この記事ではリラクゼーションとマッサージの違いについてみていきます。どちらも体をほぐしてもらうことで、コリや筋肉のハリなどの悩みを解消するといったイメージがあるでしょう。違いは、国家資格の有無や健康保険の給付が受けられるかといったところ、医師の指示書が必要か不要かなどがあるようです。今回は2つの言葉の違いを、家族に訪問マッサージを利用させていたライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

半身不随になった祖父にリハビリの一環で、訪問マッサージを受けさせていた文学部卒のライター。

リラクゼーションとマッサージのざっくりとした違い

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リラクゼーション(英語:relaxation)は、日本語で骨休め休養、癒やしといった意味。マッサージ(英語:massage)は筋肉などを揉むことをいいます。もともとの言葉の意味を考えると、やはり違いがありますね。

リラクゼーション:公的な資格がなくても施術可能

リラクゼーションは、疲れや緊張を軽減して心身を癒やすための施術です。民間資格で、特に国家資格は必要ありません健康保険による給付は受けられないので注意しましょう。施術する店舗や国内外の各種学校などで数ヶ月~2年程度と一定期間研修をして、技術や知識を身につけるところが多いです。施術者のことをセラピスト(心身の不調を癒やす人)と呼ぶ場合も。手や器具などを使って施術します。

マッサージ:国家資格を有する人が施術

マッサージとは、病気や怪我などの治療や症状などの改善のために行うための施術。マッサージをする人のことをマッサージ師と呼びますよね。筋肉や皮膚を揉む、さする、なでる、軽く叩くなど手を使った技術が主です。

マッサージ師になるには、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を取得する必要があります。まず国が指定する専門学校で3年(大学なら4年)規定の授業を受けて勉強することが条件。国家試験は12科目にわたる出題範囲からなり、合格率は約8割とのことです。

リラクゼーションの特徴

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リラクゼーションは、心身の緊張を取って癒やす目的で施術してもらうこと。具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

\次のページで「1.施術内容が豊富」を解説!/

1.施術内容が豊富

リラクゼーションには、店舗によっていろいろな施術方法があり、自分の好みに合わせて選べることがメリット。その反面、種類が豊富なので、選ぶのに迷ってしまう方も。実際に施術を受けた方に聞いてみるのが最善の方法ですが、周囲にいないこともありますよね。リラクゼーションに特化した口コミサイトを参考にしたり、自宅や職場から通いやすい所を探したりする方法も。代表的な施術は以下の通りです。

リラクゼーションの代表的な施術方法
・もみほぐし…固くなった筋肉のコリをほぐして血行を良くする施術。肩こりや腰痛持ちの人に人気があり、疲労やストレスを解消しやすくする

・整体…日本や中国に古来から伝わる理論をもとに、手技で関節や骨格筋の歪みを取ってバランス良くする施術方法

・カイロプラティック…アメリカ発祥の施術法で、諸外国では一部医療行為が認可されている。脊椎を中心に体を調整して、歪みを取ったり、痛みを軽減させる

・リフレクソロジー…足の裏や手のひらなどにある特定の範囲を押すと、身体や内臓の特定の部分が変化して痛みや不調が緩和されやすくなる施術。
西洋式と台湾式があり、西洋式のほうが押す力が弱めで、台湾式のほうが強め。

・足つぼ…足の裏にあるツボ(経穴)を押して、身体の特定の部分を活性化し不調を和らげる施術。

・ヘッドスパ…頭部を中心としたコリをほぐす施術。美容院と違って水を使わずにオイルなどを使ってもみほぐす場合は「ドライヘットスパ」と呼ぶことも。

2.チェーン店がある場合も

リラクゼーションサロンや店舗の場合、駅に近い場所や商業施設内の通いやすい場所にチェーン店を展開しているところも。幹線道路沿いに駐車場を完備していて便利な店舗もあります。チェーン店の場合は一定の基準を満たした施術者がいて、メニューも統一されているのが一般的。通勤や通学途中、出張先や自宅に近い店舗などといったように場合に応じて通いやすい店舗に行くことも可能です。

3.施術メニューや時間が選べる

店舗によりますが、利用者の都合で便利にメニューや施術時間が選べる場合があります。サイトで確認して、予約の際に問い合わせてみるのがおすすめです。

例えば、技術力のある施術者を指名できる場合や、買い物の合間に10分や20分の短い時間に肩や腰などの部分的なもみほぐしを頼めることも。一方、時間が十分に取れる場合には、60分~90分ほどの時間でじっくりと全身をもみほぐしてもらうこともできます。また、リフレクソロジーとヘッドスパのように、悩みに応じて複数のメニューの組み合わせにも対応できるセットメニューを用意している所もあるようです。

4.インターネットで予約できる

リラクゼーションの店舗は、インターネットの予約システムが完備されている所が多いです。電話のみの場合は、開業時間内に連絡をしなくてはいけないので、仕事や家事で忙しい社会人には難しいことも。

しかし、インターネットでの予約であれば時間と場所を選ばずに手続きできます。店舗のサイトやスマートフォンのアプリなどから好きな日にちと時間を選ぶ、メールフォームやSNSのメッセージで詳細を質問できるなどとメリットが多いですね。

マッサージの特徴

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マッサージとは、病気や怪我などの症状の改善や治療を目的として行われるもの。そのため、医療と密接な関係があります。具体的に見ていきましょう。

1.健康保険の給付が受けられる

まず、マッサージは治療の一環として行われる場合、病院に通院する時のように健康保険証を提示すれば給付を受けることも。治療費の負担が1割~3割で済むことになり、かかる費用を軽減できます。健康保険がきくのは、筋麻痺・関節拘縮の2つ。病気や怪我で筋肉の感覚が鈍っていたり、関節が動かしにくくなったりした場合が当てはまります。

もし、病気や怪我などの後遺症や高齢のせいで体の動きが悪い場合、介助者がいたとしても出入りや移動が大変で、施術を受けに行くのが難しい場合も。治療院によっては、出張でのリハビリマッサージに対応してもらえることもありますよ。事前に確認してみるといいでしょう。

2.他の国家資格を持つと給付の範囲が広がる

もし、施術者が「あん摩マッサージ指圧師」とともに「はり師・きゅう師」(鍼やお灸による施術ができる国家資格)の資格を保有しているのであれば、健康保険の給付の範囲が広がります。店舗名に「〇〇鍼灸院」「〇〇鍼灸マッサージ院」などと付いていれば、両方の有資格者か、有資格者がそれぞれいる可能性が高いでしょう。具体的には以下のような症状の改善にも健康保険が使えます。

\次のページで「3.医師の同意書が必要」を解説!/

あん摩マッサージ指圧師」健康保険が適用される例
・筋麻痺
・関節拘縮 など

はり師・きゅう師」健康保険が適用される例
・神経痛
・リューマチ
・頸肩腕症候群
・五十肩
・腰椎症
・頸椎捻挫後遺症 など

3.医師の同意書が必要

マッサージで健康保険がきくようにするには、主治医の同意書が必要です。同意書とは、関節のこわばりや体の動きの悪さなどの症状が改善したり、緩和できたりするために、マッサージが必要として認める書類のこと。6ヶ月ごとに1回、健康保険の窓口に提出しなくてはいけません。同意書を主治医に書いてもらうには、書類の作成代がかかることがあります。

4.医療費控除の対象になる

健康保険の対象となるマッサージの場合、かかった費用は医療費と同じ扱いになり医療費控除の対象となることも。かかった医療費を計算してみて10万円を超えるようであれば、確定申告をすると税金が還付されることがありますよ。

会社員の場合も、翌年度の2月中旬~3月中旬の確定申告の時期に申告書を作成して提出する必要があります。国税局のサイトで医療費控除の説明がされていますし、申告書の作成を支援する機能もありますので、確認してみると良いでしょう。

リラクゼーションとマッサージの違い;施術を受ける目的や施術者の国家資格の有無による

リラクゼーションは国家資格がなくても施術でき、コリをほぐすことで心身の緊張を解いてリラックスできるのを目的としています。一方、マッサージは施術するためには「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。筋肉や関節の動きの悪さやこわばりの緩和や、治療をする目的で行われるという点で違いがあります。

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雑学

3分で分かるリラクゼーションとマッサージの違い!どちらが国家資格で健康保険証の対象になるの?文学部卒ライターがわかりやすく解説

この記事ではリラクゼーションとマッサージの違いについてみていきます。どちらも体をほぐしてもらうことで、コリや筋肉のハリなどの悩みを解消するといったイメージがあるでしょう。違いは、国家資格の有無や健康保険の給付が受けられるかといったところ、医師の指示書が必要か不要かなどがあるようです。今回は2つの言葉の違いを、家族に訪問マッサージを利用させていたライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

半身不随になった祖父にリハビリの一環で、訪問マッサージを受けさせていた文学部卒のライター。

リラクゼーションとマッサージのざっくりとした違い

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リラクゼーション(英語:relaxation)は、日本語で骨休め休養、癒やしといった意味。マッサージ(英語:massage)は筋肉などを揉むことをいいます。もともとの言葉の意味を考えると、やはり違いがありますね。

リラクゼーション:公的な資格がなくても施術可能

リラクゼーションは、疲れや緊張を軽減して心身を癒やすための施術です。民間資格で、特に国家資格は必要ありません健康保険による給付は受けられないので注意しましょう。施術する店舗や国内外の各種学校などで数ヶ月~2年程度と一定期間研修をして、技術や知識を身につけるところが多いです。施術者のことをセラピスト(心身の不調を癒やす人)と呼ぶ場合も。手や器具などを使って施術します。

マッサージ:国家資格を有する人が施術

マッサージとは、病気や怪我などの治療や症状などの改善のために行うための施術。マッサージをする人のことをマッサージ師と呼びますよね。筋肉や皮膚を揉む、さする、なでる、軽く叩くなど手を使った技術が主です。

マッサージ師になるには、あん摩マッサージ指圧師という国家資格を取得する必要があります。まず国が指定する専門学校で3年(大学なら4年)規定の授業を受けて勉強することが条件。国家試験は12科目にわたる出題範囲からなり、合格率は約8割とのことです。

リラクゼーションの特徴

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リラクゼーションは、心身の緊張を取って癒やす目的で施術してもらうこと。具体的にどのような特徴があるのか見ていきましょう。

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