美味しいメロンの見分け方って?メロンの旬や産地、人気品種5種も果物大好きパティシエが詳しくわかりやすく解説
メロンの種類:果肉の色/特徴
・青肉メロン:黄色や緑色/爽やかな甘みと香り
・赤肉メロン:オレンジ色/強い甘みと芳醇な香り、果肉は柔らかめ
・白肉メロン:白色/果汁が少なめでサクッとした食感、さっぱりとした甘さ
色の違いは、βカロテンの含有量によるものです。βカロテンとは、緑黄色野菜などに多く含まれている、果肉の色のもとになっている成分ですね。青肉メロンも赤肉メロンも、栄養素や糖度はあまり変わりませんが、唯一、βカロテンは赤肉メロンの方が明らかに多く含まれています。
βカロテンは様々な効能があるので、健康面だけを考えると赤肉メロンがおすすめでしょう。どちらが美味しく感じるか、は好みの分かれるところですね。
メロンの代表品種5選
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メロンの品種は、果肉の色によって「青肉メロン」「赤肉メロン」「白肉メロン」、網目模様の有無によって「ネット型」「ノーネット型」と分けられます。メロンと言えば、「緑色の網目模様」を想像するかもしれませんが、そうとは限りませんよ。メロンは栽培地域によっても独自の改良が加えられ、多種多様な品種が存在します。今回はその中でも知名度の高い5品種をピックアップしてご紹介しましょう。
1.最高級メロンの代名詞:アールスメロン(青肉/ネット型)
高級メロンの仲間「マスクメロン」という名前は有名ですね。「マスク」とはフランス語で「Musk(ムスク)」、日本語で「麝香(じゃこう)※香料の一種」のことを意味します。実は「マスクメロン」というのは品種ではなく、麝香の香りを持つメロンの総称なのです。その中で最高級といわれているのが「アールスメロン」。正確には「アールス・フェボリット」という品種です。
果皮のネットは太くくっきりと入り、マスクメロンの名の通り、熟すと芳醇な香りを放ちます。ジューシーでコクのある甘み、なめらかな食感は上品でバランスの取れた味わいです。
アールスメロンが高級な理由には栽培方法が関係しています。通常、アールスメロンは1つの株から1玉のみを収穫するので、生産量が少ないのです。また、ガラス温室・隔離床での栽培、ネットの管理など、大変手間とコストが掛かります。それゆえに、芸術的な味と見た目と共に付加価値が付くのです。
2.お手頃なネット型:アンデスメロン(青肉/ネット型)
1977年に発表された比較的新しいメロンです。アンデスメロンはネット型メロンでありながら、コストのかかる温室を使わず栽培可能で、比較的手ごろな価格で出回ったことから一躍人気となりました。果皮のネットが緻密で、大きさはやや小ぶり。果肉は黄緑色で、とても甘くジューシーです。マスクメロンのような風味と香りを持っています。
「アンデス」という名前は、南米のアンデス山脈を思い浮かべがちですが、由来には関係ありません。もともとは「生産者・流通・消費者の安心」という意味を込めた「安心ですメロン」を略して「アンデスメロン」としたそうです。
3.人気者の立役者:プリンスメロン(青肉/ノーネット型)
表面が白っぽくツルっとしたメロンです。果肉は中心部がオレンジ色で、外側にいくにしたがって黄緑色になります。500g~700gのやや小ぶりサイズながら、強い甘みと芳醇な香り、なめらかな舌触りが特徴です。
登場は1962年。西洋系メロンが高級で一般的でなかった当時、安定した美味しさと手の届く価格で爆発的な人気となりました。メロンが一般的なフルーツとして定着したのは、プリンスメロンの登場あってこそです。気になる「プリンス」の名前は、皇太子様の御成婚にちなんで付けられたとか。現在は人気品種の増加により生産量は減少していますが、根強い人気を誇る品種です。
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