「三人市虎を成す」の使い方・例文
「三人市虎を成す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
・「三人市虎を成す」で、少し考えればおかしいとわかるデマであっても、今はSNSであっという間に多くの人に信じられてしまったりする時代だ。
・いじめ問題があると、先生や学校がそんなことは無かったと否定することが多いけれど、こういうのも「三人市虎を成す」のせいかもしれない。
・一人が「宇宙人を見た」と言っても無視されていたが、同意見の人が増えてきた途端にメディアで取り上げられるなど「三人市虎を成す」にもほどがある。
「本当のことでなくても、多くの人が言うと真実だと思われてしまう」というニュアンスが伝わりますでしょうか。真実ではないものを「そうだ」と思ってしまっている人が出てくるため、不正やうさん臭さが漂う内容になることが多くあるでしょう。
あるいは、それに対して話者が憤っていたりやるせなく思っていたりも。いずれにしても、あまり良い内容の場合には使われない表現です。色々な感情やメッセージが読み取れるはずですので、文章問題などで見かけた場合はしっかり読み解くようにしてくださいね。
なお、漢文で出題されたり、四字熟語として使われる場合には「三人成虎(さんにんせいこ)」とも言えます。他の言い方と合わせて、余裕があれば押さえておきましょう。
「浮石沈木」
これは、「大衆の無責任な言論が、いつの間にか世間に受け入れられてしまうこと」を意味する四字熟語。中国の歴史書『魏志』の逸話が元になってできた言葉です。
普通、石は水に沈み、木は浮くものですね。それが大勢の人がそうだと言うことで逆になってしまう(と、信じられてしまう)わけですから、まさに「三人市虎を成す」と同様の意味合いになっています。
ただ「浮石沈木」の場合は、「全くの嘘が信じられてしまう」より「無責任な発言が威力を持ってしまう」という点に重きが置かれ、政治やマスメディアの分野に用いられることが多いようです。細かい違いですが覚えておきましょう。
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