食事に混ぜてしまうことで無理なく食べることができるでしょう。おからはとても腹持ちがいいので食べ過ぎないよう、また、口の中の水分が奪われやすく飲み込みにくいこともあるので、飲み物と一緒に食事を楽しんでくださいね。

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家庭科

おからはどうやって食べるの?下処理と日持ちする保存方法も元保育士がわかりやすく解説

今回は大豆のしぼりかす「おから」の食べ方について見ていこう。野菜と調味料で炊く卯の花のが定番の調理法ですが、最近ではお菓子の材料になるなどおからのアレンジレシピがあるためグッと食べやすくなっているぞ。また、調理するうえで野菜や肉には下処理が必要ですが、おからはどうでしょうか?保存方法も含めて、10年以上食育指導に関わってきた元保育士ライター榎木えふと一緒に解説していきます。

ライター/榎木えふ

現在は我が子の育児を楽しむ元保育士。おからを使ったヘルシーなお菓子を作って満腹に食べてしまうタイプ。長らく食育に携わった経験を踏まえて食に関する知識をわかりやすく発信していく。

おからの下処理は必要?どんな方法がある?

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生おからはレシピによっても下処理の有無がまちまちなので、するべきなのかしなくてもよいのか迷ってしまうかと思います。下処理の役割から、必要性を確認してみましょう。

下処理をしてよりおいしく食べよう

昔、おからは商品として利用されることは少なく、廃棄物や家畜のエサ・肥料として扱われていました。そのため、食品として扱ううえで洗うという下処理がされていたとも言われています。しかし現在は衛生管理がなされたうえで食用に販売されているため「汚れを落とす」という意味の下処理は不要とも考えられるようです。あえて下処理をする目的は主に以下の3つになります。

1.豆独特の臭みをおさえる
2.味を染み込みやすくする
3.水気でべちゃっとするのを防ぐ

いずれもより食べやすくするため・おいしく食べるためのひと手間と言えますね。煮物を作るのであれば味を染み込みやすくするため、お菓子作りやひき肉料理のかさましに使うのであれば水気を飛ばすためと、用途によって下処理をした方がよりよい場合もあるでしょう。

おからの下処理方法

生おからは加熱して水分を飛ばす下処理をしますが、方法は2通りです。1つ目は、フライパンで乾煎りをする方法。フライパンに生おからを入れたら、焦げやすいので絶えず混ぜ続けながら炒めて水分を飛ばします。2つ目は電子レンジを使う手軽な方法です。生おからを耐熱ボウルなどに入れてほぐし、80g程度あたり600wで2分30秒ほどレンジにかければOKですよ。

おからの量や、用途によってサラサラになるまで水分を飛ばす・しっとり感を残すといった加減ができるので、加熱時間を減らしたり追加したりと調節してください。特に、保存するためには水分をしっかり飛ばすのがよいでしょう。

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