9月頃になると果物売り場でシャインマスカットをよく見かけるようになるよな。売り場の目立つところに置かれている上に、実がしっかりして色も鮮やかだから、いかにも高級感を感じる果物です。そんなシャインマスカットですが、世の中に出回りだしてからまだ20年も経ってなのです。今回はブドウの中でも人気の品種、シャインマスカットの特徴や栄養・効能についてフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリストのコナパパです。もともとコックとして働いておりましたので、さまざまな食材に対する知識があります。今回は贈り物などにも喜ばれるシャインマスカットについて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

シャインマスカットの特徴は?

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ブドウは皮を剥いたり種が入ってたり、何かと食べるのが面倒な果物ですよね?そんな消費者の思いを解決したのが「シャインマスカット」です。シャインマスカットには種がなく、皮ごと食べれるのが大きな特徴で、食べやすいように品種改良されたブドウなんですよ。また、皮が破れにくく病気にも強いなど、栽培がしやすいので生産者にもメリットがあるんです。

近年、ブドウの中でもよく見かけるシャインマスカットですが、どこの国で作られたブドウか知っていますか?実は日本発祥のブドウ品種なんですよ。

シャインマスカットはどうやって作られた?

シャインマスカットは農研機構こと「農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所」で長い年月を費やし、研究されて作られた国産の品種です。ヨーロッパブドウの高い糖度とアメリカブドウの育てやすさを兼ね備え、2006年に品種登録がされました。

クレオパトラが好きだったとされ、世界中でも愛されているマスカットですが、日本は多雨のため栽培には不向きとされてきました。しかし農研機構が長い期間研究を重ね、日本でも栽培しやすく育成したのがシャインマスカットなんです。

皮は食べられるの?

シャインマスカットはパリッとした食感の皮が特徴で、種もなくブドウの粒をまるごと一口で食べれるのが特徴です。また皮の近くには多くの栄養素が含まれており、まるごと食べることで栄養素を余すことなく摂れるメリットもあるんですよ。

ほかのブドウとの違いは?

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まず、ふつうのマスカットとの違いについてですが、本来マスカットはヨーロッパブドウに分類される品種のひとつですが、シャインマスカットは「安芸津21号」と「白南」を交配して生まれたブドウです。祖先の安芸津21号はヨーロッパ系、アメリカ系の品種をかけ合わせているので純粋なマスカットではないんですよ。シャインマスカットは日本で新たに作られた品種になんです。

次に巨峰との違いですが、まず白ブドウと黒ブドウで実の色が違います。ほかにはシャインマスカットは種がなく皮ごと食べれるのに対し、巨峰には種があり皮はあまり食べません。

ただ、ブドウ自体が品種改良が盛んにされている果物なので、近年は巨峰でも種なしのものや、皮ごと食べれるものも栽培されているので、一概に巨峰は種ありで皮は食べないとは言いきれなくなりました。これからも次々と新しい品種のブドウが生まれることでしょう。

\次のページで「カロリーは高いの?」を解説!/

カロリーは高いの?

シャインマスカットは甘みを強く感じるブドウですが、ほかのブドウと比べてもカロリーは自体はそれほど高くありません。しかし甘みが強い分、糖分は高いので食べすぎてしまうと、肥満の原因になるので注意してくださいね。一日の適量は10粒以下とされています。

シャインマスカットに含まれる主な栄養素と効能は?

世界三大美女の一人でもあるクレオパトラも愛したと言われるマスカット。その後継者とされているシャインマスカットともなれば、美容などにも良さそうなイメージが湧いてしまいますよね?ここではシャインマスカットにはどのような栄養素や効能があるのか解説していきます。

1.ビタミンB1で疲労回復

ビタミンB1は体内に入ると、糖質をすぐにエネルギー源に変えるのを助けてくれる働きがあるので、疲労回復にとても有効なんです。日頃から糖質を多く取りがちな人や、運動をよくする人には特に重要な栄養素なので、シャインマスカットを食べて疲れた身体を労りましょう。

2.ポリフェノールでアイチエイジング

シャインマスカットは「レスベラトロール」というポリフェノールを多く含んでいます。レスベラトロールはシャインマスカットの果実の部分に多く含まれており、強い抗酸化作用があるんです。そのため、生活習慣病を予防する効果や、身体のサビを排出し肌を若返らせるアンチエイジング効果が期待され、美容にも良いとされているんですよ。

3.ブドウ糖で脳の活性化

ブドウ糖は疲労回復には欠かせない栄養素です。体内への吸収率が良く、すぐにエネルギー源に変換されるのも特徴で、脳の働きを良くし、集中力を高めてくれる効果が期待できます。デスクワークや勉強中に2,3粒食べるだけでも集中力が高まるのでおすすめですよ。

シャインマスカットのよくある2つの疑問と注意点

近年よく見かけるようになったシャインマスカットですが、2006年に品種登録されたので、まだまだ知られていないことが多い果物でもあります。ここではシャインマスカットについて、よくある疑問と注意点について解説していきますね。

疑問その1.シャインマスカットについている白い粉は何?

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シャインマスカットは実の表面に白い粉が付着しているものがあるのですが、見たことはありますか?一見、栽培の過程で付いてしまった農薬が残ったものかと思い心配になりますよね?しかしこの表面に付く白い粉は、「ブルーム」と呼ばれるブドウが持つ脂質が浮き上がったもので「天然のワックス」と言われているんです。

この粉には、鮮度を保つ働き、外からの病気を守る効果、果実の水分を逃さない役目があるんですよ。多くの人が農薬と思っていた白い粉は自然のもので新鮮な証拠でもあるんですね。

疑問その2.農薬は大丈夫?

種無しのブドウを作る過程でジベレリンと言われる農薬の一種が使われています。これを使うことによって、受粉させずに実を大きくしたり、成長を早める効果が期待できるんですよ。言葉だけ見ると少し怖い気もしますが、ジベレリンは自然界にも存在する植物ホルモンの一種なんです。

また、世界でみても農薬について厳しい基準を設けている日本で許可されているものなので、安全と言って問題ありません。残留農薬についても気になるかと思いますが、シャインマスカットは収穫まであいだ一房ずつ袋を被せているので、農薬については、ほぼ心配のない果物なんですよ。

注意点その1.食べすぎるとどうなる?

シャインマスカットは甘みが強いのを売りにしているブドウなので、カロリーは低いですが糖分は高めです。この糖分は食べてからすぐにブドウ糖に変わるので、敵量を食べる分にはエネルギー源に変わり、健康面でも良いとされています。しかし食べすぎると糖分を取りすぎてしまい肥満の原因になりえるので注意してくださいね。

\次のページで「栄養満点のシャインマスカットを食べよう!」を解説!/

栄養満点のシャインマスカットを食べよう!

ビタミンやポリフェノールを豊富に含んでいるシャインマスカットは健康や美容にも良いことがわかりましたね。どの果物にも当てはまりますが、過剰に摂取して身体に良いものはないので、食べる量には気をつけましょうね。

" /> シャインマスカットってどんな果物?栄養や特徴・効能もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説 – Study-Z
家庭科

シャインマスカットってどんな果物?栄養や特徴・効能もフードアナリストが詳しくわかりやすく解説

9月頃になると果物売り場でシャインマスカットをよく見かけるようになるよな。売り場の目立つところに置かれている上に、実がしっかりして色も鮮やかだから、いかにも高級感を感じる果物です。そんなシャインマスカットですが、世の中に出回りだしてからまだ20年も経ってなのです。今回はブドウの中でも人気の品種、シャインマスカットの特徴や栄養・効能についてフードアナリストのコナパパと一緒にみていきます。

ライター/コナパパ

フードアナリストのコナパパです。もともとコックとして働いておりましたので、さまざまな食材に対する知識があります。今回は贈り物などにも喜ばれるシャインマスカットについて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

シャインマスカットの特徴は?

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ブドウは皮を剥いたり種が入ってたり、何かと食べるのが面倒な果物ですよね?そんな消費者の思いを解決したのが「シャインマスカット」です。シャインマスカットには種がなく、皮ごと食べれるのが大きな特徴で、食べやすいように品種改良されたブドウなんですよ。また、皮が破れにくく病気にも強いなど、栽培がしやすいので生産者にもメリットがあるんです。

近年、ブドウの中でもよく見かけるシャインマスカットですが、どこの国で作られたブドウか知っていますか?実は日本発祥のブドウ品種なんですよ。

シャインマスカットはどうやって作られた?

シャインマスカットは農研機構こと「農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所」で長い年月を費やし、研究されて作られた国産の品種です。ヨーロッパブドウの高い糖度とアメリカブドウの育てやすさを兼ね備え、2006年に品種登録がされました。

クレオパトラが好きだったとされ、世界中でも愛されているマスカットですが、日本は多雨のため栽培には不向きとされてきました。しかし農研機構が長い期間研究を重ね、日本でも栽培しやすく育成したのがシャインマスカットなんです。

皮は食べられるの?

シャインマスカットはパリッとした食感の皮が特徴で、種もなくブドウの粒をまるごと一口で食べれるのが特徴です。また皮の近くには多くの栄養素が含まれており、まるごと食べることで栄養素を余すことなく摂れるメリットもあるんですよ。

ほかのブドウとの違いは?

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まず、ふつうのマスカットとの違いについてですが、本来マスカットはヨーロッパブドウに分類される品種のひとつですが、シャインマスカットは「安芸津21号」と「白南」を交配して生まれたブドウです。祖先の安芸津21号はヨーロッパ系、アメリカ系の品種をかけ合わせているので純粋なマスカットではないんですよ。シャインマスカットは日本で新たに作られた品種になんです。

次に巨峰との違いですが、まず白ブドウと黒ブドウで実の色が違います。ほかにはシャインマスカットは種がなく皮ごと食べれるのに対し、巨峰には種があり皮はあまり食べません。

ただ、ブドウ自体が品種改良が盛んにされている果物なので、近年は巨峰でも種なしのものや、皮ごと食べれるものも栽培されているので、一概に巨峰は種ありで皮は食べないとは言いきれなくなりました。これからも次々と新しい品種のブドウが生まれることでしょう。

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