梅と聞くとみんなは何を思い浮かべるでしょう?梅園での梅鑑賞なんて最高だ!ですが、今回は観賞用の梅ではなく、果実を収穫できる梅についてです。梅の実の種類や旬、いい梅の選び方などを、料理が趣味の主婦ライターいわさゆこと一緒に解説していきます。

ライター/いわ さゆこ

4人の子を持つ主婦ライターいわさゆこです。趣味は料理と読書。梅の時期になると畑の梅の木からいい香りが漂ってきます。梅の甘い香りが大好きで、自家製の梅酒が楽しみの一つです。梅干しも好きで、ごはんのお供によく食べます。

梅には種類があるの?

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梅は園芸上、花を観賞する梅(花梅)と果実の収穫を目的とする梅(実梅)に分けられます。花梅と実梅は、それぞれが全く別のものと思われる方も多いですが、花が美しく、実も収穫できる品種が多いので、厳格な区別はありません。実梅は大きく分けて3種類。主に梅酒などに使われる「青梅」、梅干しに使われる「完熟梅」、粒の小さな「小梅」に分けられます。

1.完熟する前の青い梅(青梅)

青梅は梅が熟す前なので爽やかな酸味と風味があるのが特徴になります。梅干しにするには果肉が固すぎるので、梅酒や梅シロップなどに向いていますよ。青梅は、未熟なうちに収穫した梅で、固くてつぶれにくいですが、梅エキスは十分に抽出できるのです。梅の追熟は早く、収穫して数日のうちに色が変わり、完熟梅へと変化するので収穫や購入後早めに加工しましょう。

2.青梅が完熟したもの(完熟梅)

完熟梅は、黄色味を帯びているので黄梅とも呼ばれています。若い時は緑色の青梅ですが、収穫せずに日数を置くことで色が黄色や赤色に変化していくのです。また、 青梅として収穫した梅を常温で数日間置いておくと追熟して完熟梅になります。追熟した梅を放置するとさらに柔らかくなり、腐敗して食べられなくなってしまいますので、いい頃合いを見はからって使用してください。

果肉が柔らかいので、梅干しや梅ジャムなどに加工するといいですね。梅シロップや梅酒にも使え、香りは甘くなり、よりフルーティーに仕上がりますが、青梅よりもつぶれやすいので注意が必要です。

3.小さい梅(小梅)

小梅とは小さい梅のことです。しかし、小梅とは小さい梅の実をつける品種の総称であって、小粒の梅のことを小梅とは呼びません。花も葉も実もすべて普通の梅より小さく、果実は直径1cmほどで、種が小さく肉厚で食べやすいのが特徴です。梅酒や梅シロップなどの加工にも使用できますが、抽出できるエキスが少量なので、カリカリ梅に向いています。コロコロした見た目が可愛いですよね。

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梅の旬はいつ?

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梅の旬がいつだか気になりますよね。スーパーや八百屋、産直市場などで売られているのは一年の中でも限られた期間だけです。梅は収穫後にも追熟するので、入手後は用途に合わせて早めに加工しましょう。

1.熟す前に収穫される青梅の旬

青梅は、酸味や風味が強く、硬めの食感が特徴になります。実全体が青く、触った時に固ければまだ熟していない証拠です。地域によって、収穫時期は若干異なりますが、一般的には5月下旬から収穫されて市場に出回ります。旬の時期しか店頭には並びませんので時期を逃さず購入するようにしてくださいね。

2.ある程度熟してから収穫される完熟梅の旬

完熟梅とは黄色に熟した梅のことで、実が柔らかく、甘味があるのが特徴です。実の色は全体が黄色く、触ると柔らかい段階になっています。完熟梅はすでに柔らかくなっているので、腐敗が進む前に加工することが大切です。完熟梅は青梅より半月~1か月ほど遅い、6月中旬ころから収穫され店頭に並びます。木成りで完熟された実の方が、青梅を収穫して追熟したものより香りが豊かです。

3.小梅の旬

小梅は、6月中旬~下旬にかけた梅雨の時期に旬を迎えます。梅全体としても6月が旬の時期になりますが、小梅は地域によっては5月下旬から収穫できる場合もあるようです。

梅の収穫時期は、成熟度によって異なります。梅の収穫に迷った時は、実の色と硬さで収穫時期を判別してくださいね。

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美味しい梅はどこをみればいいの?

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梅は、梅干しや梅酒、梅ジャムなどに加工するのが一般的です。お店には固い青梅や完熟した黄色い梅が売られていますが、何を作るのか用途によって梅を選びましょう。

1.果実に丸味があって傷がないもの

果実がふっくらとしてきれいな丸味があり、表面に傷や斑点がないものを選びましょう。果皮に張りがあって、よい香りがするかどうかも見極めるポイントになります。

2.やわらかい梅干しやジャムには完熟梅

やわらかい梅干しや梅ジャムを作るなら、ある程度熟した黄色い果実がおすすめです。ほどよく熟した梅で梅干しを作ると、口当たりのよい上品な梅干しができますよ。また、木成りで熟したものの方が、青梅を追熟させて黄色くなったものよりも香り高く仕上がります。やわらか過ぎるものは傷んでいる可能性があるので、避けたほうが無難です。

3.固い梅干しにするなら青梅か青い小梅

固めの梅干しにするなら、青いものを使うとよいでしょう。果肉が固く引き締まっていて、きれいな緑色をしており、粒の大きさが揃っているものを選びましょう。カリカリ梅を作るなら小梅が最適ですよ。ただし新鮮な果実であっても、常温で置いておくと数日で黄色く柔らかくなってくるので、入手したらなるべく早く加工してください。

4.梅酒や梅シロップには青梅

梅酒や梅シロップには、固めの青梅が使われることが多いですが、果実に固さがあれば、黄色い梅でも大丈夫です。しかし、完熟したやわらかい梅を使うと、つぶれて濁りやとろみが出るのでおすすめしません。

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梅はどこで手に入る?

一般的に青梅の出回る時期は5月下旬~6月中旬で、完熟梅が出回る時期は6月中旬~下旬ころです。その年の気候や産地によっても前後しますが、この時期はスーパー産直市場通販などで入手できます。7月になると入手しづらくなるので、時期を逃さずチェックしましょう。

梅の旬が終わってしまっても冷凍の梅は通販で購入することができます。冷凍梅は果肉が崩れてしまうので、梅干しには向いていません。しかし、梅酒や梅シロップに加工するのなら冷凍の梅を使っても問題ありませんよ。果肉の組織が壊れることで梅のエキスが抽出しやすくなるメリットがあります。

旬の時期に美味しい梅を選んで素早く加工しよう!

梅の時期は短く、店頭に並ぶのも1ヵ月程度です。使う用途によって選ぶべき梅が異なりますので、まずは用途を決めてから購入することをおすすめします。加工した梅は長期間の保管が可能になりますよ。購入から加工までは、短期間で済ます必要がありますが、その後は長い期間楽しめますので、梅の加工品を作ってみてはいかがでしょうか。

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家庭科

梅にも種類があるの?旬や美味しい梅の選び方も主婦歴15年のママライターが詳しくわかりやすく解説!

梅と聞くとみんなは何を思い浮かべるでしょう?梅園での梅鑑賞なんて最高だ!ですが、今回は観賞用の梅ではなく、果実を収穫できる梅についてです。梅の実の種類や旬、いい梅の選び方などを、料理が趣味の主婦ライターいわさゆこと一緒に解説していきます。

ライター/いわ さゆこ

4人の子を持つ主婦ライターいわさゆこです。趣味は料理と読書。梅の時期になると畑の梅の木からいい香りが漂ってきます。梅の甘い香りが大好きで、自家製の梅酒が楽しみの一つです。梅干しも好きで、ごはんのお供によく食べます。

梅には種類があるの?

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梅は園芸上、花を観賞する梅(花梅)と果実の収穫を目的とする梅(実梅)に分けられます。花梅と実梅は、それぞれが全く別のものと思われる方も多いですが、花が美しく、実も収穫できる品種が多いので、厳格な区別はありません。実梅は大きく分けて3種類。主に梅酒などに使われる「青梅」、梅干しに使われる「完熟梅」、粒の小さな「小梅」に分けられます。

1.完熟する前の青い梅(青梅)

青梅は梅が熟す前なので爽やかな酸味と風味があるのが特徴になります。梅干しにするには果肉が固すぎるので、梅酒や梅シロップなどに向いていますよ。青梅は、未熟なうちに収穫した梅で、固くてつぶれにくいですが、梅エキスは十分に抽出できるのです。梅の追熟は早く、収穫して数日のうちに色が変わり、完熟梅へと変化するので収穫や購入後早めに加工しましょう。

2.青梅が完熟したもの(完熟梅)

完熟梅は、黄色味を帯びているので黄梅とも呼ばれています。若い時は緑色の青梅ですが、収穫せずに日数を置くことで色が黄色や赤色に変化していくのです。また、 青梅として収穫した梅を常温で数日間置いておくと追熟して完熟梅になります。追熟した梅を放置するとさらに柔らかくなり、腐敗して食べられなくなってしまいますので、いい頃合いを見はからって使用してください。

果肉が柔らかいので、梅干しや梅ジャムなどに加工するといいですね。梅シロップや梅酒にも使え、香りは甘くなり、よりフルーティーに仕上がりますが、青梅よりもつぶれやすいので注意が必要です。

3.小さい梅(小梅)

小梅とは小さい梅のことです。しかし、小梅とは小さい梅の実をつける品種の総称であって、小粒の梅のことを小梅とは呼びません。花も葉も実もすべて普通の梅より小さく、果実は直径1cmほどで、種が小さく肉厚で食べやすいのが特徴です。梅酒や梅シロップなどの加工にも使用できますが、抽出できるエキスが少量なので、カリカリ梅に向いています。コロコロした見た目が可愛いですよね。

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