この記事では卒業と修了の違いについてみていきます。履歴書に自分の学歴を記入する時、卒業と修了のどちらを書くべきか迷ったことがあるでしょう。どちらも学校に通い終えたことを表現するために使われるが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそんな卒業と修了の違いについて、履歴書の学歴欄の記入の仕方についても紹介しながら雑学好き大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

卒業と修了の違いとは?

就職活動をする時、履歴書の学歴欄を記入することがありますよね。その時、学校を「卒業」もしくは「修了」のどちらで表記すれば良いのか分からなくなってしまうことがありますよね。両者の違いが曖昧になりがちですが、実は卒業と修了では意味が異なり、正しく使い分ける必要があるのです。ここでは卒業と修了の意味について解説していきます。

卒業:学校の全て課程を学び終えること

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卒業とは、学校における全ての課程を学び終えることを意味します。つまり、各学校で学ばないといけないことを全て学習し終えると卒業することができるのです。「卒業」を使えるのは、小学校、中学校、高校、大学などになります。

修了:学業などのある一定の課程を終えること

卒業とは、学校の全ての課程を学び終えることを意味するのでした。一方で、修了は全ての課程ではなく、一定の課程の学びを終えたことを意味します。例えば、小学2年生の課程を終え、3年生に進学する際、「小学2年生を修了した」ということになるのです。修了を使う教育機関については、この後詳しく解説していきますね。

\次のページで「大学院はどちらを使うの?」を解説!/

大学院はどちらを使うの?

大学院に在籍していた人は、就職活動で履歴書を記入する時、卒業と修了のどちらを書くべきか迷ってしまいますよね。小学校、中学校、高校、大学などまでは卒業で良いのですが、大学院だと異なってきます。ここでは、大学院の正しい表記の仕方とその理由について解説していきます。

結論:大学院は修了を使う

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結論から言うと、大学院の課程を終えることを「修了」と呼びます。修了とは、ある一定の課程を終えることを指すのでしたね。大学院には「修士課程(博士前期課程)」と「博士課程(博士後期課程)」の2種類の課程があります。そして、修士課程を終えると、「修士号」が、博士課程を終えると「博士号」がもらえるのです。

このように大学院には2つの課程があり、それぞれを終わらせたことを示すために、「卒業」ではなく「修了」を用います。

博士課程を終えたら「卒業」でもいいのでは?

修士課程を修了し、さらに博士課程を修了すれば、全ての課程を終えたことになるので「大学院を卒業した」と表現しても良さそうですよね。では、なぜ「卒業」を使わないのでしょうか。

博士課程では、必要な単位の習得の他に、博士論文を執筆しなければなりません。博士論文は学生自身で何か新しいことを発見、研究し、まとめければならないので、修了するには時間がかかります。そのため、かなり多くの学生は博士号を取得できるのは、大学院を離れてからになってしまうのです。このように、博士課程の場合、ほとんどの学生は大学に所属せずに課程を終えることになるので、卒業ではなく修了を用いることが多くなります。

卒業と修了の使い方とは?

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ここまで、卒業と修了の意味についてと、大学院では修了を使う理由について解説しました。ここからは、履歴書での学歴の書き方についてご紹介していきます。就職活動する時に、ぜひ本記事を参考にしながら履歴書の学歴欄に記入してくださいね。

小学、中学、高校の場合

小学校や中学校、そして高校の場合は、全ての課程を終えると修了ではなく、「卒業」を用いるのでした。そのため、履歴書にも「卒業」と記入するようにしましょう。また、卒業したのであれば、その学校に入学したことにもなるはずなので、卒業にあわせて、「入学」も書くことを忘れないでくださいね。

\次のページで「大学、短大、専門学校、高専の場合」を解説!/

小学校の場合
〇年〇月 〇〇小学校 入学
〇年〇月 〇〇小学校 卒業
中学校の場合
〇年〇月 〇〇中学校 入学
〇年〇月 〇〇中学校 卒業
高校の場合
〇年〇月 〇〇高等学校 入学
〇年〇月 〇〇高等学校 卒業

大学、短大、専門学校、高専の場合

大学や短大、専門学校、そして高専の場合、小学校や中学校、高校と同じように全ての課程を終えたことを「卒業」と表現します。また、必ず学部名と学科名も記入するようにしましょう。以下が大学の場合の表記方法です。

大学の場合
〇年〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 入学
〇年〇月 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 卒業
(卒業していない状態で就職活動をする際、履歴書には卒業ではなく「卒業見込み」と書きます。)

\次のページで「大学院の場合」を解説!/

大学院の場合

大学院の場合、履歴書には以下のように表記するようにしましょう。また、大学院は修士課程と博士課程の2つの課程で成り立っているので、それぞれ「入学」も書くことを忘れないようにしてくださいね。

修士課程の場合
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 入学
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 修了
(修了していない状態で就職活動をする際、履歴書には修了ではなく「修了見込み」と書きます。)
博士課程の場合
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 入学
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 修了
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 博士課程 入学
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 博士課程 修了
(修了していない状態で就職活動をする際、履歴書には修了ではなく「修了見込み」と書きます。)

博士課程に進むも、博士論文の合格が言い渡される前に就職するという学生が多いのでした。このとき、必要な単位を全て取得していたとしても、学位をもらっていないと「修了」にはならないことに注意しましょう。このような場合、以下のように「単位取得退学」や「満期退学」と記入してください。「博士論文は合格していないが、単位は全て取得した」という意味になります。

単位取得退学の場合
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 入学
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 修士課程 修了
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 博士課程 入学
〇年〇月 〇〇大学大学院〇〇学研究科〇〇学専攻 博士課程 単位取得退学

卒業は全課程、修了は一定の課程を終えた時に使う!

卒業と修了について解説しました。卒業は学校の全課程を終えたことを指すのに対して、修了はある一定の課程を終えたことを指すのでしたね。また、小学校、中学校、高校、大学などは全ての課程を終えると「卒業」と表現しますが、大学院の場合、「修了」と表すのでした。正しく表記できるように、卒業と修了の意味をしっかり把握し使い分け方を覚えておきましょう。

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言葉雑学

卒業と修了の違いとは?大学院はどっちを書けばいい?履歴書の書き方も雑学好き現役大学院生がわかりやすく解説

この記事では卒業と修了の違いについてみていきます。履歴書に自分の学歴を記入する時、卒業と修了のどちらを書くべきか迷ったことがあるでしょう。どちらも学校に通い終えたことを表現するために使われるが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそんな卒業と修了の違いについて、履歴書の学歴欄の記入の仕方についても紹介しながら雑学好き大学院生ライターのききと一緒に解説していきます。

ライター/きき

植物について研究している現役大学院生。生物や植物だけでなく、言語や旅行、文化などあらゆるジャンルにも興味がある。誰もが面白い・分かりやすいと思ってくれるようなライターを目指している。

卒業と修了の違いとは?

就職活動をする時、履歴書の学歴欄を記入することがありますよね。その時、学校を「卒業」もしくは「修了」のどちらで表記すれば良いのか分からなくなってしまうことがありますよね。両者の違いが曖昧になりがちですが、実は卒業と修了では意味が異なり、正しく使い分ける必要があるのです。ここでは卒業と修了の意味について解説していきます。

卒業:学校の全て課程を学び終えること

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卒業とは、学校における全ての課程を学び終えることを意味します。つまり、各学校で学ばないといけないことを全て学習し終えると卒業することができるのです。「卒業」を使えるのは、小学校、中学校、高校、大学などになります。

修了:学業などのある一定の課程を終えること

卒業とは、学校の全ての課程を学び終えることを意味するのでした。一方で、修了は全ての課程ではなく、一定の課程の学びを終えたことを意味します。例えば、小学2年生の課程を終え、3年生に進学する際、「小学2年生を修了した」ということになるのです。修了を使う教育機関については、この後詳しく解説していきますね。

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