この記事では「手に手を取る」について解説する。

端的に言えば手に手を取るの意味は「互いに手を取る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に手を取る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に手を取る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に手を取る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に手を取る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に手を取る」の意味は?

「手に手を取る」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.互いに手を取る。特に、相愛の男女が行動をともにする。「―・ってかけおちする」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「手に手を取る」

「手に手を取る」は互いに手を取ること、特に相思相愛の男女が行動をともにすることを意味する慣用句です。手と手を握り合い、仲睦まじく行動をともにする。「手に手を取る」はこうした様子を表現する言葉となっています。二者がお互いに手を取り合うというニュアンスに注意しましょう。

また多くは男女の連れ合いの様子を指して使われる点にも注意が必要です。「手に手を取る」は書籍・新聞等の文章中を中心として現在も使われている言葉となっています。この機会に「手に手を取る」の意味・用法を確認し、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「手に手を取る」の語源は?

次に「手に手を取る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に手を取る」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に手を取る」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また「手に手を取る」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても、あわせて確認しておきましょう。

「手に手を取る」は室町時代末期から江戸時代初期の虎明本狂言・文山立に「ふたりの者は中なをり〈略〉てに手をとりてわがやどに、いぬじにせでぞ、かへりける」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に手を取る」は非常に古くから使われている表現であることが分かりますね。こちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「手に手を取る」の使い方・例文」を解説!/

「手に手を取る」の使い方・例文

「手に手を取る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女と手に手を取って散歩する。
2.公園で手に手を取って仲睦まじく過ごすカップルを見かけた。
3.彼らは手に手を取って、心中する心積もりらしい。

「手に手を取る」は例文のように、互いに手を取ること、相思相愛の二人が行動をともにすることを表して使われている言葉です。互いに手を握り合い、仲良く散歩する。手を握り合い、仲睦まじく過ごす。相愛の二人が行動をともにする。「手に手を取る」はこうした場面の様子を表す言葉となっています。

実際に使用する際は、互いに手を握り合う様子・行動をともにする様子をイメージしましょう。基本的にはカップルの様子を表現する際の言葉となっています。例文から「手に手を取る」の実際の使用場面をイメージし、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「手に手を取る」の類義語は?違いは?

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続いて「手に手を取る」の類義語・違いについて確認していきましょう。「手に手を取る」の類義語をいくつかピックアップしました。関連するよく似た表現との違いを確認することで、「手に手を取る」という言葉の機能をより深く理解することができます。

その1「手を取る」:親切の気持ちを表すため手を握る

「手を取る」は親切の気持ちなどを表すために他人の手を握ることを意味する言葉です。こちらも手を握ることを表す意味となっており、「手に手を取る」と似た意味をもった類義語となっています。こちらは親切に教え導く様子や、反抗する様子を表す意味など、他にも多彩な意味をもっている点に注意しましょう。

\次のページで「その2「手を携える(てをたずさえる)」:手を握る」を解説!/

その2「手を携える(てをたずさえる)」:手を握る

「手を携える」は手を握ること、連れ立つことを意味する言葉です。こちらも手を握ることを表す意味となっており、「手に手を取る」と似た意味をもった類義語となっています。他に協力することを表す意味ももっているため、違いに注意して使い分けていきましょう。

その3「手にする」:手にとって持つ

「手にする」は手にとって持つことを意味する言葉です。こちらも手で持つことを意味する言葉となっており、「手に手を取る」と一部似た意味をもった類義語となっています。他に自分の物にすること、手段・口実にすることを表す意味ももっているため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

その4「握手」:互いに手を握り合う

「握手」は互いに手を握り合うことを意味する言葉です。こちらも互いの手を握り合うことを意味する言葉となっており、「手に手を取る」とよく似た意味をもった類義語となっています。手を握り合う挨拶を表す点など、細かい意味に違いがあるため、違いに注意して覚えておきましょう。

その5「手を取り合う」:手を握り合う

「手を取り合う」は手を握り合うこと、親しい者同士が連れ立つことを意味する言葉です。こちらも手を握り合うことを意味する言葉となっており、「手に手を取る」とよく似た意味をもった類義語となっています。他に力をあわせることを表す意味ももっているため、注意して覚えておきましょう。

「手に手を取る」の対義語は?

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つづいて「手に手を取る」の対義語についても確認していきましょう。「手に手を取る」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「手を切る」:関係を断つ

「手を切る」は関係を断つこと、多く悪い関係や男女関係を断ち切ることを表す言葉です。「手に手を取る」が相愛の二人が行動をともにすることを表す意味を持っていたのに対し、こちらはそうした関係を断ち切る意味をもっています。対義語としてこちらも覚えておきましょう。

\次のページで「「手に手を取る」を使いこなそう」を解説!/

「手に手を取る」を使いこなそう

この記事では「手に手を取る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「手に手を取る」は互いに手を取ること、特に相愛の男女が行動をともにすることを意味する慣用句です。男女関係・カップルの様子を表現することの多い言葉となっているため、こちらの点に注意して覚えておきましょう。

また類義語には「手を取る」、「手を携える」、「手にする」、「握手」、「手を取り合う」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「手に手を取る」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「手に手を取る」について解説する。

端的に言えば手に手を取るの意味は「互いに手を取る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「手に手を取る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「手に手を取る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「手に手を取る」の意味や語源・使い方を一覧でご紹介していきます。またその他「手に手を取る」は分類としては日本語の慣用句であるという点も抑えておきましょう。

「手に手を取る」の意味は?

「手に手を取る」というキーワードを辞典・辞書・事典、ネット上の無料データベースサービス「コトバンク」で用語検索してみると、次のような記載があります。こちらの引用をまず確認していきましょう。

1.互いに手を取る。特に、相愛の男女が行動をともにする。「―・ってかけおちする」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「手に手を取る」

「手に手を取る」は互いに手を取ること、特に相思相愛の男女が行動をともにすることを意味する慣用句です。手と手を握り合い、仲睦まじく行動をともにする。「手に手を取る」はこうした様子を表現する言葉となっています。二者がお互いに手を取り合うというニュアンスに注意しましょう。

また多くは男女の連れ合いの様子を指して使われる点にも注意が必要です。「手に手を取る」は書籍・新聞等の文章中を中心として現在も使われている言葉となっています。この機会に「手に手を取る」の意味・用法を確認し、自身でも使用することができるようにしていきましょう。

「手に手を取る」の語源は?

次に「手に手を取る」の語源を確認しておきましょう。残念ながら「手に手を取る」の語源は現在はっきりとはしていません。「手に手を取る」の語源ははっきりとはしていないと覚えておきましょう。また「手に手を取る」がいつ頃から使われだした言葉なのかという点についても、あわせて確認しておきましょう。

「手に手を取る」は室町時代末期から江戸時代初期の虎明本狂言・文山立に「ふたりの者は中なをり〈略〉てに手をとりてわがやどに、いぬじにせでぞ、かへりける」としてこの言葉が登場しています。このことから「手に手を取る」は非常に古くから使われている表現であることが分かりますね。こちらも覚えておきましょう。

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