
しらすの栄養や効能は?アンチエイジングやダイエットにも効果あり?現役管理栄養士がわかりやすく解説
2.カルシウムの吸収を助けるビタミンD
しらす干しには、100gあたり12μgのビタミンDが含まれています。ビタミンDは、カルシウムの吸収をサポートするビタミンです。
また、免疫細胞を活性化させる働きがあり、抗菌力を高めたり炎症を抑えたりと、免疫調整作用もビタミンDの重要な役目もあります。
不足すると骨が柔らかくなる「骨軟化症」を引き起こす恐れがありますので、毎日少しずつ摂りたい栄養素です。逆に、過剰摂取でも身体の不調の原因となるため、バランスよく摂りましょう。
ビタミンDが含まれる食品を摂るほか、日光に当たることで体内でも合成されます。しらす干しをさらに乾燥させたちりめんじゃこには、より多くのビタミンDが含まれているため、骨を強くする目的ならしらすよりもちりめんじゃこを選ぶと良いでしょう。
3.貧血予防や神経機能を保つビタミンB12
ビタミンB12は、神経や血液の細胞を正常に保つ働きがあります。
造血作用に関わっており、不足すると巨赤芽球性貧血を引き起こす恐れも。主に動物性の食品に多く含まれるビタミンのため、菜食主義者の食事では不足しがちです。
もともとしらすにはビタミンB12が多く含まれますが、水溶性のビタミンのため、釜揚げしらすに加工される際にお湯の中に流れ出てしまいます。とは言え、100gあたりのしらす干しに含まれるビタミンB12は3.2μg。1日の摂取基準の2.4μgを上回っています。
100gのしらすを一度に取ることはないでしょうが、和え物やサラダにしらすを少量トッピングするだけでも、少しずつビタミンB12を取り入れることができますよ。
4.血圧を下げ、肥満を予防するマグネシウム
マグネシウムは、カルシウムと同じくミネラルの1種です。50~60%が骨や歯に存在し、その他は筋肉や脳、神経などの細胞に存在しています。骨を強くする働きのほか、血管を拡張させて血圧をさげたり、血小板の凝集を抑えて血液をサラサラにするといった役目も。
マグネシウムは酵素を活性化させ代謝を上げるため、肥満予防にも効果的です。
現代日本人の食生活ではマグネシウムは不足しがち。さらに、精神的にストレスを感じると体内のマグネシウムの量が減るといった報告もあることから、毎日少しずつ取り入れることが大切です。
しらす干しには100gあたり80mgのマグネシウムが含まれています。海藻類や豆類など、ほかの食材と合わせ、意識して取り入れたい栄養素です。和食を心がけるとマグネシウムが補いやすいですよ。
しらすの健康効果は?

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小魚は健康に良いというイメージがありますね。しらすも、魚の栄養をまるごと摂取できる優秀な食材です。しらすを食べると、どのような効果があるか解説します。
1.骨や歯を丈夫にする
カルシウムやビタミンD、マグネシウムの働きで、骨密度を高め骨や歯が丈夫になります。カルシウムやマグネシウムは現代の日本人に不足しがちな栄養素なので、しらすなどの小魚で手軽に取り入れられるのは嬉しいですね。
しらすの親であるイワシにもカルシウムは含まれていますが、骨ごと食べられるしらすのほうがカルシウムの含有率が多いためおすすめです。
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