家庭科

おいしい「生栗」の選び方は?旬や種類も管理栄養士がわかりやすく解説

使用する目的に合わせた栗選び

栗は日本だけでなく海外でも人気のある食材で、それぞれの国ごとにさまざまな食べ方がされていて、栗を使ったスイーツだけでも、栗きんとんや栗ようかん、モンブランにマロングラッセなど、すぐに思いつくだけでも和洋問わずたくさんの種類がありますが、あなたは何がお好みですか?

いざ作ろうと思ったときに、レシピを検索したり動画を見ても、日本栗、中国栗、ヨーロッパ栗とたくさんの種類の中からどれを選べばよいのか悩んでしまいそうです。それぞれの栗にはそれぞれの特徴があるので、使用する目的に合わせた栗選びができると味のバランスがよく、よりおいしい料理やお菓子になりますよ。ここでは代表的な栗の調理例をご紹介します。

日本栗はやはり日本料理

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日本の栗は甘めのものが多く、水分が豊富でゆっくり加熱することによりその良さが引き立つため、素材を生かした料理に向いています。栗ご飯や茶碗蒸しなどの、日本で昔から親しまれている料理には日本栗がおすすめです。そして、栗きんとんや栗ようかんのように、加工したあともみずみずしさがある和菓子に向いています。

早生・中生・晩生それぞれの代表的な栗はどう使う?

続いては、早生・中生・晩生それぞれの代表的な品種とおすすめの調理法です。

<早生>8月下旬~9月下旬の栗
・丹沢(たんざわ):大きめで甘い栗。粘り気が少く栗ごはんなどの炊き込みご飯に最適で、さらに甘露煮やお菓子などの加工品にもピッタリ。
・国見(くにみ):粘質で甘みと香りは少ないが、煮崩れしにくいので甘露煮などの加工向き

<中生>9月下旬~10月中旬の栗
・筑波(つくば):大粒で香りが良く、粉質で甘みがあり扱いやすいのでどんな食べ方でもおいしくいただけます。栗ご飯はもちろん、茹でぐりや渋皮煮にも最適です。
・利平(りへい):大粒で日本栗の中でも甘みが強い。煮崩れしやすいので加工には不向きですが、蒸したり茹でたりするだけでもおいしいので、栗きんとんには使いやすい。

<晩生>10月上旬~下旬の栗
・石鎚(いしづち):やや大粒で粉質。甘みがあり香りも良く煮崩れがしにくいので、栗ご飯や甘露煮に適しています。また、茶碗蒸しに入れても秋を感じさせる食材となるでしょう。
・岸根(がんね):びっくりするほど大粒で甘みが強く、貯蔵性も高い高品質な品種。粉質でホクホクしていて栗ご飯や甘露煮などの加工に向いています。

焼き栗にはどの栗?

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焼き栗にするなら、中国栗やヨーロッパ栗が向いていています。

中国栗の果肉は固く比較的小さいけれど、熱を通すと甘味は強くなり、渋皮が剥きやすいのが特徴で、甘栗(天津甘栗)によく使われる品種です。また、西洋栗はフランスやイタリアなどヨーロッパ諸国の広範囲で自生していて、一般的に果実は「マロン」と呼ばれています。果肉は固くて小粒なものが多いですが、焼くと鬼皮ごとむけやすく甘さ控えめなので、焼き栗はもちろん、マロングラッセやモンブランなどのお菓子に向いていますよ。

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栗にはたくさんの種類があることがわかったな。それぞれに特徴の違いがあるからこそ、いろんな料理に使えるってことなんだな。みんなどうだ!これらの情報が献立のヒントになったんじゃないか?ここまでのことを参考にして、今年の秋は栗を使った料理にチャレンジしてみたらどうだろう。

\次のページで「栗は種類もいろいろ!用途もいろいろ!」を解説!/

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