この記事では「メロンの食べ方」に着目します。程よく冷えた美味しいメロンを食べるためには、まず「追熟」と「保存」について知る必要がある。買ってきたメロンを闇雲に冷やしたのでは、美味しくなるとは限らなのです。また、メロンは「そのまま食べる」だけじゃない。切り方や加工によって、様々ま魅力が見えてくるんぞ。では、色んな角度からのメロンの楽しみ方を、皮の剥き方・切り方、保存方法と共に果物大好きパティシエのmei.mと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/mei.m

15年近くウェディングケーキを作ってきたパティシエで、現在は2児のママ。フルーツが大好きで、味見と称して様々な果物を食べてきました。特にメロンは、シャーベット作りのために1日70玉以上味見した経験あり。

メロンの切り方・剥き方

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まずは、メロンの美味しい切り方や剥き方を見ていきましょう。一般的な切り方は半月の形ですが、メロンはカットの仕方によって、雰囲気がおしゃれに変わりますよ。

切る前の下準備として、メロンはリステリア菌などの感染症予防のため、冷蔵庫に入れる前やカットする前に、流水で果皮をしっかり洗いましょう。また、メロンは果実の下部が一番甘いため、冷蔵庫で冷やす時は先にヘタを切って、上下逆さまに置いておいてください。下部にあった甘みが果肉全体に広がりますよ!

1.手軽に切り分け:半月カット

手軽で食べやすい、最も一般的な切り方です。完熟のメロンは潰れやすく、丸くて不安定なため、果肉をつぶしたり包丁でけがをしないよう、取り扱いには注意しましょう。

準備するもの:メロン、大きめの包丁、まな板、スプーン
1.ヘタある場合は、ヘタを切り落とす
2.ヘタ部分を上にして、縦半分に切る
3.ワタをスプーンで取り除く
4.皮面を下にして置き、ヘタ部分とお尻に包丁が当たる向きでくし型に切る
※切り分けやすい大きさは、4分の1または8分の1
5.(皮を取り除く場合)くし型にしたメロンのヘタ部分から、果肉と果皮の間に包丁を入れ、メロンはまな板から離さず、包丁を果皮の丸みに沿って動かす
6.果肉を好みの大きさに切り分ける

メロンのカットは動かし過ぎると果汁がこぼれてしまうため、手早く進めるのがコツです。また、皮を取り除く場合、メロンの果皮に近い部分は甘みが少なく固いため、あまり皮を薄く剥こうとせず、包丁はふんわりと押し当てましょう。

2.豊富なバリエーション:飾り切り

「飾り切り」とは、食材を切る際に見た目が美しいよう細工して切る切り方の事。おせちの人参やパイナップルボートが代表例ですね。大きなサイズであるメロンは、飾り切りを施すと、それだけで映えるパーティーの主役になります。また、さりげなく取り込めば、日常の一皿もより優雅な雰囲気に変えてくれるでしょう。

多くの飾り切りは特殊な道具を使わずに包丁だけで出来ますよ。今回は代表的なスタイルの「基本の切り方」をご紹介します。

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メロンの飾り切りの一例と作り方
A:皮に切り込みを入れる飾り切り
 1.くし形(8分の1)にカットし、一方の端を切り離さないように、果肉と果皮の間を切り離す
 2.果肉側から果皮に包丁を入れ、デザインによって切り込みを入れたり、切り落としたりする
B:果肉をカットする飾り切り
 1.好みの大きさにカットし、きれいに皮を切り取る
 2.果肉を食べやすい大きさにカットし、切り取った皮の上に見栄え良く盛り付ける
C:メロンを器にする飾り切り
 1.メロンのお尻部分を少し切り落とし、置いたときに安定させる
 2.メロンの上部3分の1あたりを1周、V字に包丁を差し込む(フラワーカット)
 3.上部を蓋のように外し、果皮と果肉の間にぐるっと一周包丁を入れ、果肉を取り出す
 4.果肉を食べやすい大きさにカットし、メロンの器に戻す

さらに、「くり抜き器」があれば、メロンをコロンと丸い形にくり抜けます。丸くくり抜いたメロンは、それだけで飲み物やデザートをワンランクアップしたおしゃれなデコレーションに引き上げてくれますよ!

飾り切りは意外と簡単。基本の形さえ押さえれば、あとは組み合わせるだけでいくらでも応用できます。メロンは果皮もしっかりしているので、切り込みの失敗も少ないです。メロンを切る際にはぜひ挑戦してみてくださいね。

メロンの追熟方法

まだ熟したサインが見られないメロンは家庭で追熟させてから食べましょう。

追熟の方法はとっても簡単。温度が20~25℃の直射日光を避けた風通しの良い室内に、メロンを新聞紙などに包んで置いておくだけです。熟すまでの期間は、一般的には収穫してから5日~1週間ほど。購入した時点である程度は追熟が進んでいますから、2~3日後には食べごろを迎えるでしょう。

もし、追熟を早めたい時はメロンを丸ごと袋に入れて口を閉じ、密封した状態で常温に置いておきます。すると、メロンから自然に発生されるエチレンガスが袋の中に充満し、追熟が早く促されますよ。追熟時の室温には要注意!高すぎると熟す前に傷む原因になりますが、逆に低すぎる冷蔵庫などに入れてしまっても、追熟が進まなくなってしまいます。適した環境がない場合には、部屋に冷房をかけてあげましょう。

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美味しいメロンの食べ方

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溢れる果汁と濃厚な甘みのメロンは、そのままで立派なデザートになります。まさにメロンの王道の食し方!しかし、実は簡単なアレンジで、少し違った魅力も楽しめますよ。では、カットしたメロンの美味しい食べ方のコツと、様々な加工について見ていきましょう。

1.フレッシュを生で

食べ頃のメロンは、まずはフレッシュでそのままいただきたいですね!香り・甘み・食感、すべて丸ごと味わえます。食べる2~3時間ほど前に冷蔵庫に入れ、程よく冷やすと一層美味しさが際立ちますよ。くし形にカットしてお皿に乗せれば立派なデザートになりますし、半分に切っただけでワタを取り出し、そのままスプーンですくえば、果汁も漏らさず食べられますね。

また、ジューサーにかけ、フレッシュジュースにするのもおすすめです。リッチな味わいはそのままに、どこでも片手でメロンが楽しめます。簡単なアレンジなら、ブランデーをかけて、大人向けの味わいに。ほかにも、メロンと相性の良い生ハムをプラスして、生ハムメロンなど前菜やおつまみにも活用できますよ。

2.大量消費なら加工して

大量消費するなら、メロンをジューサーにかけ、ピューレ状にしてしまいましょう。もちろんそのまま飲んでもOKですが、ゼリーやムースなど他のメニューへ加工の幅が広がりますよ。

加工のおすすめはメロンのソルベやグラニテ!冷凍なので長く保存でき、加熱不要なのでメロンの風味はそのまま楽しめます。甘みが少ないメロンの場合は、ガムシロップなどをプラスしましょう。他にも、ピューレをそのままソース代わりにして、かき氷やヨーグルトににかけたり、デザートに添えても良いでしょう。反対に、メロンはペクチンの含有量が少ないため、ジャム作りには適していません。水っぽいため、焼き菓子への使用も不向きです。ご注意を。

「ワタ」や「種」も食べられる

メロンをカットする時に取り除く「ワタ」や「種」、実は食べられることをご存じでしょうか?

捨ててしまう人も多い「ワタ」や「種」ですが、とっても栄養があるのです。ワタには「美肌ビタミン」と呼ばれるビタミンCや整腸効果が期待される食物繊維、赤肉メロンの場合はβカロテンも入っており、種には意外にもカルシウムがたくさん含まれています。

もちろんそのまま食べても良いですが、食べづらい場合は果肉と一緒にミキサーで回し、ジュースにしてしまいましょう!メロンは種の周りが最も甘いので、ジュースに混ぜるのが最適です。もし、種の食感が気になる方は、ジュースにした後に濾すか、種は別に調理します。種の加工には水分を飛ばした「ドライ種」がおすすめ。乾かした種を炒めたり、素揚げにすると美味しく食べられますよ。

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メロンの保存方法

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「メロンの追熟方法」で解説した通り、固いメロンは冷蔵庫に入れず、常温で保存(追熟)します。

完熟メロンの食べるタイミングを伸ばしたい時や、メロンは1個が大きいので一度に食べきれない場合もありますね。そんな時はメロンを正しく保存して、少しでも長く美味しくいただきましょう。ここでは完熟したメロンの保存について詳しく解説していきます。

1.完熟メロンは冷蔵庫へ

しっかり熟したメロンは冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。丸ごと1個入るスペースがない場合は、半分に切ってもOK。カット済のメロンはワタと種が残っていると、そこから傷みやすくなるので、取り除いてからラップでピッタリとくるみ、冷蔵庫に入れましょう。ただし、冷蔵庫に入れるのは、しっかり追熟しきってから!メロンは完熟前に冷蔵庫に入れると、それ以上追熟しなくなってしまいます。

メロンの食べごろ期間は短いもの。冷蔵庫に入れても2~3日を目安に食べ切りましょう。出来るだけ長く保存したい場合は、完熟の一歩手前で冷蔵保存すると長く保存できますよ。

2.冷凍して長く保存

冷凍する場合は、カットしたままの状態ピューレ状にしてからの2パターンがあります。どちらも1か月ほどを目安に保存しましょう。

カットしたままの状態で冷凍する場合は、使いやすい大きさに切ったメロンを、一度バットなどに広げて凍らせてから保存袋などに入れると便利です。メロンは完全に解凍すると水分が抜けてべちゃっとしてしまうため、半解凍で使ってください。半解凍でそのままフローズンメロンとして食べても美味しいですし、ミキサーに牛乳やバニラアイスと一緒にかけ、シェイクにして飲むのもおすすめです。

ピューレ状にした場合は、保存袋で凍らせる際、平らにしておくと収納に困りません。小分けの冷凍容器で凍らせれば、使いたい分だけ取り出せて便利ですね。こちらも半解凍でシェイクにしたり、完全に解凍してからムースやゼリーなどに加工することも可能です。

メロンは追熟してさらに美味しく!上手にカットして、目で舌で楽しもう!

「未熟なメロンは常温で追熟、完熟メロンは冷蔵庫」が美味しい保存の鉄則です!ほどよく冷やした完熟メロンは、半分に切ってスプーンで、おしゃれにカットしてデコレーションに、シャーベットやスムージーに加工して。その美味しさは変わらないまま、様々なバリエーションで活躍します。味わいも見た目も、メロンを楽しみ尽くしましょう!

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家庭科

メロンの追熟って何?美味しい保存方法は?おしゃれな切り方や加工方法も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説

メロンの保存方法

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「メロンの追熟方法」で解説した通り、固いメロンは冷蔵庫に入れず、常温で保存(追熟)します。

完熟メロンの食べるタイミングを伸ばしたい時や、メロンは1個が大きいので一度に食べきれない場合もありますね。そんな時はメロンを正しく保存して、少しでも長く美味しくいただきましょう。ここでは完熟したメロンの保存について詳しく解説していきます。

1.完熟メロンは冷蔵庫へ

しっかり熟したメロンは冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。丸ごと1個入るスペースがない場合は、半分に切ってもOK。カット済のメロンはワタと種が残っていると、そこから傷みやすくなるので、取り除いてからラップでピッタリとくるみ、冷蔵庫に入れましょう。ただし、冷蔵庫に入れるのは、しっかり追熟しきってから!メロンは完熟前に冷蔵庫に入れると、それ以上追熟しなくなってしまいます。

メロンの食べごろ期間は短いもの。冷蔵庫に入れても2~3日を目安に食べ切りましょう。出来るだけ長く保存したい場合は、完熟の一歩手前で冷蔵保存すると長く保存できますよ。

2.冷凍して長く保存

冷凍する場合は、カットしたままの状態ピューレ状にしてからの2パターンがあります。どちらも1か月ほどを目安に保存しましょう。

カットしたままの状態で冷凍する場合は、使いやすい大きさに切ったメロンを、一度バットなどに広げて凍らせてから保存袋などに入れると便利です。メロンは完全に解凍すると水分が抜けてべちゃっとしてしまうため、半解凍で使ってください。半解凍でそのままフローズンメロンとして食べても美味しいですし、ミキサーに牛乳やバニラアイスと一緒にかけ、シェイクにして飲むのもおすすめです。

ピューレ状にした場合は、保存袋で凍らせる際、平らにしておくと収納に困りません。小分けの冷凍容器で凍らせれば、使いたい分だけ取り出せて便利ですね。こちらも半解凍でシェイクにしたり、完全に解凍してからムースやゼリーなどに加工することも可能です。

メロンは追熟してさらに美味しく!上手にカットして、目で舌で楽しもう!

「未熟なメロンは常温で追熟、完熟メロンは冷蔵庫」が美味しい保存の鉄則です!ほどよく冷やした完熟メロンは、半分に切ってスプーンで、おしゃれにカットしてデコレーションに、シャーベットやスムージーに加工して。その美味しさは変わらないまま、様々なバリエーションで活躍します。味わいも見た目も、メロンを楽しみ尽くしましょう!

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