甘酒はアルコールゼロ!どんな栄養が豊富なの?特徴や効能も管理栄養士が詳しくわかりやすく解説
今回はそんな栄養豊富と言われる甘酒の特徴や効能を、基本情報を確認しつつ管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。
ライター/ミサキ
給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。子供のころから甘酒が大好きで、特に寒い時期になると良く飲んでいる。
甘酒は日本の伝統的な甘味飲料の一種で、見た目はどぶろくににて混濁している。甘粥とも呼ばれる。
主に米こうじと米、あるいは酒粕を原料とする。酒という名前がつくもののアルコール含有はわずかで市販されている商品はソフトドリンクに分類される。
出典:Wikipedia
甘酒は昔からある飲み物で、お酒ではないということですね。続いて、甘酒のアルコールについてと、どれくらい昔からある飲み物なのか歴史を解説していきます。
甘酒は基本アルコールゼロ
「アルコール含有はわずか」とされていますが、スーパーで手に入るような甘酒はアルコールゼロです。アルコールは1%未満で「アルコールゼロ」表示できることが日本の酒税法で決められています。
アルコールが含まれる可能性のある甘酒は、酒粕から作られているものです。甘酒の商品の表示をよく見ると、わずかにアルコールを含んでいることもあるので確認してから購入すると良いでしょう。
しかし、アルコールの沸点は約78度であって、ほとんどの場合甘酒は加熱して飲むことからアルコールを含まない場合が多いです。米麹から作られているものやアルコール0.00%の表示があれば、アルコールは全く含まないので選ぶ際の参考にしてみてください。
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甘酒の歴史
麹から作られる甘酒は、奈良時代の書紀に甘酒の起源とされている「天甜酒(あまのたむざけ)」や「醴(あまざけ)」として登場しています。天皇に捧げたと記されていて、甘酒は1000年以上昔から日本に存在していました。もともとは神様にお供えしたり天皇に捧げたりする貴重なものだったようです。
また、酒粕から作られる甘酒も「粕湯酒」として万葉集に登場しており、奈良時代ごろから庶民の間で親しまれていました。江戸時代のはじめころには甘酒売りが始まり、健康に良い飲み物として定着していったと考えられています。
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甘酒に含まれる主な栄養と効能は?
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栄養豊富でさまざまな効能がある甘酒。継続的に甘酒を飲むことで、効果が実感できます。具体的にどのような栄養が豊富でどのような効果が認められているのかみていきましょう。
1.疲労回復に期待の麹菌
甘酒に含まれている麹菌は発酵食品の1つで、発酵の過程でさまざまな栄養成分を作り出すことが健康増進や疲労回復に効果が期待されています。たんぱく質や脂質を分解する酵素などです。また、麹菌に含まれる酵素は、善玉菌の活性化やビタミンやミネラルなどの栄養作りを行います。
さらに、麹菌は消化吸収を助ける働きもあるそうです。疲労回復だけではなく免疫力もアップして体に良いのは、嬉しい効果ですよね。
2.ブドウ糖はダイエットを助ける
甘酒の甘味成分であるブドウ糖は、少量で満腹感を感じられるため食べすぎを抑える効果があります。活動のエネルギー源になり血糖値を上げることで知られているのが、ブドウ糖です。甘酒を飲むことで血糖値が上がり満腹中枢や摂食中枢を刺激し、食べすぎを防げます。
また、ブドウ糖に期待できるのは、素早く栄養補給ができて運動中・運動後の低血糖を防ぐ効果です。甘酒を飲んでから運動すれば、疲れにくく効率良く活動ができるでしょう。
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3.必須アミノ酸で健康な身体に
甘酒に含まれる必須アミノ酸は、健康な身体を構成する重要な成分です。身体で作ることができず食品から摂取する必要のある9種類すべての必須アミノ酸を、甘酒は含んでいます。必須アミノ酸は、筋肉を作る働きや髪の毛や肌の健康に大きくかかわっている成分です。他にも、肝機能や脳機能の向上・精神疾患の改善などの効果もあります。
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