この記事では作務衣と甚平の違いについてみていきます。どちらも日本の伝統的な衣服で、みんなも一度は見たことがあったり、着たことがあったりするでしょう。見た目が似ている両者ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。また、どのようなシーンで着ると良いのでしょうか。
今回はそんな作務衣と甚平の特徴について確認しつつ、両者の違いを雑学好き大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

作務衣と甚平とは?

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日本ならではの衣服である作務衣(さむえ)と甚平(じんべい)。作業用やお出かけ用として着用する方がいますよね。作務衣と甚平は見た目が似ているので、どのように使い分けるのかがわからないという方もいるでしょう。そこで、今回は作務衣と甚平の作りや素材などの違いについて解説していきます。作務衣と甚平のどちらかを購入しようか迷っているという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

違い1:ズボンの長さ

作務衣と甚平の1つ目の違いは、ズボンの長さです。作務衣と甚平のどちらなのかがわからないという方でも、このズボンの長さで見分けられますよ。そんな作務衣と甚平のズボンの丈の長さについて、それぞれを着用する季節について触れながら説明していきますね。

作務衣:足首までの長ズボン

作務衣のズボンは足首までの長さがあります。そのため、作務衣は春夏秋冬のいつでも着用することができるのです。また、作務衣は作業する時にも着用されます。ズボンが長めの丈だと、作業中の怪我防止にもなりそうですよね。作務衣のズボンの丈が長めにすることで、季節問わず着られるだけでなく、作業する際にも助かりますね。詳しい着用場面については、後ほど解説します。

甚平:ひざ下までのハーフパンツ

みなさんは、甚平にどのようなイメージを持っていますか?甚平といえば、夏祭りに着る衣服という印象がありますよね。実は、甚平は夏に着用するために作られた衣服なのです。そのため、夏を快適に乗り越えるために、ズボンはひざ下までという少し短めの丈をしています。夏用の衣服ならではの特徴ですね。

違い2:上着の作りとデザイン

作務衣と甚平の2つ目の違いは上着の作りとデザインです。両者の上着は似ていますが、よく見ると、袖の長さやデザインが異なっています。この異なるポイントを知ると、作務衣と甚平を上手に使い分けることができるかもしれませんね。ここから、作務衣と甚平の上着の作りとデザインの違いについて解説します。

\次のページで「作務衣:袖の長さが長め 」を解説!/

作務衣:袖の長さが長め

作務衣は春夏秋冬、いつでも着ることができるのでした。そのため、秋や冬でも着用できるように、着物を同じくらいの裄丈や、長袖のものがあります。また、作務衣によっては作業の邪魔にならないように、袖をまくれるものもありますよ。作務衣の袖の長さは、基本的に長めですが、様々な種類があるのです。

甚平:袖の長さが短め

夏に着用されることが多い甚平。その上着の袖の長さは涼しくするために、作務衣と比べると短めです。また、暑い夏を快適に過ごすために、甚平の上着はさらに工夫が施されています。それが、脇の縫い目です。脇がタコ糸で編まれていたり、レースを付けていたりすることで、風通しの良いデザインになっています。

夏に着ても暑苦しくならないように、工夫されていますね。

違い3:使用している素材

作務衣と甚平の3つ目の違いは、衣服に使用されている素材です。軽くてゆったりとした着心地の作務衣と甚平。そんな作務衣と甚平には、どのような素材が使われているのでしょうか。ここから、作務衣と甚平の素材について解説していきます。

作務衣:麻や綿、フリースなど

作務衣は、年間通して着用することができるのでした。そのため、どの季節でも着用できるように、様々な素材が使われています。夏用として麻のみ、冬の寒さに耐えられるように、綿入れされものや保温性に優れたフリースなどが素材として使われているのです。季節ごとに適した素材が使われた作務衣を選ぶことをおすすめします。

甚平:麻と綿の混紡もしくは麻のみ

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甚平は主に夏に着用される衣服でした。そのため、暑い夏を涼しく過ごすために主に、麻のみ、もしくは麻と綿の混紡を素材として使われているのです。特に、麻は通気性が良く、吸水性に優れています。触り心地が少し硬めなので、汗をかいても肌に張り付きません。また、綿も高い吸水性を持っており、吸収された水分は発散されるという特徴があります。

このように、甚平に使われる麻と綿は、汗をかきやすい時期に最適な素材なのです。

違い4:着用する場面

作務衣と甚平の4つ目の違いは、着用する場面です。せっかく購入した作務衣や甚平を最適な場面で着用したいですよね。そこで、ここから作務衣と甚平を着用する場面についてご紹介します。気になる方は着る前に一度、確認してみてくださいね。

\次のページで「作務衣:幅広い場面で着用できる」を解説!/

作務衣:幅広い場面で着用できる

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作務衣を着用できる場面は様々。元々は、禅宗の僧侶が畑仕事や掃除などの労働を行う際に着用されていました。和の雰囲気を残しながらも、動きやすく、軽くゆったりとした着心地は、作業する人にとってピッタリな衣服だったのです。そのため、最近では蕎麦や陶芸の職人さん、旅館の仲居さんなど、様々な人が作務衣を着てお仕事しています。さらに、作業用だけでなく、部屋でくつろぐ時や、仲の良い友人と出かける時の普段着として着用することができますよ。

作務衣は、様々なシーンで着ることができる万能な衣服なのです。

甚平:くつろぐ時に最適

作務衣は作業用や部屋着用など、様々なシーンで使われるのでした。一方、甚平は作務衣よりも着用できる場面が限られてきます。甚平の場合、自宅やちょっとしたお出かけに着用する「くつろぎ」着として広まりました。風通しがよく涼しい甚平は、夏の部屋着としてはもちろん、夏祭りに出かける際に着るにはうってつけです。

皆さんも今度の夏祭りに甚平を着てみてはいかがでしょうか?

\次のページで「作務衣と甚平を上手に使い分けよう! 」を解説!/

作務衣と甚平を上手に使い分けよう!

作務衣と甚平の違いについて解説しました。両者の違いとして主に、ズボンの丈や袖の長さ、使用する素材、着用する場面の4つがありましたね。両者の違いを知って、気兼ねなく自分の好きな時に着用できることができますよ。ご自身に合った作務衣や甚平を見つけてみてくださいね!

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文化・歴史雑学

作務衣と甚平の違いとは?外出していいの?普段着と部屋着のどっち?雑学好き現役大学院生がわかりやすく解説

作務衣:袖の長さが長め

作務衣は春夏秋冬、いつでも着ることができるのでした。そのため、秋や冬でも着用できるように、着物を同じくらいの裄丈や、長袖のものがあります。また、作務衣によっては作業の邪魔にならないように、袖をまくれるものもありますよ。作務衣の袖の長さは、基本的に長めですが、様々な種類があるのです。

甚平:袖の長さが短め

夏に着用されることが多い甚平。その上着の袖の長さは涼しくするために、作務衣と比べると短めです。また、暑い夏を快適に過ごすために、甚平の上着はさらに工夫が施されています。それが、脇の縫い目です。脇がタコ糸で編まれていたり、レースを付けていたりすることで、風通しの良いデザインになっています。

夏に着ても暑苦しくならないように、工夫されていますね。

違い3:使用している素材

作務衣と甚平の3つ目の違いは、衣服に使用されている素材です。軽くてゆったりとした着心地の作務衣と甚平。そんな作務衣と甚平には、どのような素材が使われているのでしょうか。ここから、作務衣と甚平の素材について解説していきます。

作務衣:麻や綿、フリースなど

作務衣は、年間通して着用することができるのでした。そのため、どの季節でも着用できるように、様々な素材が使われています。夏用として麻のみ、冬の寒さに耐えられるように、綿入れされものや保温性に優れたフリースなどが素材として使われているのです。季節ごとに適した素材が使われた作務衣を選ぶことをおすすめします。

甚平:麻と綿の混紡もしくは麻のみ

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甚平は主に夏に着用される衣服でした。そのため、暑い夏を涼しく過ごすために主に、麻のみ、もしくは麻と綿の混紡を素材として使われているのです。特に、麻は通気性が良く、吸水性に優れています。触り心地が少し硬めなので、汗をかいても肌に張り付きません。また、綿も高い吸水性を持っており、吸収された水分は発散されるという特徴があります。

このように、甚平に使われる麻と綿は、汗をかきやすい時期に最適な素材なのです。

違い4:着用する場面

作務衣と甚平の4つ目の違いは、着用する場面です。せっかく購入した作務衣や甚平を最適な場面で着用したいですよね。そこで、ここから作務衣と甚平を着用する場面についてご紹介します。気になる方は着る前に一度、確認してみてくださいね。

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