ココアは栄養の宝庫!特徴や効果効能・注意点もフリーランス管理栄養士がわかりやすく解説
ライター/宮本ゆか
町役場とドラッグストアでの管理栄養士を経てフリーランスの管理栄養士兼ライターへ。趣味はオーガニックの食材で料理をつくること。栄養についての知識をいかし、わかりやすく解説していきます。
ココアの特徴
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飲み物としておなじみのココア。ココアはカカオ豆を原料としてつくられています。ここでは、カカオ豆の説明をまじえながら、ココアの歴史や製造過程、チョコレートとの違いについてくわしく解説していきますね。
ココアの歴史
ココアの原料であるカカオ豆の原産地は南米のアマゾン川流域からオリノコ川流域です。カカオ豆の歴史は古く、紀元前から食用とされてきたそう。その後、スペイン人がヨーロッパにカカオ豆を持ち帰り、ヨーロッパでもカカオ豆が広く用いられることになりました。そして1828年ごろ、オランダの化学者カスパルス・ヴァン・ホーテンが世界で初めてココアをつくり出す製法を開発したそうです。
ココアはどうやって作られているの?
ここからはココアの製造過程についてみていきましょう。まず、カカオ豆を発酵、乾燥させた後、焙煎しすりつぶします。この状態がカカオマスと呼ばれていますよ。カカオマスにはココアバターが多く含まれているのでドロッとしたペーストの状態です。カカオマスからカカオバターの油分を除き粉末状するとココアができあがります。
ココアとチョコレートの違いは?
ココアとチョコレート、似ているけどどう違うの?と思う方も多いかもしれませんね。実は、ココアとチョコレートの原料は同じカカオ豆。製法の違いによりココアとチョコレートに分かれます。カカオマスからココアバターを取り除いたものがココアでしたね。チョコレートは取り除いたココアバターと砂糖やミルクをカカオマスに加えて作られているそうです。
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ココアの栄養素と効能
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ここからはココアの栄養素と効能について詳しく解説していきます。ココアには体にうれしい成分がたくさん含まれているんですよ。ココアにはどんな健康効果があるのかを一緒にみていきましょう。
1.動脈硬化を予防するカカオポリフェノール
ココアはカカオポリフェノールが多く含まれていることで有名です。カカオポリフェノールにはLDL(悪玉)コレステロールの酸化を抑制するはたらき(抗酸化作用)があります。LDLコレステロールの酸化が進むと、血液がドロドロになり動脈硬化を引き起こすことも。カカオポリフェノールの強い抗酸化作用は動脈硬化の予防に効果があるといわれています。
2.血圧を下げるフラバノール
ココアにはフラバノールという成分が含まれていて、血圧を下げる効果が注目されています。フラバノールは血管の拡張を促し、血圧を下げる内皮一酸化窒素の生成を増やすそうです。血圧が気になる方は、普段の飲み物にココアをとり入れてみてはいかがでしょうか。
3.リラックス効果があるテオブロミン
ココアの苦み成分であるテオブロミンは、脳内物質のセロトニンに作用するはたらきがあります。セロトニンは別名「幸せホルモン」と言われていて、増加するとリラックス効果があるそうです。また、テオブロミンには血管拡張作用もあり、カカオポリフェノール同様に動脈硬化を予防する効果が認められています。
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