ホタテは北海道や東北地方で漁獲され、日本ではよく食べられている人気の貝です。和食だけでなく中華料理やフランス料理にも使われ、上品で癖が少なく美味しい貝なんです。しかし、ホタテは美味しいだけじゃなく、魚介類の中でも多くの栄養素を含んだ貝なんです。今回はそんな栄養満点のホタテがどんな貝なのか、栄養や効能についてもフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は貝の中でも人気のあるホタテについて解説していく。

ホタテの特徴は?

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ホタテは北海道と東北地方の砂地の海に生息するニ枚貝です。食用として出回るホタテは、そのほとんど養殖されたもので、天然ものはごくわずかしか獲れません。ただ養殖のホタテも、稚貝を海にまき大きく成長したものを水揚げするなど、天然に近い環境で育てられているんですよ。ここではホタテはどのような特徴の貝なのか詳しく解説していきますね。

ホタテは何科の貝?

ホタテはイタヤガイ科に属する二枚貝で、日本人にとっては食用の貝の中でもとても身近な貝の一つです。日本ではイタヤガイ科に属するホタテガイ、イタヤガイ、アズマニシキガイ、ヒオウギガイのことをホタテ(帆立)と呼んでいるんですよ。

ホタテはどうやって育つの?

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ホタテは北海道や東北の海水温が20℃以下の冷たい海で育ち、そのほとんどが養殖されています。天然のものはほとんどなく、食用として出回っているものは、ほぼ養殖されたホタテなんですよ。

養殖方法は大きく分けて2種類あり、地まき式と垂下式があります。地まき式は稚貝を海に放し、海底で泳ぎながら育て、3年ほどして大きく成長したホタテを漁獲しているんですよ。地まき式はホタテが海中を自由に動きまわり、より天然に近い環境で育つので貝柱がしっかりしていて弾力があるのが特徴です。

垂下式は稚貝の貝殻に穴を空けロープに吊るす、またはロープにかごを付けて吊るす養殖方法で、ホタテは海中で吊るされた状態のまま成長するので、砂を噛みにくいのが特徴なんですよ。

ホタテはどこが食べられる?

ホタテはむき身やボイルされた状態で売られていることが多いので、殻付きのホタテはどこが食べられるのかわからない人も多いのではないでしょうか?結論としては、新鮮であればほとんどの部位が生でも食べられるんですただウロと呼ばれる中腸線は食べない方がよいでしょう。

ウロとは消化器官の一つで海中のプランクトンに含まれ毒素を分解する役目をしています。しかし分解しきれない毒素がウロだけに溜まるので注意が必要なんですよ。

ホタテに含まれる主な栄養と効能は?

ホタテは魚介類の中でも、栄養価が高いと言われています。低脂肪でありながらタンパク質も多く含まれており、さらには旨味のもとであるアミノ酸も豊富に含んでいるんですよ。ここではホタテに多く含まれる栄養素のビタミンB1、タウリン、ビタミンB12の栄養と効能をご紹介します。

\次のページで「1.ビタミンB1で疲労回復」を解説!/

1.ビタミンB1で疲労回復

ビタミンB1はホタテに多く含まれる栄養素で、糖がエネルギーに変わるのを助ける働きがあるんです。エネルギーが作り出されないと身体が疲れてしまうので、エネルギーを作り出すサポートをするビタミンB1を含むホタテには、疲労回復に効果があるんですよ。また脳内神経の伝達も良くなり、集中力が高まる効果もあります。

2.タウリンで肝機能強化

栄養ドリンクのCMで「タウリン◯◯mg配合」と聞いたことはありませんか?このタウリンは栄養ドリンクの主成分として有名ですが、ホタテをはじめとする魚介類にも多く含まれている栄養素なんです。

タウリンにはコレステロールや中性脂肪を減らす役目があり、肝機能の働きを高めてくれるんですよ。そのほか視力の回復、高血圧予防などの効果も期待でき、母乳にも多く含まれている栄養素なんです。

3.ビタミンB12で貧血予防

ビタミンB12には、血液の成分である赤血球に含まれるヘモグロビンを作りだす働きがあり、不足してしまうと鉄分を摂取していても貧血になるおそれがあります。ビタミンB12をしっかりと摂ることにより、貧血予防にもつながるんです。そのほかに神経障害の予防も期待できる栄養素なんですよ。

ホタテはどんな加工品があるの?

ホタテのむき身はさまざまな料理に使える食材ですがむき身以外にも、缶詰や燻製、干し貝柱などの加工品にも使われている食材なんですよ。ここではホタテを使ったさまざまな加工品をご紹介します。

1.調理が簡単なボイルホタテ

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ボイルホタテはホタテを貝殻から外し、ボイルまたはスチームされた加工品です。冷凍か冷蔵状態で売られていて、冷凍の場合は解凍をして、冷蔵の場合はそのままクリームシチュー入れたりバター醤油焼きにするなど、そのまま加熱料理に使えるので、下処理をする手間がかからない便利な加工品なんですよ。

\次のページで「2.お酒のお供に燻製ホタテ」を解説!/

2.お酒のお供に燻製ホタテ

和洋中どんな料理にも使えるホタテは、お刺身やカルパッチョにしても日本酒やワインにも良く合う食材です。燻製されたホタテもスモーキーな香りと旨味が凝縮されているので、おつまみとして人気があります。また、自家製でも作ることが出来るの料理なので、バーベキューなどで少し手の込んだ料理を作りたい人にもおすすめしたいホタテ料理です。

3.高級食材の干し貝柱

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干し貝柱は、ホタテの貝柱を乾燥させて作られています。貝柱は生の状態ですと水分が多く含まれていますが、乾燥させることによって旨味が凝縮するんです。中華料理でよく使われている加工品でシュウマイやチャーハンにほぐして混ぜたり、XO醤、オイスターソースの原料としても使われる高級食材なんですよ。

干し貝柱はイタヤガイなどでも作られておりますが、やはりホタテガイで作られた干し貝柱は美味で高価なんです。大きく形の揃っているものは水で戻し、貝柱の形のまま料理に使われますが、細かく崩れてしまったものなどは出汁用として使われているんですよ。

殻を使った加工品

ホタテの貝殻はどのように作られるのか、中の身を取った貝殻はどこにいくのか気になったことはありませんか?ここで貝殻についても解説しますね。

まず、貝殻がどのように作られているのか?ホタテにはヒモと呼ばれる外套膜があります。そのヒモから海中にあるカルシウム成分を吸収し、ホタテが自ら炭酸カルシウムを作り出し、貝殻も大きく成長するんですよ。

次に中の身を取った貝殻はどこにいくのか?以前は年間20万トン以上の殻が廃棄され、貝殻の山ができるほどの量になり大きな環境問題でした。しかし、近年ではこの問題に取り組む企業が増えて、肥料や凍結防止剤、焼成カルシウムなどのさまざまなものに加工されているんですよ。

栄養が豊富なホタテの魅力を知ろう!

低脂肪でありながら高タンパクなホタテは、多くの栄養素を含んでおり身体に良い食材なんですね。ホタテを原料とした加工品もいろいろとあり、さまざまな料理に使いやすい食材なので、お好みのホタテ料理で栄養を摂りましょう。

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家庭科

ホタテはどんな貝?特徴や栄養・効能もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説

ホタテは北海道や東北地方で漁獲され、日本ではよく食べられている人気の貝です。和食だけでなく中華料理やフランス料理にも使われ、上品で癖が少なく美味しい貝なんです。しかし、ホタテは美味しいだけじゃなく、魚介類の中でも多くの栄養素を含んだ貝なんです。今回はそんな栄養満点のホタテがどんな貝なのか、栄養や効能についてもフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリスト。元コックで、さまざまな食材に対する知識がある。今回は貝の中でも人気のあるホタテについて解説していく。

ホタテの特徴は?

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ホタテは北海道と東北地方の砂地の海に生息するニ枚貝です。食用として出回るホタテは、そのほとんど養殖されたもので、天然ものはごくわずかしか獲れません。ただ養殖のホタテも、稚貝を海にまき大きく成長したものを水揚げするなど、天然に近い環境で育てられているんですよ。ここではホタテはどのような特徴の貝なのか詳しく解説していきますね。

ホタテは何科の貝?

ホタテはイタヤガイ科に属する二枚貝で、日本人にとっては食用の貝の中でもとても身近な貝の一つです。日本ではイタヤガイ科に属するホタテガイ、イタヤガイ、アズマニシキガイ、ヒオウギガイのことをホタテ(帆立)と呼んでいるんですよ。

ホタテはどうやって育つの?

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ホタテは北海道や東北の海水温が20℃以下の冷たい海で育ち、そのほとんどが養殖されています。天然のものはほとんどなく、食用として出回っているものは、ほぼ養殖されたホタテなんですよ。

養殖方法は大きく分けて2種類あり、地まき式と垂下式があります。地まき式は稚貝を海に放し、海底で泳ぎながら育て、3年ほどして大きく成長したホタテを漁獲しているんですよ。地まき式はホタテが海中を自由に動きまわり、より天然に近い環境で育つので貝柱がしっかりしていて弾力があるのが特徴です。

垂下式は稚貝の貝殻に穴を空けロープに吊るす、またはロープにかごを付けて吊るす養殖方法で、ホタテは海中で吊るされた状態のまま成長するので、砂を噛みにくいのが特徴なんですよ。

ホタテはどこが食べられる?

ホタテはむき身やボイルされた状態で売られていることが多いので、殻付きのホタテはどこが食べられるのかわからない人も多いのではないでしょうか?結論としては、新鮮であればほとんどの部位が生でも食べられるんですただウロと呼ばれる中腸線は食べない方がよいでしょう。

ウロとは消化器官の一つで海中のプランクトンに含まれ毒素を分解する役目をしています。しかし分解しきれない毒素がウロだけに溜まるので注意が必要なんですよ。

ホタテに含まれる主な栄養と効能は?

ホタテは魚介類の中でも、栄養価が高いと言われています。低脂肪でありながらタンパク質も多く含まれており、さらには旨味のもとであるアミノ酸も豊富に含んでいるんですよ。ここではホタテに多く含まれる栄養素のビタミンB1、タウリン、ビタミンB12の栄養と効能をご紹介します。

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