この記事では「胸に聞く」について解説する。

端的に言えば胸に聞くの意味は「心の中でよく考える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「胸に聞く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「胸に聞く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「胸に聞く」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「胸に聞く」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「胸に聞く」の意味は?

「胸に聞く」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.心の中でよく考える。「そのわけは自分の―・いてみたらいい」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「胸に聞く」

「胸に聞く」は心の中でよく考えるということを意味する慣用句です。ただ考えるのではなく、心の中で考えることを指す点に注意しましょう。また他人に対し、心の中でもう一度よく考えてみろといった意味合いで、「自分の胸に聞いてみろ」といったフレーズで使われることも多い表現となっています。

自身の胸の内にその答えがあるはずだから、改めて考え確かめる。「胸に聞く」はこうした様子を表現する言葉です。「胸に聞く」は書籍・新聞等の文章中を中心に使われている表現となっています。この機会に「胸に聞く」の意味・用法を確認し、自身の語彙力を高めていきましょう。

「胸に聞く」の語源は?

次に語源を確認しておきましょう。残念ながら語源は現在はっきりとはしていません。「胸に聞く」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また語源とあわせて、「胸に聞く」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても確認しておきましょう。

1887年~1889年頃の二葉亭四迷・浮雲には「何だ、唐突千万な。何だと云ッて絶交しようと云ふんだ」「その理由は君の胸に聞て貰はう」としてこの言葉が登場しています。このことから「胸に聞く」は非常に古くから現在と同様の意味で使われている言葉であることが分かりますね。こちらも覚えておきましょう。

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「胸に聞く」の使い方・例文

「胸に聞く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.その答えは自分の胸に聞いたら分かるはずだ。
2.俺の言ってることが間違いか、自分の胸に聞いてみろ。
3.どうして彼女が出ていったのか、その理由は自分の胸に聞くといい。

「胸に聞く」は例文のように、心の中でよく考えることを表して使われている言葉です。特に「自分の胸に聞け」といった形で、相手に対し心の中でもう一度よく考えることを要求する際に使われることが多いですね。相手に責任の所在があるにも関わらず、当の本人が気づいていない振る舞いをする。

こうした場面において、暗に自分でよく分かっているはずだろうと伝える意味で使われることもあります。例文から「胸に聞く」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「胸に聞く」の類義語は?違いは?

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続いて類義語・違いについて確認していきましょう。類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「胸に聞く」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「胸に手を置く」:落ち着いて考えるため胸に手をあてがう

「胸に手を置く」は心を静め、落ち着いて考えるために両手を胸にあてがうことを意味する言葉です。こちらもよく思案することを意味する言葉となっており、「胸に聞く」と似た意味をもった類義語となっています。ほかに、胸に手を置いて寝たときの息苦しい思いを表す意味もあるため注意しましょう。

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その2「内省(ないせい)」:自分の考え・行動を深く省みる

「内省」は自分の考えや行動などを深く省みることを意味する言葉です。こちらもよく考えることを意味する言葉となっており、「胸に聞く」と似た意味をもった類義語となっています。こちらはただ考えるのではなく、反省するというニュアンスが強い言葉となっているため注意しましょう。

その3「胸に納める(むねにおさめる)」:口に出して言わず心の中にしまう

「胸に納める」は口に出して言わず、心の中にしまい込むことを意味する言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。こちらはよく考えるという意味はないため、違いに注意して覚えておきましょう。

その4「胸に浮かぶ(むねにうかぶ)」:想像して心に描く

「胸に浮かぶ」は想像して心に描く、思い浮かべるという意味をもった言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。ほかにふと思いつくことを表す意味ももっているため、こちらの点について注意して覚えておきましょう。

その5「胸に持つ」:心の中にひそかに抱く

「胸に持つ」は心の中にひそかに抱くという意味をもった言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。よく考えるという意味はないため注意しましょう。周囲には隠し、ひそかに抱くというニュアンスに注目して覚えておきましょう。

「胸に聞く」の対義語は?

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つづいて「胸に聞く」の対義語についても確認していきましょう。「胸に聞く」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「無謀(むぼう)」:深い考えがない

「無謀」は深い考えのないこと、無計画であることを意味する言葉です。「胸に聞く」が心の中でよく考えるということを表していたのに対し、こちらはそうした考えがないことを表す言葉となっています。反対の意味を表す対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

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「胸に聞く」を使いこなそう

この記事では「胸に聞く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「胸に聞く」は心の中でよく考えるという意味を表す慣用句です。「自分の胸に聞いてみろ」といったフレーズで使われることも多く、相手に対してもう一度よく考えることを要求する場合によく用いられています。

また類義語には「胸に手を置く」、「内省」、「胸に納める」、「胸に浮かぶ」、「胸に持つ」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「胸に聞く」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

その2「内省(ないせい)」:自分の考え・行動を深く省みる

「内省」は自分の考えや行動などを深く省みることを意味する言葉です。こちらもよく考えることを意味する言葉となっており、「胸に聞く」と似た意味をもった類義語となっています。こちらはただ考えるのではなく、反省するというニュアンスが強い言葉となっているため注意しましょう。

その3「胸に納める(むねにおさめる)」:口に出して言わず心の中にしまう

「胸に納める」は口に出して言わず、心の中にしまい込むことを意味する言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。こちらはよく考えるという意味はないため、違いに注意して覚えておきましょう。

その4「胸に浮かぶ(むねにうかぶ)」:想像して心に描く

「胸に浮かぶ」は想像して心に描く、思い浮かべるという意味をもった言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。ほかにふと思いつくことを表す意味ももっているため、こちらの点について注意して覚えておきましょう。

その5「胸に持つ」:心の中にひそかに抱く

「胸に持つ」は心の中にひそかに抱くという意味をもった言葉です。こちらも心の中に関する言葉となっており、「胸に聞く」と一部似た意味をもった類義語となっています。よく考えるという意味はないため注意しましょう。周囲には隠し、ひそかに抱くというニュアンスに注目して覚えておきましょう。

「胸に聞く」の対義語は?

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つづいて「胸に聞く」の対義語についても確認していきましょう。「胸に聞く」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「無謀(むぼう)」:深い考えがない

「無謀」は深い考えのないこと、無計画であることを意味する言葉です。「胸に聞く」が心の中でよく考えるということを表していたのに対し、こちらはそうした考えがないことを表す言葉となっています。反対の意味を表す対義語として、こちらの言葉についてもあわせて覚えておきましょう。

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