この記事では大根とかぶの違いについてみていきます。見た目が似ている両者は日本食に欠かせない食材です。大根とかぶの違いはずばり、肥大する部分らしいが、どこが肥大するのでしょうか。また、それぞれの特徴を生かしたレシピは何があるのでしょうか。
今回はそんな大根とかぶを使ったおすすめレシピについて触れながら、両者の違いについて雑学好き大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

大根とかぶはどんな植物?

私たちの食卓になくてはならない、大根とかぶ。どちらも根菜類に分類されるアブラナ科の植物です。見た目もそっくりな両者は、葉が緑色で、その下には白い根のようなものがありますよね。そんな大根とかぶにはどのような違いがあるのでしょうか。大根とかぶの違いを解説する前に、両者の特徴についてみていきましょう。

大根:アブラナ科ダイコン属

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大根とは、アブラナ科ダイコン属。春の七草の1つで、「すずしろ」とも呼ばれる植物です。地中海や中央アジアの地域が原産だと言われています。日本には弥生時代に伝わってきたとされ、古くから野菜としてはもちろん、薬味や薬草としても食されてきました。大根にはビタミンCやカリウムなどが含まれています。古くから伝わる大根は、日本食に欠かせない栄養満点な野菜なのですね。

大根の品種を下記にいくつか挙げておきました。日常的に食べられているものから、少し珍しいものまでありますよ。

青首大根:日本の市場に出回っている大半の大根がこの種類。
辛味大根:小ぶりで水分が少なく、辛味が強い。薬味にぴったり。
桜島大根:大根の中で最大の品種。重さは10~25kgもある。
聖護院大根:京野菜の1つ。かぶのような見た目をしている。
レディサラダ:神奈川県三浦市の特産野菜。表面は赤色で中は白色。

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かぶ:アブラナ科アブラナ属

かぶは、アブラナ科アブラナ属。春の七草の1つで、「すずな」とも呼ばれる植物です。地中海沿岸や中央アジアのアフガニスタン地域が原産だと言われています。日本には、弥生時代に中国もしくは朝鮮半島から伝わってきました。日本では、古くから保存して冬から春にかけてよく食べられてきました。また、かぶには大根と同じようにビタミンCやカリウム、食物繊維が含まれています。

下記にいくつかかぶの種類を挙げておきました。気になる品種があれば、ぜひ試してみてくださいね。

小かぶ:最も手に入りやすいかぶ。
大かぶ:大かぶといえば、聖護院かぶら。大きさと柔らかを生かした千枚漬けを絶品。
赤カブ:表面だけ赤いものから、中まで赤いものまで様々。
ミラノかぶ:イタリアで作られたかぶ。地上に出ている部分は紫色。

違い1:肥大している部分

大根とかぶの1つ目の違いは、肥大している部分です。どちらも上部に緑色の葉が生えており、その下に大きく肥大した白い部分がありますよね。一見、どちらも根が肥大したように見えますが、実は全く異なる部位が肥大しているのです。ここでは、大根とかぶの肥大部分の違いについて解説していきます。

大根:根が肥大している

大根はその名の通り、根が肥大している植物です。大根の大半を占める肥大した白い部分が大根の根にあたり、土の中で成長します。また、根の表面をよく観察すると、くぼんだ痕跡がありますよね。これは大根の細い根(ひげ根)が取れた跡です。このひげ根は、大根本体が必要とする水分や栄養を土中から取り込むためにあります。

私たちがよく食べる大根の部位は、実は根だったのです。

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かぶ:胚軸が肥大している

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大根は根が肥大するのでしたね。それでは、かぶはどの部分が肥大しているのでしょうか。実はかぶの場合、胚軸が肥大しているのです。胚軸とは、発芽して最初に地上に現れる双葉と根の間の茎の部分のこと。また、かぶの下の部分に細長く伸びているものは、根が肥大した部分で、周りに土中の栄養を吸収する側根が生えています。

私たちがかぶを食べる際、肥大した胚軸がメインだったのです。

違い2:葉の特徴

大根とかぶの2つ目の違いは葉の形です。肥大している部分で両者の違いを判断することができますが、品種によっては大根がかぶのように肥大していることも。そのため、葉もよく観察すると両者の違がハッキリとしますよ。ここでは、両者の葉の違いに加えて、葉に含まれる栄養についても簡単に解説していきます。

大根:葉がゴワゴワしている

大根の葉は、どの品種でもゴワゴワとしていることが特徴的。ついつい捨てられがちな葉ですが、実は栄養がたっぷりと含まれているのです。葉にはβカロテンやビタミンC、それにカルシウムやカリウムなどのミネラル類がたっぷり。特にβカロテンは根にはない栄養素なので積極的に摂取すると良いですよ。

かぶ:葉は柔らかい

かぶの葉は大根と比べると柔らかいです。特に新鮮なものは、濃い緑色をしており、ハリがあります。かぶの葉も大根の葉と同様に、栄養満点です。かぶの葉には、β-カロテンやビタミンC、ビタミンKがあり、どれも胚軸にはあまり含まれていない栄養素。そのため、かぶの葉も無駄にしないで、しっかりと調理して食べることをおすすめします。

大根とかぶを使ったおすすめレシピとは?

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ここまで、大根とかぶの特徴、そして両者の違いについて解説しました。ここでは、栄養満点な大根とかぶを無駄なく消費できるレシピや、それぞれの特徴を生かした料理をいくつかご紹介します。大根やかぶを購入した際、ぜひ参考にしてみてくださいね。

大根
大根の煮物:豚バラ肉や鶏肉と一緒に煮込むと旨味が増す。つゆをたっぷり吸った大根はやみつきに。
大根サラダ:和風ドレッシングをかけるとなお良し。素材の味を楽しめる。
大根の葉ふりかけ:ごま油との相性が抜群。ご飯のおかわりが止まらない!
大根の味噌汁:大根丸々一本使った味噌汁。無駄のない絶品。
大根の葉の炊き込みご飯:ツナ缶やジャコを入れるのもおすすめ。
かぶ
かぶとツナ缶の和え物:無限に食べられる。
かぶのあんかけ:かぶを大きめに切れば食べ応え抜群。
かぶの和風サラダ:かぶ本来の味を楽しめる。かぶの葉を振りかけるとなお良し。
かぶの葉の煮びたし:あっさりとして食べやすい。

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大根とかぶは肥大部分が違う!

大根とかぶの最大の違いは、肥大する部分でしたね。大根は根が大きく膨らむのに対して、かぶは胚軸という部分が肥大するのでした。また、両者の葉の形にも違いがありましたが、どちらも栄養が豊富に含まれているのでした。肥大する部分が違えど、どちらも栄養満点の野菜なので、無駄なく召し上がってくださいね。

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雑学食べ物・飲み物

大根とかぶの違いとは?栄養やおすすめレシピも雑学好き現役大学院生が詳しくわかりやすく解説

この記事では大根とかぶの違いについてみていきます。見た目が似ている両者は日本食に欠かせない食材です。大根とかぶの違いはずばり、肥大する部分らしいが、どこが肥大するのでしょうか。また、それぞれの特徴を生かしたレシピは何があるのでしょうか。
今回はそんな大根とかぶを使ったおすすめレシピについて触れながら、両者の違いについて雑学好き大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

大根とかぶはどんな植物?

私たちの食卓になくてはならない、大根とかぶ。どちらも根菜類に分類されるアブラナ科の植物です。見た目もそっくりな両者は、葉が緑色で、その下には白い根のようなものがありますよね。そんな大根とかぶにはどのような違いがあるのでしょうか。大根とかぶの違いを解説する前に、両者の特徴についてみていきましょう。

大根:アブラナ科ダイコン属

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大根とは、アブラナ科ダイコン属。春の七草の1つで、「すずしろ」とも呼ばれる植物です。地中海や中央アジアの地域が原産だと言われています。日本には弥生時代に伝わってきたとされ、古くから野菜としてはもちろん、薬味や薬草としても食されてきました。大根にはビタミンCやカリウムなどが含まれています。古くから伝わる大根は、日本食に欠かせない栄養満点な野菜なのですね。

大根の品種を下記にいくつか挙げておきました。日常的に食べられているものから、少し珍しいものまでありますよ。

青首大根:日本の市場に出回っている大半の大根がこの種類。
辛味大根:小ぶりで水分が少なく、辛味が強い。薬味にぴったり。
桜島大根:大根の中で最大の品種。重さは10~25kgもある。
聖護院大根:京野菜の1つ。かぶのような見た目をしている。
レディサラダ:神奈川県三浦市の特産野菜。表面は赤色で中は白色。

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